ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

詳細条件で探す

私の宝物を探して~返してよ?それは私のものだから!~

ある勘違いが発端で一緒にいることになった二人だが……⁈

【物語は】 ある一場面を切り取った部分から始まっていく。彼女の願いは叶うはずだったが、何らかのトラブルが招じたのではないだろうか? 続く本編では、あまり嬉しくないと思われる内容の会話が続くが、主人公にとっては違うように思える。果たして主人公は、自分の望んだ道をつき進むことが出来るのだろうか? 【登場人物・物語の魅力】 主人公は友人と、あるゲームの世界に来てしまったものの、まったくブレない。やりたいことが決まっており、その為にどうするべきかも決まっている。しかし、周りはそれを許さない。それでも、運が良いのか悪いのか、望んだ道へは進めそうな雰囲気である。 彼女が道を開くことが出来たのには、色んな理由があると思う。まず、この世界のことを予め知っていたこと。そして友人と打ち合わせをしてたこと。更に、やりたいことがきちんと決まっていたということだ。きちんと計画を立てていたからこそ、不利な状況になっても、道が切り開けたのではないかと思われる。 この物語には、二人を巡るある男性が出てくる。主人公は彼に、婚約破棄されるのだが、その問題はその時点では終わらない。解決していないように感じた。主人公が自分のやりたいことを貫くために、そっと屋敷を逃げ出したあとも、主人公の意志とは関係なく物語は進行しており、彼の視点で進む話もとても面白いと感じた。彼はいずれ、主人公の邪魔に入るのではないかと想像でき、冷や冷やしてしまう。 【舞台・世界観の魅力】 ゲームの世界にやって来た、主人公とその親友。二人は夢だと結論付け、この世界を楽しむことにした。プレイ済みのゲームということで、出てくる登場人物のことは知りつくしているようだが、好きな部分(サブコンテンツ)に夢中だった為、途中ピンチに見舞われることも。 しかし、この世界に来るときにあるアイテムを受け取っていたようで、最初のピンチを切り抜けることは出来る。だが、そんな簡単にラッキーは続かないのである。 回想などによって、このゲームをプレイすることになった経緯や、主人公の現実側での想いなどが綴られている。 現実世界での自分と、ある自分の思いが交差した時、主人公は自分が自分らしくいられていないことに気づく。 彼女は、この世界でなら、自分らしく過ごせるのだろうか? この世界では”精霊魔法”というのが使えるようである。本来ならば、主人公は一人でトレジャーハントをしようとしていたに違いない。しかし、ある勘違いをきっかけに、ある男性と共に行動しなければならない状況に陥る。初めこそ、利便性や必然性によるものだったが、相手の人柄が分かって来ると、彼に対し好意を感じ始める。 【手つなぎ生活】 もし自分が手つなぎ生活をすることになったなら? とても不便だなと感じた。手が使えるかどうかよりも、動き辛そうだなと思った。この物語のなかで面白いなと思うのは、ゲームとしてプレイしてた時と実際にゲームの中で活動している時とで、違いがあることだ。細かい部分かも知れないが、例えばゲームをプレイする分には風を感じたり重力を感じたりすることはない。(TVゲーム、携帯ゲームなど) そういう普段は気に留めていない部分である、”ゲームをプレイしているのか、それともゲームの中に居るのか”という違いがはっきりしている。そういう違いも、物語の発展に関係しているのではないだろうか。 【物語の見どころ】 主人公の心の動きが丁寧であり、目的がはっきりした物語である。 ある日、ゲームの世界にきてしまった主人公は、慌てるでもなく親友と話し合い、ここで何を行うのか決めていく。彼女のしたいことが元から決まっている。その為には、自由が必要であった。 途中ピンチに見舞われるも、神様から貰った道具が道を切り開いてくれる。 しかしながら、何もかもがうまく行くわけではない。順調にことが運びそうだった主人公に影が差すのである。その原因になったのは、ある男との出会いだった。 だが、この出会いは主人公にとって転機となる。初めころは不満そうにしていた主人公だが、その心に変化が訪れるのだ。楽しそうな部分もあるし、元々彼が他の女性を狙っていることを知ってか、複雑な心境の部分も垣間見える。 この物語での一番の見どころは、主人公の心の変化にあるのではないだろうか? あなたもお手に取られてみませんか? 大切なモノを、ある勘違いにより本人の意志とは異なった形で奪われてしまった主人公。彼女は、その時出逢った男性とある事情により、一緒にいなくてはならなくなる。しかし一緒に過ごすうちに、心境が変わっていく。 また、邪魔者の入る気配もある。 これから何が起きるのか? 無事に夢が叶うのか? 見どころ満載の物語です。 是非読まれてみてくださいね。おススメです。

