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カクヨムSF連載:27話

氷海のヴェルヌ

最初の一文を目にしたとき、私はそう決意した────いや、させられたのだ。 何も分からぬうちに淡々と描写される主人公の日常は、特異でありどこか牧歌的である。これは知っている。見たことがある。この語り口を、どこかで。 それなのに、謎ともされず物語は進む。奇妙な安心感。人類は瀬戸際に立たされているのに、だ。 私たちは安心して彼の冒険に身を委ねる────まるで幼き頃読み聞かせられたおはなしのように。 しかし違う。 この既視感はそういうものではないのだ。 私はこの素晴らしい小説をスマホで読んでいた訳だが、それが間違っていたのだ。 これは文庫ではないか? ハヤカワ文庫SFで、あの独特な表紙絵が思い浮かぶ。 いやそれとも、あの鈍器かと思うような分厚いハードカバーの、あのくそ重い本ではなかったか。 とにかくこの小説はその類であり、私はそれに出会えたことを感謝する次第である。 願わくば早く完結し、感動のラストまで導いてほしい。 https://kakuyomu.jp/works/1177354054893222916

5.0
  • 作品更新日:2022/9/8
  • 投稿日:2021/7/10
小説家になろうヒューマンドラマ連載:18話完結

Evil Revenger 復讐の女魔導士 ─兄妹はすれ違い、憎み合い、やがて殺し合う─

 淡々と紡がれる、成長するまでの目を背けたくなるような日々。一人称で語られているはずなのに、まるで激しい感情など閉じ込めてしまったかのような、どこか他人事のような日々。  そう、チェントにとってそれは目をつぶってやり過ごすだけの日々。  閉じ込められて、一歩も抜け出すことのできない生活は、きっと禁止されていたからという理由だけでなく、彼女自身が、突然奪われた平穏な毎日を受け入れられず、自閉していたからかもしれません。  王族の血筋であることなどは中盤で語られますが、それは救いになるものではなかった。  単純な貴種流離譚にすることなく、テーマをまっすぐに描き切っている。  チェントが魔王城に流れ着いたあたりでしょうか、何故か脳裏には昔の洋画のような風景がバックグラウンドのように映り始めました。  中世の、戦争物、たとえばジャンヌ・ダルクのような。  埃と茶色い血と、武器や鎧の金属音に彩られた世界。  神が物語に介入しないだけ、よほど純粋かもしれません。  設定は魔王や、魔道術など、ファンタジーですが、それなくしても充分だったかもしれない、と私は感じました。  結末は少し意外でした。  ダーク・ファンタジーという言葉と、プロローグで、すっかりバッドエンドを思い描いていました。  これは良い裏切り、とても面白かった。  ありがとうございます。

5.0
  • 作品更新日:2018/10/20
  • 投稿日:2021/7/10
ノベルアップ+ヒューマンドラマ連載:578話完結

北海道ダンジョンウォーカーズ

https://novelup.plus/story/469232389  自分ちの本棚にまだ読んでないブリーチやナルトやワンピースがあったら読むでしょ?  ジャンプ+に今だけ3巻無料! とかあったら読むじゃん。  ほら、今ノベ+で全巻無料なんだよ、超読むでしょ!?  今回レビュー書くに至って、もう一度最初の方読み直そうと思ったんだ。  それは、クリスマスだったよ。  その頃の自分は、このお話を読んで、なかなか進まないなって思ってた。  はい注目! 【主人公は余すところなく語る】  ほんとうにすみずみまで、完全に見たこと考えたこと思い直したところ、全て語ります! 親切設計ですね!  こんなに語り尽くす奴、某アララギくん以外で初めて見たよ。  だから、この話の面白さに気が付くの、すごく時間がかかった。  なぜならば自分もサイトに来たばかりで、自作の世話もしていたし、他の作品も読んでたし、すべて1Pずつしか読んでいる余裕がなかったから。  しかもね、この作品、決して1話の文字数が少なくないから。  でもね、読みやすいんだよ。それに気付いてからは、一度に数ページずつ読むことにしたんだけど(読めちゃうんだよ!)、それでもまだ気付いてなかった。  この話の面白さはダンジョンに入ってから。それも、バトルになってからだよ。真骨頂だよね。  ダンジョンに入るまで8話。最初のモンスターを倒すまで9話。大事件が勃発するまで23話。こっからはもうやみつきですよダンナ☆  いや、ちゃんと理由があるんだよ。  ただ長いって言ってるわけじゃないんだ。  大事なことだよ、これは。  はい注目! 【北海道のためにある物語】  本編のあらゆる隙を突いて、北海道の素晴らしい食や物産観光や方言なんかが、凄い勢いで食い込んでくるのさ。  もう、北海道庁は予算を作って、良さげな漫画家さんに描いてもらい、アニメ化するべきだよね!  それも某八十亀ちゃんみたいに5分アニメじゃなくて、バッチリ4クールくらいね! 頼むよ!  レーティングもバッチリ、ノーストレスノートラウマの安心設計だよ!  どこが好きだって語り出したら、ネタバレになっちゃうし、これから読んでくれるなら予備知識無しで読んでもらいたいし、きっといつまでも語っててヤバイので、かいつまんでみると、つまりこう! 【登場人物が全員濃すぎて素晴らしい!】 【バトルに理由があって一様でなく、いくつもの美しすぎるシーンが脳裏に焼き付く!】 【ダンジョンという舞台どころかあらゆるモノに確固たる設定が、謎がある!】 【この舞台は子ども達のもの!】  主要人物だからって、始めからドカドカ出てきたりしないんだよ。  だって、自分の推し、桃井くん(美少年て言うと語弊がゲフンゲフン)だって、出てくるのずっと後だもの!  さっき初めて登場人物紹介見たら(だってネタバレになるじゃん!)、桃井くん4番目!  それぞれに生きてて、必然のタイミングで主人公に絡んでくる。  これだけ多くの登場人物に個性を持たせてなおかつ複層的に関わらせ決着につなげる、力量ハンパないでしょう!  それからバトルって言って、パーティ組んで技名叫んで倒すの負けるの、もうそんなんじゃないんだよ!  ゲームじゃないんだから、そういうの忘れてもらっていいかな。  美しいシーンがあるんだよ。  それはもう、絵師だったら描いてるよ。ぜんぶ、あのシーンもこのシーンも、脳内にはあるから!  とりあえずゼリー食べるシーンは、食戟のソーマ描いてらっしゃった佐伯俊先生で展開されました。  設定厨の自分としては垂涎の謎があちこちにちりばめられていて、それを考察するのも楽しみの一つ。  それら謎は、主人公に開示されることでひとつひとつ明らかになるけど、開示されないことの方が断然多くって、そのあたりが痺れる訳です。  ダンジョン外の大人の思惑が渦を巻いても、ここは子ども達のもの! と言い切る痛快さが、また素敵!  治外法権、自分たちの砦。  モンスターが蠢くダンジョンは、それを倒して浄化して空っぽにすることが善ではないのです。  熱く語りましたが、まだやっと半分しか読んでないメロウ+。  ふがいないぞ、メロウ+!  どうしたんだ、何故もっと早く読まない! 少なくとも最新話まで読んでからレビュー書くやろう、ほんま。  や~、そう思ってたん。  でも、もったいなかったん。  決して今現在(2021/02/26)で398話、文字数にして156万字もあるからじゃないんや。  だって、これからワールドトリガー読む人に向ける目は、「そうか~、これからかあ……(ニヨニヨ」でしょ?  「今、HUNTER×HUNTER読み始めてる」って人に言うことは、「急がなくていいから楽しめ」以外ある?  話それた。  つまり、もったいないので、急いでは読まないことにした。  あ、でも大丈夫。作者、時々一気3話更新とかする鬼だから!  それから、この作者様はコメントすると、たくさんおしゃべりしてくれる、やっぱり親切なお方です。  忙しい方だと思うのに、ファンにお優しい(涙。  そういう訳で、「北海道ダンジョンウォーカーズ」、超オススメです☆ 【注意】誤字多めです!

