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婚約者を奪われた少女は、敵国の王を守る剣となる。

描きたいものはなんだったのか

恋愛ジャンルになっているが、ヒロインの恋愛展開はほぼ皆無。 ほのかな初恋が実る直前で両親と妹によって恋する相手を奪われるが、その相手との関係は薄く、その後出会い仲間となる敵国の男たちにアプローチのようなものを受ける逆ハーっぽい流れはあるものの、ヒロインが全く気付かず全員を素でかわしてしまうので恋愛には発展しない。 タイトルやあらすじから、皇子とヒロインが結ばれるまでの二人の物語かと思いきや、皇子はおろか誰とも恋愛しないまま大筋の物語がさくさくと終わってしまい、最後にとってつけたような説明で恋愛部分を片づけられて、あまりの展開に唖然とした。 『親の言いなりに生きてきた普通のお嬢様』でしかなかったヒロインが、ブチ切れて高い戦闘能力を開花させるのだが、【なぜそんなことができたのか】という根本的な部分の説明がないのでその辺りもしっくりこなかった(火事場のクソ力というには、いきなり戦え過ぎている)。 実は皇子も銀髪だった……という辺りに引っ掛けて、『銀髪』は戦闘に長けているとか特殊な能力をもつ……みたいな設定があったとしたら、読み取れなかったことを申し訳なく思う。

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亜夜

聖女が戦えないなんて誰が決めたんですか? ~男装を理由に婚約破棄された令嬢、本人も大したことがないと思っていた実力を王子に買われて外国で実家再建~

無自覚チートヒロインのバトルもの

婚約者である戦わない王子の代わりに、男装し前線で身を粉にして敵を倒し続ける聖女であるヒロイン。そんなヒロインを疎んじ婚約を破棄する王子、彼女の力に目をつけ欲する隣国の王子、隣国からやってきた聖女3人の思惑が絡み合って大きな騒動になっていく。 ヒロインのチート具合が凄すぎる、かつ、本人の無自覚っプリが突き抜けているせいで、いろんな人との「あなたはすごい」「そんなことない」という旨のやり取りが、クドいというか茶番に見えてしまって若干萎える。 恋愛も、そういう方面に疎いという設定のため最後までごくごく薄味で、ヒーロー自身にも正直言って惹かれる要素がこれといってなかったせいで、二人のやり取りにトキメキ的なものは皆無だった。 バトル部分も、色々な要素を詰め込んで一気に放出しましたといった感じで急展開感が否めない。 見た目コッテリな料理がかなりの品数詰め込まれてるけど、食べてみたら全部同じ味でしかも薄味だった……みたいな残念さが際立つ作品だった。

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亜夜

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小説家になろう恋愛書籍化コミカライズ連載:67話

ガリ勉地味萌え令嬢は、俺様王子などお呼びでない

人は見た目じゃない

第一部は俺様王子編。 傲慢俺様なイケメン王子が『良い』と思えるのは、ヒロインが王子のことを好きになることが前提かつ、ヒロインとのふれあいで傲慢で俺様なだけではない王子の奥底にある良さ等が見えてくるからであって。 ヒロインに好きな人がいて王子のことはこれっぽっちも好きではない場合、権力と自身の魔法の力に物を言わせて人の話を聞こうともせず迫ってくるような俺様っプリは、『キュン』とするどころか『ただただ壮絶に面倒くさい』としか思えないんだな……と乙女ゲーマーとして目から鱗が落ちる思いがした。この手のタイプは乙女ゲではわりとメイン攻略対象として存在するので……前提と視点が違うとここまで意味合いが変わってくるのか……と。 王子の言動と彼自身が迷惑でしかないヒロインと、王子に憧れているヒロインの友人との会話での分かりやすい見え方の違いにめちゃめちゃ納得した。 第二部は俺様王子の弟の腹黒王子編。 第一部は学園内でことが収まっていたけれど、第二部はガッツリ王家が絡んできてヤバさが一段とアップ。 人の話を聞かない第一王子の次は、やはり人の話を聞かない第二王子に王妃と、この国の行く末が非常に不安になる。 が、番外編で第三王子が登場し、なんとかなるのではないかと一息つける。 物語全体を通して会話のテンポがよいので読み進めやすく、最初から最後まで一気に楽しく読めた。 いつも全力で好きを押し出すシャリーナと、困惑しながらも段々惹かれていくリオルの二人が可愛い、物凄く可愛い。 見た目は地味なガリ勉少年で、しかも魔法が使えないという欠点があるけれど、シャリーナの為に己が頭脳と持てる力を全力で使って戦うリオルは本当にカッコイイ。

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小説家になろうヒューマンドラマ連載:88話完結

目的は生き延びること

展開は重めだが、『物語』として面白くて一気に読み終えた。 最終的にヒロインに想いを寄せる相手が、半分血のつながりのある義弟と、そうとは意図しないままヒロインを追い込んで、心と体に傷を負わせる原因を作った婚約者の王子の2人なのが、ああーーー……という気持ちに。 恋愛ものではないので、二人とヒロインがどうなるかは描写されないまま終わるが、個人的には義弟派。