5.0
0
crazy's7

世界の最果てに佇む猟犬と新世界の彼方で吼える忠犬

世界観設定がしっかりしており、登場人物が魅力的な、読み応えのある物語。

【物語は】 雨の日に乗り合いで目的地に向かう、途中の車内での会話から始まる。内容はもっぱら、街コンの話だ。街コンが何かについては補足参照。 この話題を通し、各登場人物の特徴が明かされていく。明るい話から一転、着いた先はホラー映画にでも出てきそうな建物であった。 これから何が起きるというのだろうか? 補足*街コンとは? 街コンは、2004年に宇都宮で行われた「宮コン」というものが発祥とされている。出会い系のイベント。大規模型とアットホームな小規模性、大手イベント会社が運営する街コンとローカル地域限定の地域密着型街コンなど、様々なパターンのイベントがあるようです。(web調べ) 【世界観・舞台】 度々出てくる新世界とは。 作中に”親父とお袋が新世界(あっち)の生まれだから”(引用)という一文が出てくるので、何らかの形で行ったり来たりできる場所なのではないかと想像する。 この物語ではゴブリンやオークなどが出てくる。そして、主人公と一緒に職務をこなしており、それなりの階級のものいるようだ。つまり、人間以外の種族が人間と共存しており、差別などされたりもしない世界観という事だ。 しかしながら、街コンの話の流れでは異種族間での付き合いは、そんなに好ましいわけでもないように思える。 この部分から思うのは、異種族であっても”個人として扱われたい”という気持ちがあるという事。肩書や職業ではなく、人柄や容姿も含めた個性などをちゃんと見て判断して欲しいという事である。それは人間も同じであるので、気持ちが理解できる。種族が違い見た目などが違うというだけで、彼らは人間と変わらないという事だ。そんな彼らだからこそ、一緒に任務をこなせるのではないだろうか。 しかしながら、この後の話では新世界との戦争について語られている。それを踏まえると、彼らは特別な境遇にいるのかも知れない。 【登場人物・物語の魅力】 二話ではニュースを通して、この世界にどのようなことが起きたのか、現状がどうなのかについて詳しく語られている。その中で、新世界で暮らしていた者たちとの共存の仕方や、共存できないものとの付き合い方などが明かされていく。しかしながら、全体的に人間が好き勝手している印象が強く、ニュースの中でもそのやり方に反対している者もいるという事が見えて来る。 主人公がこのことについて、どっち派の考え方なのかは、この時点では明確にされてはいないが、彼らとのやり取りを見る限りでは異種族差別をしていないように感じる。 物語を読み進めていくと、少なくとも主人公の周りでは種族間でいがみ合う問題が起きるというよりは、組織の体制によるという方がしっくりする。 あるテロリスト集団を摘発した折に出てきた”異世界の鉱石”、これが飛んでもなく危険なものだった。当然入手経路や、密売者を特定しなければならないわけだが。そこに鉱石の入手元となる国の女騎士が訪れる。 二人のやり取りはとても興味深い。全体的に冷静に感じる主人公の、感情が露わになるシーンでもある。客観的に見ると到底うまくやっていけそうにないように感じてしまうが、果たして密売組織を捕まえることはできるのであろうか? 【物語の見どころ】 世界観設定が細かく、その説明の仕方は色んな方法を交えているように感じた。歴史を辿るような流れであり、それについての主人公の考えも述べられている。 主人公はやり手のキャリアウーマンという印象。冷静でとても強い。しかし、時にはカッとなることもある。(態度は冷静なままに見えるが)そこが魅力の一つでもあると感じた。常に冷静な人には人間らしさを感じないからである。 回想の中では、過去の彼女も垣間見える。こういう職業は悪を取り締まると言っても、やはり人と人との関わり合いで成り立っているんだなと、改めて感じた。 そんな彼女はある任務において、非協力的な者と一緒に仕事をすることとなってしまう。(正確には目的地に同行)この部分の駆け引きは、とてもハラハラする。一筋縄ではいかないという事だ。 果たして、主人公は無事に目的を果たすことが出来るのであろうか? あなたもお手に取られてみませんか? アクションシーンがとても巧く、世界観がしっかりとした物語です。警察もの刑事ものが好きな方にお奨めしたい物語です。 ぜひ、読まれてみてくださいね。

5.0
0
crazy's7

僕はモテモテです。ジミ子限定ですが。

どうしたら モテるのか⁈モテの極意、ここにあり!

【物語は】 学校が終わり主人公が帰宅しようとしたところ、ある小さな事件が起きる。これが噂に聞くモテ男というやつなのだろうか。 早速、ある女生徒二人に取り合いされる主人公だが、いまいち嬉しそうではない。家まで遠回りになってしまうからか? いや、違う。原因はどうやら他にあるようだ。 どんな経緯でモテが到来したのだろうか。 とっても気になる展開だ! 【登場人物・物語の魅力】 本編に入ると、主人公が既にモテているところから始まる。あらすじから想像するに、”恋愛マエストロ”からモテの極意を伝授してもらった後なのではないかと思われる。物語は、回想によって紐解かれていく。段々時間が戻り、謎が解ける様なスタイルが面白い。 好意を持っていた相手に、自分よりもハイスペックな男子生徒が告白することを知った主人公は、友人に焚きつけられ、意中の女生徒に告白を決意する。 ここでの、主人公の考えや気持ちには共感するものがある。 確かに、うまく行かないことが分かっていたとしても、未練というものは残り続けると思う。告白は”うまく行くと思うからする”とは限らない、という事である。 この物語には、笑いが多く含まれる。主人公のツッコミが面白いなと思った。主人公に好意を寄せる女生徒たちは少し強引であり、”少し行き過ぎているのではないか”という行動にも出る。しかし主人公は、”恋愛マエストロ”から伝授されたことを守り、何とか危機を切り抜けていく。 【世界観・舞台の魅力】 舞台は学校である。モテるモテないが分かれやすい年代。しかしながら、学生の時のモテるタイプは、社会に出ると変わったりするためずっとモテるとは限らない。 面白いなと思うのは、学生の時期には”スポーツの出来る生徒”がモテやすかったりするが、社会にで出ると営業などの”コミュニケーションの上手な人”や、”仕事の出来る人”がモテたりする。または気遣いの出来る人や、料理の得意な人などと、学生時代のモテるタイプから移り変わっていく。 年代や環境などによって、モテる傾向は変わっていくように感じるのだ。 【論理的なモテ】 ネタバレをすることは出来ないので、内容は伏せ”モテについて”知った時の感想を少し。 これは論理的である。かつ、納得のいく内容だと感じた。実際にモテるかどうかは、その人次第かも知れないが。例えば人には容姿の好みもあるので。 だが、試してみたくなる内容であることは確かである。 しかしながら、主人公のモテ方を見ていると大変そうだなという気もしてくる。果たしてモテることは本当に良いことなのだろうか?(良いことばかりなのか?という意味合い) そんなことを考えてしまう。 【モテのビフォーアフター】 主人公は観察のしがいがある。モテる前もモテた後も、それなりに辛そうであるからだ。もちろん悩みの方向は違うが、純粋に喜べる状況に見えない為だ。 もし自分が主人公の立場だったら、”どうなのだろうか”と考えながら読むことのできる物語である。羨ましいよな、違うような複雑な心境だ。 【物語の見どころ】 結果から始まる物語。段々と時が遡り、これまでに何があったのかが明かされていく。結果があって、その経緯が明かされていくが、発端まで一旦時間がどんどん巻き戻っていくのが面白い構成だと思う。 もしこれが時系列ごとに展開されていたら、早い段階でモテの極意が分かってしまう。結果から効果的に見せることで、何があったんだろうか?どんなことなのだろうかと、好奇心を刺激するのである。とても構成の巧い作品だ。 主人公や主人公を取り巻く人々は、とても個性的である。コミカルであり、笑いが含まれているため、とても読みやすいと感じた。 モテの極意は、試してみたくなるような内容であり、論理的である。しかしながら主人公を見ていると、真似することを躊躇う。とてもいバランスで保たれた作品だと感じた。 あなたもお手に取られてみませんか? 現在モテている主人公ではありますが、念願の彼女を作ることはできるのだろうか?ぜひその目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
0
crazy's7

