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評価:4

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ジョジーはもうしゃべらない

気持ちの行方

最後まで読んでみると、タイトルの意味がわかる。二度三度読むとさらに味わい深くなる。とても趣のある作品だなあと思いました。 しんどいことつらいことが重なると人は、自分の想いを自分のなかで抑えておくことができなくなりあふれ出してしまう。でもその気持ちはどこへいくのだろう。この物語は恋愛小説のかっこうをした母と娘の物語だ。 二人はとても対照的で、都度都度発散する母親とは違い、娘はぬいぐるみのジョジ―のなかに隠す。ジョジ―がしゃべりだすほどに。 手違いなのか、それともわざとなのか、もしくはファンタジーなのか、それは読者の判断にゆだねられているが、主人公は、ジョジ―をくれた男の子と再会する。そしてその間に母親がジョジ―の秘密を知る。 この対照的なシーンが、秀逸だ。 これは和解の物語だ。 母と娘が和解したのではない 母娘が同時に、自分以外の「世界」と和解したのだ。 できれば、僕のレビューを読んだ後、もう一度この作品を読んでほしいと思う。特に母親がジョジ―を洗おうとするシーンを。 そのあと、ジョジ―がもうしゃべらないということを、わざわざ書かない憎らしい演出を、味わってほしいと思う。 読めば読むほど、作家がかくしたいろいろなものが、みつかると思う。 なので、僕はきっと何度でも読み返す

4.5
2
ファンシーコウ@BEKKO BOOKS(短編集「天使はいかがですか?」3月4日発売)

Der Weihnachtsmarkt【クリスマスマーケット】

葛藤と揺らぎ、従属物としての日本の女

ドイツのクリスマスマーケットの美しい光に満ちた情景と、主人公がさまよう道の暗さをたっぷりと楽しんだ。 主人公がドイツ人の恋人との別れを決意したのは、自分が対等ではなく 愛玩動物のように愛されているのではないかという猜疑心から。 しかし、電話で帰国を促し日本で相応の大学院にいれてやる、という父親の言いぐさに従うことにはいささかも矛盾を感じていない。恋人の従属物であることは我慢できなくても、父親の従属物であることは受け入れるというこの精神の幼さ、依存心の強さこそ、日本人女性そのものだと感じた。だからウサギと呼ばれるのだがそこには気づかない。 ふらふらと帰国を決め、恋人に「愛している。もうウサギと呼ばない」といわれると唯々としてそれを受け入れる。 非常に面白い人物造形だと思う。主人公が愛玩動物をやめるのはいつか、よろめきから破壊へ移行するのかしないのか、そんな興味を持った。ぜひこの先を描いてほしい。 自立したいが結局庇護なくしては生きていけない、否を言えない女をはっきりと造形したのでなく、おそらくは父の言に従うことはさらっと書いてしまったのだと思われる。そこをマイナス0.5した。

4.5
0
しのき美緒@BEKKO BOOKS

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