非日常になった世界でも日常を過ごしたいなと思いまして。

突如、家の地下にできたダンジョンで。『え?そんな装備で戦うんですか⁈』笑いと緊迫感の織りなす、ダンジョン攻略物語。

【物語は】 主人公のある一言から始まっていく。主人公のモノローグにより、報告のようなスタイルで現状が明かされる。 この物語では、ダンジョンの中が『床、壁、天井が淡く発光している』とある。(この構造については後々物語内で明かされていく) つまりこの”ダンジョン”とは、RPGゲームなどでは洞窟や炭鉱だとライトなどで照らされていることが多い、あのダンジョンのことなのだ。驚きである。 それがこの世界に出現したのである。どうやら主人公の家の地下にダンジョンが出来てしまい、そこを探検中とのこと。 さて一体このダンジョンはどうなっているのだろうか? (できた理由や構造など) 【世界観・舞台の魅力】 さてこのダンジョンは一体、どんな構造なのだろうか? そこから物語は展開されていく。ダンジョンを攻略すると言うからには、安全ではないということの予想はつく。つまり何らかの敵がいるという事である。 (これについては、あらすじには書いていない為、ネタバレを防ぐのに、”敵”と表記します) この敵について。これが家の地下に居たらとても怖いなと思う。しかもダンジョンが出来た直後、不幸にあった人もいるらしい。そんな事から主人公は、この敵を警戒しつつダンジョンを攻略しようと言いうわけだ。 ダンジョンが出来た経緯についてもこの場面で詳しく描かれている。簡単に説明すると、世界規模の大災害と呼べる地震の後に、出現したという。 ここで二つの仮説が立てられるのではないだろうか。 一つ、ダンジョンを出現させるために揺れたという説。 二つ、何らかの理由により大災害後に何処からかダンジョンがやって来たという説。 ダンジョンが出現した経緯には、この点については書かれていない。その為この先も謎のままなのか、それとも明かされるのだろうかと妄想も膨らむ。 主人公が、自前の装備(物置に眠っていた金属バット、安全第一ヘルメット、カビ臭いスキーウェア、冬用ブーツ)でダンジョンに潜ると、前回潜った時よりも多い数の敵がいた。これは予想外の展開。 ここで初めての戦闘が行われ、あるものを手にする。主人公も予想を立てていたが、ここは完全に異世界または異空間なのかもしれない。敵が異常なだけではなく、相棒なる相手とも出逢う大切な場面。どんな相手なのかは、もちろん読んでからのお楽しみ。 このダンジョンのシステムはとても面白い。スキルを手に入れることは出来るようだが、強さやレベルなどはないのであろうか。この部分では、大まかなシステムは分かるが、まだ謎は残っているという状態。今後詳しく明かされていいくのが楽しみである。 【登場人物・物語の魅力】 この物語には魅力的な登場人物が、多く存在する。段々おかしな方向に行く、主人公の相棒ともいえる存在。彼女は、徐々に世界に毒されていくような気もしなくもないが、和みや笑いを提供してくれる存在でもあり、主人公にとっては強力な助っ人であるように思う。 そして主人公は、無謀ともいえる好奇心旺盛な男性。軽い気持ちで潜ったものの、武器がないと進めないという事に気づく。度々作中に出てくるが”主人公はゲーム脳”というものらしい。 補足1:そもそもゲーム脳とは。(web調べ) ”ゲームをすることが脳に悪影響を与えるということを主張”し一時期、問題になった”エセ科学”が発端で使われるようになった言葉のようだ。 しかしながらその後の研究で、ゲームをする人はしない人に比べ、多角的にもの事を捉えたり、3Dゲームをプレイしたグループは、他のグループ(2Dゲームやゲームをしなかったグループ)に比べ”明らかに記憶力や思考力が向上した”などの研究成果などが報告されている。 つまりゲームをしたほうが、頭は良くなるという話である。しかしながらこれは、ゲーム脳という言葉が根付いた発端であり、用語そのものの意味ではないようだ。 補足2:ではゲーム脳という言葉の意味とは。(web調べ) ゲームを長時間、または繰り返しプレイしている人間の脳を意味する語である。この本来の意味とは異なり、現実とゲームの区別がつかなくなったり、あるいはゲームの影響で暴力性を増した思考回路や人を指すこともある。 以上のことから、恐らくこの物語で使われている”ゲーム脳”という言葉は”現実とゲームの区別がつかない”という意味合いで、現実で起きていることをゲームに置き換えて考えていることを指すのではないか思う。 そして上記に記載した通り、主人公は頭が良いのではないだろうか? 何故そう思うのかと言うと、とても冷静に状況を判断しているからだ。つまりこの物語は主人公がゲーム脳であるということにおいて、リアイティを持たせていると感じた。 (それを説明するための補足である) この他にも主人公の友人の対応や、両親の反応など、笑いどころが満載で面白い物語である。自宅に戻る度に起こるのか現時点では分らないが、両親との会話が毎回面白い。全体的に緊迫感と笑いという両極端な要素を持っている、飽きない作品である。 【物語の見どころ】 この物語は、世界で起きた大震災後に”我関せず”と言った風で、主人公が家の地下に突如現れたダンジョンに夢中になり、攻略していくという物語である。 ゲーム脳である主人公は、冷静でありダンジョンで起きることをゲームに置き換え、困難を乗り越えていく。 例えば、戦う為には武器や防具が必要と考えたり、出てきた敵に対して”ゲームであったなら”と想像して戦ったり。ダンジョン攻略そのものも、面白く興味深いが、相棒とのやり取りもとても面白い。 この辺はネタバレを多く含むため、是非作品にて確認していただきたい。 恐らくわき役であると思われる両親も、とても魅力的に描かれている。息子との少し漫才風の会話に笑ってしまう。 登場人物にもダンジョン攻略にも魅力のある物語だと思う。 果たして主人公の辿り着く先とは何処なのだろうか? このダンジョンの存在する意味とは? 物語の先を、是非その目で確かめてみてくださいね。 お奨めです。

5.0
1
crazy's7

蟲の勇者は地底に眠る

知り尽くしているからこそ設定として活かせる、作り込まれた世界観が魅力

【物語は】 混沌とした場面から始まる。ある少女が命を狙われていた。追手から逃げようとするものの、立ち向かう力もなく追い詰められ、命を奪われてしまう。 果たして、これは夢なのか現実なのか? それとも未来を予見しているのだろうか? 【世界観・舞台の魅力】 冒頭から始まる場面で、”黄緑色の血”というキーワードが出てくる。 あるショッキングな場面を通し、この物語の世界観や重要な人物の容姿なども伝わってくる。この場面で分かること、少なくともここに出てくる人物たちは自分たち人間とはどこか違っているという事。そう、彼らはあらすじにもあるように、”地球と異なる進化を遂げた存在”なのである。この部分で出てくる”ホンモノ”は一体何を指しているのだろうか。気になる伏線である。 用語補足:(web調べ) 自然選択とは個体間の適応度(生存や繁殖)の差によって生じる過程。その差がたまたまランダムに生じたものではない場合。 自然選択による進化のためには、 淘汰(選択)、変異、遺伝の3つが必要。 物語の流れがとても巧い為、自然に登場人物が紹介されていく。この場面で出てくる少女は、主人公の一人なのだろうか。それとも主人公と共に戦う仲間の一人なのだろうか。あらすじに書かれている”彼らと協力して、コーカスを暴き倒せ!”という一文から考えると、”彼ら”以外に誰かがいるのではないかと考えてしまう。しかし現時点では(この部分の文を書いている時点の拝読ページ)プロローグの段階の為、答えが出るのはまだ先のように感じた。 本編に入ると、世界観について明かされていく。 作品オリジナルの設定であり、最も重要である殻人族についても、ある少年の危機を通し、どのような生体を持つ生き物なのかが丁寧に説明されている。 どんな進化を遂げたのか。どんな部分が人間と違うのか。とても不思議で面白い設定だと感じた。 (設定についてのネタバレに関しては作家さまから、個人的に許可をいただいております) 【登場人物・物語の魅力】 舞台の設定がしっかりしてるため、分かりやすい物語である。作品のはじめのの方に世界観や設定について詳しく描かれているが、オリジナル要素が多い為、とても好奇心を刺激される。しかもつらつらと説明が入るわけではなく、要所要所で説明されるため、覚えやすく納得もしやすい。 彼らの敵となる存在はどうやって産まれたのか。 その経緯について語られているが、これは現実の世界でも十分に起こりうる”勘違い”によるものだと思われる。 その為、この物語で描かれている登場人物たちが”人間ではない”にも関わらず、共感しやすかったり、想像しやすかったりするのではないかと感じた。 武器が体の一部。 これは己の身体自体が鞘と考えると、とても面白い発想だと思う。手に持って歩く必要もないし、身体につけておく必要もない。必要な時に自分の意志で取り出せばいいのだ。しかも全ての殻人族に、備わっている、祖先から受け継がれたもの。この武器についての設定も、とても面白い。独創的である。 冒頭の少女と少し変わった能力をもつ主人公との出会い。どのように出逢うのだろうかと思っていたが、出逢う場所がとても自然な形である。出逢い方は少し変わってはいるが。ここで思うのは、主人公は田舎者で世間知らず。冒頭の少女は都会育ちもしくは現代っ子というイメージが近いのかも知れない。二人はある場所で出逢い、話をすることで地中で生活していた者と森で生活していたものの文化や生活の違いが明らかになっていく、ナチュラルな話の展開。虫からの進化であるという事も随所に活かされており、作者の拘りが詰まった作品であることが伝わってくる。 【物語の見どころ】 全体的に世界観や舞台の設定について、とても凝っており、良く練られていると感じた。子供と大人の違いや、武器について。進化の仕方や、生活や食事に至るまで”虫”からの進化であることが分かりやすい。 好きでなければここまでモチーフとして扱えないと思う。 それくらい活かされている。 そして、作品の下記にある作品の設定補足。用語など。図も入れたりし分かりやすく補足されている。虫についてよく知らない人でも分かりやすく、納得のできる世界観だと思われる。 主人公と冒頭の少女について。 どちらも個性的。主人公は天然で世間知らずであり、屈託がなく素直な印象。それに対し少女の方は、言いたいことをはっきり言う、少し気の強い子という印象である。一見性格が合わなそうにも感じるが、物語が進むにつれ少女の性格に好奇心旺盛な部分も垣間見え、案外うまく行くのではないか?と思ってしまう。読了部分はまだ序盤の為、これから二人の仲がどのように変わっていくのか想像するには早計かもしれない。 あなたも是非、お手に取られてみませんか? オリジナル設定の部分がとても良くできていて、伏線に感じる部分も多々あります。少女との会話の中で主人公は、父に教わった鍛える方法が”根拠のない話”だと知る。しかしそう方法により、強さを実感している彼はどうにも納得いかない様子。これはなにか有るのではないかと、ワクワクします。 この物語の先はどうなっていくのか。 果たして彼らにとっての脅威を、倒すことことが出来るのか。 その目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
0
crazy's7

うつろな果実

自分の当たり前は、他人にとって当たり前ではないという事。

【物語は】 主人公は大学の授業を終え小雨の中、バイト先であり居候先となっているカフェに、徒歩で向かっていた。バスでなら5分の道のりを歩いたせいか、目的地につくころには濡れてしまっていたようである。カフェについた主人公は、店主に挨拶をし、バイトの為に着替えをするのだった。 【世界観・舞台・言葉の説明】 恐らく舞台は現代であり、セクシャルマイノリティがテーマの物語でもある。近代では、”多様性があるのは当然であり、自認の男女の性が体の性別と合っていることが当たり前ではない”ということが、少しづつではあるが認知されてきているように感じる。 **補足【各言葉の意味】(web調べ) タグにある「セクシャルマイノリティ」とは、 同性愛者、両性愛者、トランスジェンダー、性同一性障害など。 性のあり方が少数派であることを意味している。 性的少数者で、ジェンダーマイノリティやLGBTなどとも言われる。 最近ではLGBTに変わり、LGBTQIAと言われ、さらにLGBTQIAPKの場合のそれぞれの意味。 Q:自分の性別や性的指向を決められない、迷っている状態の人。 A:無性愛者。同性だけでなく異性に対して恋愛感情を抱かない、性的指向が誰にも向いていない。 P:パンセクシュアル。男女の性別にとらわれずすべての性を愛する「無性愛」を意味する。 K:キンキー。他とは違った特殊な性的嗜好を持つとされている。 I:インターセクシャル。 体の状態を指すものであり、現在では”DSDs:体の性のさまざまな発達” 「AIS」や「CAH」,「尿道下裂」・「ターナー症候群」など様々な体の状態があり,「私はAISを持っている」「尿道下裂で生まれた」など,個別の体の状態名で表すことがほとんど。 セクシャルマイノリティは一括りにされることが多いが、それぞれは別のものであり、悩んでいる人もいればそうでない人もいる。カミングアウトする人もいれば、しない人もいる。 それは社会の中で差別を受けることが当たり前だという意識によるものだったり、身体と心が合致していて当たり前と偏見を持っている人が大部分な為だと思われる。恋愛については相手がいることなので自分一人ではどうすることもできないが、生き方については誰もが自分らしく生きられる世の中であるべきだと思う。 【物語の魅力】 とても難しくデリケートなモチーフを扱いながらも、とっつき易いストーリーである。二人の会話の中で主人公の母の生き方も明かされていく。 ここで感じるのは、セクシャルマイノリティの難しさ。自認と性別が違う場合、身体に違和感がなくても一人称に違和感を覚えることがある。どんなに多様性が当たり前の世の中でも、見た目で判断されるということ。それは、なかなか変わらないと思われる。この物語では、いろんなマイノリティの人たちが自分の中に問題を抱えているように思う。 症状にしても心にしてもそれぞれ違う。自分の持っている感覚でマイノリティの人々に接することが、傷つけることでもあること。 例えば身体的に子供を作ることのできない人間に、同じ症状の症例などから可能性を見いだす、それ自体が傷つけることもあるということ。 いろんなことについて考えさせられる物語である。 【登場人物の魅力】 主人公は一人称が”俺”の大学生。性別(身体)は今のところ女性である。 ただこの物語では、見た目=自認ではないし、自認と見た目が合っていても男性機能を果たさないなど難しい面がある。しかしながら、それは当たり前のことでもあるのだ。 人間には、身体の男女で違う部分と、どちらにも存在する部分がある。 そして身体の性と心の性が同じである人もいれば、どちらでもないと感じる人もいるし、どちらであると感じる人もいる。さらに異性に惹かれる人もいれば、同性に惹かれる人もいる。そしてどんな人も愛せる人もいれば、全ての人間に対して恋愛感情を持てない人もいる。誰にも恋愛感情が持てないからと言って、恋愛に興味がないというわけでもない人もいるのだ。そのように、多様性があり、一概にそこに属するからと言って同じ感覚とは限らない。 そういう登場人物たちだからこそ、この物語は複雑な人間関係となっているのではないかと感じる。 恋愛物語というよりは恋愛という一つのテーマの中から、”それぞれの考え方や抱えている悩み、問題、関係性や生き方”が紐解かれていく物語であると感じた。 【物語の見どころ】 もしあなたの身体と心が噛み合っていたならば、世の中には噛み合わない人たちがたくさんいて、それぞれに自分自身と向き合いながら、”自分の人生を自分らしく生きようとしている”ことに気づいて欲しい。 自分の感覚は当たり前ではないし、押し付けるものであってはならない。偏見は、一番人を傷つけるという事だ。 例を挙げるならば、同性愛者の人に”異性を愛することが当たり前”という偏見を向けることは、異性愛者のあなたが明日からは”同性を好きになりなさいと言われる”ことと同様である。 そして心は女性、身体は男性で苦しむ人に”男なら男らしく”という言葉を向けることは、自認も身体も男性の人間に”明日からは女になりなさい”ということと変わらないという事。 それはとても暴力的であり、非人道的である。多様性を理解するという事は、自分が出来ないことを他人に押し付けないことと同様である。自分の当たり前が、他人にとっての当たり前でないという事実を受け止めるという事だと思う。(P27まで読了) あなたもお手に取られてみませんか? LGBTQIAPKと一纏めにされている問題が一つ一つ別のものであり、それぞれ悩みも違うのだという事を理解する機会になると思います 。主人公はこの先どう自分自身と向き合うのか。 二人がどんなラストを迎えるのか。 その目で是非確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
0
crazy's7

境面世界にて ~クラスの雑魚キャラで引きこもりな俺氏、ついにヒロインと出会う~

夢と現実を行ったり来たりしながら、主人公の心が成長していく物語。

【物語は】 主人公が天井を見上げているところから始まっていく。いつもと同じ景色なはずなのに、何かが違っていた。主人公はそこで夢だと思い、動かない身体を無理矢理動かし、外へ出てみようと思い立ったのである。 【世界観・舞台・物語の魅力】 とても不思議な感じがする世界観。現実と夢を行ったり来たりはするものの、ランダムであり、曜日が同じとは限らない。どんな法則かは序盤では分らないが、あるきっかけにより夢の世界へ行くことが出来るようだ。 しかしそこでも法則があるわけではなく、夢の続きというわけでもない。ランダムに見えるが何か意味や伏線を感じる。そして何が起きるのか分からなかったり、展開予測不能なのでとても先が気になってしまうのだ。 舞台は現実世界と夢の世界。 夢の世界は微妙に現実世界とは違っている。大きく異なるのは、人がいないということ。現実で不登校な彼は何故か、学校へと向かう。彼はそこである一人の女子生徒と出逢うのである。 この物語は、主人公に都合よくできているわけではない。しかし、伏線に感じる部分が面白い。主人公は、夢の世界で出逢った少女と自分の違いに気づき、自分が今まで常識だと思っていたことが偏った考え方であることを知る。 一方現実でも、ある少女との交流が少しずつ深まって来る。夢と現実を行ったり来たりしながら、主人公が徐々に成長していく物語なのではないかと感じた。 【登場人物の魅力】 この物語の主な登場人物は、主人公と夢の中の少女。そして現実で出逢うクラスメイト、姉なのではないだろうか? はじめは自堕落な生活を良いとし、みんな本当は学校なんて行きたくないのに我慢をしていると思っている。不登校になってしまった理由については、作中で語られているため、ここでは明かさないが、そんな彼の世界は狭い。その為考え方もとても主観的である。自分が思っていることは、みんなも同様に考えていることなんだと思っているのだ。 しかし夢の世界である少女に出逢い、少し思想に変化の起きる場面がある。同じ日々を繰り返すわけでもなく、続きから始まるわけでもない。この日常が彼を成長させていくのではないだろうか? そして現実でのある問いかけ。 夢の中でのある問いかけ。 二つの問いが交差する時、主人公はあることに気づく。 この出来事がどう繋がっていくのだろうか? 現実の中での姉との関わり方にも、少しづつ変化が訪れている。 この後、主人公はどんな風に変わっていくのかとても楽しみである。 【物語の見どころ】 まず、構成が面白いところが一番の魅力であり、見どころだと感じる。 次に主人公の変化。彼は少しづつ変わっていく。この物語には笑いが多く含まれており、不登校ではあるがコミカルで重くはない。 しかし、しっかりとテーマが盛り込まれており、主人公が自分自身と向き合ったり、相手の気持ちを考えたりする場面も多い。 先の展開が予想外なのも面白い。次はこうなるのだろうか?と思っていても、大抵当たらない。 リズムはあるのに、一定でもなければパターン化もされていないのだ。まるでアドベンチャーゲームをしているような感覚に陥る部分も魅力的である。不思議な感覚にはホラー感も含まれ、謎要素もある。 単純に夢と現実を行ったり来たりしているだけではないという事である。 (現在15話まで読了) 先が読めないからこそ、面白い。 あなたも読まれてみませんか? この物語には、少女は何処から来たのか?(場所ではなく)という大きな謎があります。本当に夢の世界に住んでいるのだろうか、という謎が。 そして主人公はこの物語を通して何を得るのか。 果たして不登校の日々から脱出できるのだろうか? 主人公のその先を是非、その目で確かめてみてくださいね。 お奨めです。

5.0
0
crazy's7

インフィニティ・フォークロア・オンライン〜『スタミナ極振り』没落令嬢は命を削って錬金無双! VR世界で借金返済してたらいつのまにか『破壊神』と呼ばれてました!?〜

ゲーム好きにはたまらない。魅力的かつ最高の、エンターテインメント!

【物語は】 主人公の決意から始まっていく。 IT企業の令嬢だった主人公は、ある役員の逮捕をきっかけに転落人生へ。しかし、それで燻っているような人物ではなかったということだ。 彼女には野望がある。それを叶えられるかもしれない道を見つけたのだ。その道とは”リアルマネートレード。RMTとも略される換金制度”(引用)。このシステムを利用し、莫大な借金を返済し全てを取りもどそうと考えたのである。しかしながら、そのためには戦略も大切。 彼女は果たして、野望を叶えることは出来るのだろうか? (注意:RMTについて* 擬似的な経済システムが成立するMMORPGやMORPG、レアアイテムをプレイヤー間で取引できるソーシャルゲームなどで行われているが、2017年現在、日本国産のほとんどのオンラインゲームではアカウントの売買・譲渡、RMTは利用規約で禁止されている・ウィキ調べ) *この物語はフィクションであり、安易に真似してはいけない。 【登場人物・物語の魅力】 主人公は綿密に計画を練って行動に移すタイプだと思われる。計算通りに行かないことも当然あるが、自分の状態を冷静に判断し、何でどう稼ぐのか、未来予想図なども思い描き、結果この方法を選んだのだと思われる。 とても論理的な思考の持ち主なので、モノローグ調が合っている。とても読みやすく、分かりやすい物語である。 物語の中では型破りな表現も見受けられるが、それは読み手を楽しませたり、雰囲気を楽しませたり、分かりやすく伝えるという意味合いで、web小説というツールを活かしていると感じた。文字と空間というのは、センスによって自由に表現できる場所であると思う。発想は無限大だ。 主人公がプレイするゲームのシステムについて、細かく設定されている。その為、何となくでも流れを理解てきたなら、今度はどんな新しい項目が出てくるのだろうかとワクワクしてしまう。 主人公はゲームシステムを理解することで閃きを得て、目的に向かい邁進(まいしん・まっしぐらに突き進むこと)していく。知るという事は、道を切り開くことなのだと、改めて考えさせられ、学ぶことも多い。とても夢中になれる物語である。 【世界観・舞台】 主人公が、VRMMO・フルダイブ型オンラインゲームの中で、錬金術士としてアイテムを集めたり、錬金したりしてものを換金してお金を稼ごうというのが大きな目的である。 目的が分かっている為、見どころも分かりやすい。 前述もしたが、論理的なので理由や思考が分かりやすく、世界観についてもすんなり理解することが出来る。設定がしっかりしており、細かいのに、これほどまでに分かりやすく、物語に入っていきやすい作品は珍しいのではないだろうか? RPG系統が好きな人は、恐らく夢中になりそうなシステムが満載。しかし簡単にいくわけではなく、頭を使うというところが魅力的なのだ。ポイントの割り振りによりできることが変わって来るのではないかと思う。 主人公は、アイテムなどを集める目的で体力に全振りしたものの、それが意外な戦い方を産みだすことになる。つまり、自由度も高いゲームが舞台だと言えよう。 こんなゲームがあったなら、実際に遊んでみたいと感じてしまう。それほどまでに、舞台や世界観に魅力が詰まっている。主人公の性格と、ゲームシステム、物語の展開や流れ、表現などが合致した作品であり、最高のエンターテインメントなのではないだろうか? 【物語のみどころ】 掲示板により情報が飛び交ったり、戦い方によりゲームシステムが明かされたりと、お楽しみ要素がたくさん詰まった作品である。 一人称で進んでいく物語は多いとは思うが、だから読みやすいという事ではない。モノローグ調がとても巧いのである。 流れるように、”何故こうなのか?”という事が説明されていく。そのため、その都度納得できるうえに、スルスル読めてしまう。 心情は丁寧であり、考えていることも分かりやすい。感情移入しやすいので、一緒に焦りを感じることもある。 その上で、まだ明かされていないことがたくさんあると思う。 読めばハマる。そんな印象の作品である。もしかしたら主人公には、特殊な恩恵があるのかも知れないが、チートというわけではなく発想がものをいう。スキルを使いこなすことで新たな道が切り開けるといった展開だ。 そのためピンチに陥ることもあるし、無謀なんじゃないかと思うこともある。ハラハラドキドキしたり、神プレイだ!と感心することもある物語だ。 あなたもお手に取られてみませんか? 体力に全振りし、他のプレイヤーにはエンドコンテンツなどと馬鹿にされる職業で道を切り開き、野望を叶えようとする姿には爽快感さえ感じます。 果たして彼女は、どのように破壊神となっていくのだろうか? その目で、是非確かめてみてくださいね!お奨めです。

5.0
0
crazy's7

君と旅をするために

信頼し合い、必要とし合う二人に絆を感じる物語

【物語は】 ”気”で満たされた世界。 そして気とは何であるのか、その説明から始まっている。 この世界では”気”というものがとても大切であり、人を含める生き物はそれを利用することができるのだ。この物語は、人間と魔物が存在する世界で、魔法使いとして生きる少女の旅を描いている。その旅の目的とは一体なんだろうか? 【登場人物の魅力】 魔法使いである主人公は少し心配になってしまう部分もあるが、性格が素直であり、一所懸命な印象がある。そして彼女と一緒に旅をしている男の子は、しっかり者で現実主義。性格や気質などのバランスの良い二人であると感じた。 何故、二人だけで旅をしているのか。 その理由はとてもシンプルだ。 だが、まだ何か謎があるようにも感じてしまう。 主人公はこの世界では、忌み子と呼ばれる存在。話しを読み進めていくと、昔よりは扱いが随分マシではあるが、完全に差別がないわけではない。 しかし主人公は一緒に旅をするフレッドのお陰なのか、とても明るく見える。調合をする日と普段の時の、寝起きの良さが違うなど、魔法が大好きだということが分かりやすく、可愛らしい性格だと感じた。彼女はきっと、表に出さないだけで、何かを抱えているに違いないとも思う。 この物語の面白さの一つに、主人公の優秀さがある。一見ふわっとしているように見える部分もあるが、魔法使いとしてはかなり優秀。 旅を続けるためには、宿代や食事代などを稼げなければならない。当然のことだが、その能力があるからこそ、子供二人だけで旅が続けられるのだと納得がいく。実際どのように稼いでいるのかも丁寧に描かれており、その内容からは納得する部分が多い。 【世界観・舞台・物語の魅力】 この物語は優しい世界でもあるが、混沌としている部分も当然ある。子供二人で旅をしている主人公たちにとっては、危険がつきもの。 そんな中、情報を集めつつ旅をしているようだ。 一話の前後編では、どんな風に旅を続けているのか。また、この世界でのエチケットなども知ることが出来る。この物語の設定は、とても面白い。 調合の部分では設定が細かく、説明文という形ではなく、主人公の行動描写などで作り方が明かされていく。 ある花の調合の場面を用いてどんな属性があるのか、どのような魔法がこの世界に存在するのかも、垣間見ることが出来る。 【差別とリアリティについて】 多様性や差別において見られる、リアリティと世界観の絶妙なバランス。これがとても素晴らしい。 忌み子とは恐らく、差別を受ける存在である。現実世界にも差別は存在するが、全ての人間が差別的な意識を持って生きているわけではない。 この物語の中でも、主人公に対し暴言を吐く人物はいる。しかし一方で、彼女の実力を認め、他の人に紹介をしてくれるような人物もいるのだ。 人間は自分に害がなければ、差別意識が前面に出ることはない。害と言っても一概に、何かをされるとは限らないが。 そういう部分において、この物語に出てくる人物たちは、とてもナチュラルであり、人間らしいと感じた。 【この物語の見どころ】 この物語は魔法を中心として細かい設定がなされており、忌み子であることも活かされている。もちろん二人で旅をすることに、意義も意味も感じる物語だ。主人公の一人旅では成り立たないと感じた。すなわち、必然性で成り立っている物語だと言えるのではないだろうか。 優しい世界観でありながら、人が人を疑う世界。それは主人公が忌み子だから疑われているのか、魔法使いだからなのか、それとも子供だからなのか。これについては、読了部分ではまだ判断がつき辛い。 この旅の中で主人公とフレッドには、信頼し合い、互いを必要としていると感じる部分がたくさんある。二人の絆を感じる物語だ。 二人で旅をしている理由は序盤に明らかにはなるが、旅の目的はまだ明らかにはなっていない。主人公の抱える秘密とは一体なんなのか? あなたもお手に取られてみませんか? ”人を疑う”というモチーフは、通常ならあまり良い展開を期待できないものです。しかし、この物語は違う。それさえ活かされている。例えば、”対策”として面白く感じてしまう部分もある。 果たして、この旅の終わりには、何が待ち受けているのでしょうか? ぜひ、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
0
crazy's7

お兄ちゃんは『妹が!』心配です

彼らは何故この世界に転移させられたのだろうか?序盤では謎に包まれているが、とても面白い物語。

【物語は】 森の中から始まる。どうしてこんなところにいるのか分からないまま。 主人公と妹、そして幼馴染みの少年。彼らは、突然異世界に飛ばされたようだ。ある一人の訪問者と、ゲームソフトによって。一体どうしてこうなったのか、ゆっくりと明かされていくのだった。 【世界観・舞台】 序盤は森しか出て来ないので舞台について詳しく書くことは出来ないが、不思議で巨大な生き物と仲良くなれるようである。(たまたま)この生き物については、接っていくうちに人間味や可愛さを感じていく。 森の中で起きていく出来事は、兄と妹のコミカルなやり取りで面白く読みやすい。するする読めてしまう物語だが、序盤ずっと森にいるため、世界観については魔法が使えるという情報のみとなる。 彼らをここに飛ばした人物は、一体誰だったのか。箱の中のゲームは一体なんだったのだろうか。謎は多いものの特に気にならないのは、コミカルで面白いからだと言える。 異世界へ来て、初めての友達になる相手はちょっと変わった相手。だが森に詳しく心優しそうな相手だ。もし、主人公たちが里へ行ってしまったら、その相手はどうするのだろうか。愛嬌があるだけに別れがたいと感じてしまう。かといって、主人公たちが決めることなので、当然のことながら読者は口出しできない。 【登場人物・物語の魅力】 主人公は、好奇心旺盛な妹を持つ21歳の青年。この物語の妹に対する心配がどんな方向性なのか。読んでいくうちに分かって来るのだが、一言でいうなら”ガチで心配”しているのだ。 元の世界に居た頃は、妹と幼馴染みに軽蔑されるようなゲーマーであったが、異世界に転移後は、妹の個性が際立つ。 少しづれている部分を笑いとしているところが面白い。 臨機応変な兄。かなり破天荒な妹。常識的な幼馴染み。 この組み合わせはとても面白い。 話が進むと、天然で人のよさそうな人が加わる。 この人物が加わると、目的や方向性が見てくる。主人公たちは、彼を手伝うことができ、無事に街につけるのだろうか。 随所に笑ってしまう箇所あり。この兄妹のやり取りはテンポがよく、面白いため、こんな妹や兄がいたら楽しそうだなとさえ思ってしまう。二人だけの暗黙の了解のと感じてしまう、会話の内容も面白い。 【物語のみどころ】 ある日、家に謎の少女が訪ねて来て、いきなり”勇者”と言われてしまう。その後、無理矢理謎のものを押し付けられ、気づいたら異世界に飛ばされていた。 付いた先は森。 目的も分からぬまま、森を彷徨う一行に妹によって最初のピンチが訪れる。 結果から始まり、時を戻すスタイルで進んでいく物語である。 神官に出逢った彼らは、無事に彼の探し物を見つけ、街にいくことができるのだろうか? あなたもお手に取られてみませんか? 破天荒であり自由人でありながら、人見知りという意外性をもった妹に振り回されながらも、何とか彼らをまとめながら目的を見つけようとする主人公。 彼らは何故この世界に転移させられたのだろうか。まだ謎に包まれている部分は多いですが、とても面白い物語です。 彼らのその先を是非その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
0
crazy's7

最近の「いいね!」

小説家になろうファンタジー短編完結

魔法少女になるからわたしと契約してよ

法律ヤクザな魔法少女

オチにニヤッとするが、私もこんな魔法少女はイヤだ。 短編小説に定評のある燦々SUN氏の作品で、安定した文章と構成は安心して読める。 「わたし、魔法少女コントラクターまりん! 父は弁護士母は詐欺師。愛読書は六法全書! 今日も、無法地帯出身の蛮族達に契約の恐ろしさを教えちゃうゾ☆」(本文より引用)

小説家になろう恋愛連載:66話完結

【完結】セクハラ貴族にビンタしたら社交界を追放されたので、田舎で人生やり直します。~一方、そのころ王都では~

難アリ家庭から逃げた先で努力し幸せを掴む物語

親の歪んだ教育方針により世俗に疎くすれていないヒロインのため色々とおぼこいが、助けてもらった先の家で色々と教わり、『自分』を出せるようになっていく変わりようが良かった。こういう、若干テンションのおかしいヒロインは好き。 ヒーローも少々珍しいタイプで好ましかった。 さくさくとテンポ良く話が進むため、じれじれな恋愛ではあるがイラつくほどの長さではなくニマニマと過程を楽しめた。悪党が断罪されているのもよき。 軽めですっきりと読了できる作品だった。

小説家になろうコメディ短編完結

俺がパーティーから追放したひよこ鑑定士が、SSSランクになって復讐しにくるらしい

アイデアは面白い。

でも、ひよこ鑑定士、全然関係なかった。。。