5.0
  • 作品更新日:2023/8/20
  • 投稿日:2021/7/10
カクヨム恋愛連載:52話完結

パーティー・ピンク・ポッパー🎉

ドボン! って白い泡いっぱい包まれて海に堕ちる。 クラゲのトゲに胸ぶっ刺されてそれに気付かず 堕ちた二人は何も見えずに、それは傷になった。 ある日思い出したように 遠くへ行こうとしたらトゲが引っ張るんだ。 そっちじゃないんだと。 もがいて暴れたら周り巻き込んで傷だらけになったけど、 それは抜けない毒だから。 どうしようもないんだってふと見回したら そこは青い海の中、珊瑚礁──── https://kakuyomu.jp/works/1177354055529395406

5.0
  • 作品更新日:2021/3/4
  • 投稿日:2021/7/10
アルファポリスファンタジー完結非公開

この世の終わりも神次第 Rev.1

 それはよくある日常です。  毎日の生活はありふれていて、わたし達の誰もがそれを続けているのです。  朝起きてから眠るまで、学生なら学校へ行ったりお弁当や給食を食べ、社会人なら働いて、疲れて帰ってくる。  休みの日には寝坊して、またははりきって出かけたり、家事をしたりする。  そんなつまらない日々の中で、つい思ってしまうのが、「あ~あ、世界、滅びないかな」。  身に覚え、あるでしょう?  ダルくて学校や会社に行きたくない。なんなら休みの日にふとんから出なくちゃいけないだけでも。  ましてや足の小指をタンスの角にぶつけようものなら、間違いなく世界を呪い、そして神は滅ぼすのです。  ここの神様はわたし達の些細な願いをきっちり叶えてくれる、かなり勤勉な神様。よその神様は少し見習って欲しいくらいですね。  繰り返す日常は小さな願いで滅び、そしてまた次の日常へと続いていく、まるで平行世界のように。  3話くらいまで読んで、思ったことは、これ一生書いてくれないかな、でした。  新聞の4コマ漫画みたいに、毎日ひとつずつのささやかな日常が描かれて、そしてそれはお約束のように滅ぶ。  一種不条理劇のようで、でも、その日常を見つめる目は温かいのです。  さて、わたしの生きている世界はまだ滅んでいませんが、それは同じくらい微かな、可愛らしい理由で救われているのに違いないと、読了した今は思えてなりません。  皆さんの世界もきっと。

5.0
  • 作品更新日:2021/8/18
  • 投稿日:2021/9/1
アルファポリス青春・ヒューマンドラマ完結非公開

監禁少女と常識おじさん

おじさんの未来に祈りを✨ 以下、勝手な考察です。 つまり、握力200トンは少女の安全を担保するためのもので、それ以上でも以下でもない。少女にもたらされたのは枷以外の束縛がない自由で、楽しかったんだろう。それは終わることが決められた夏休みのようなもので、つまりこれは少女の物語ではない。 語られないおじさんの物語だ。 おじさんは名前で呼ばれない。 少女を名前で呼んだのは見える場所では最後だけだ。 足りないものはなんだ? おじさんは悩む。どうすればいいのか答が見つからずに。 その後、見つからない答を探すのを諦めたのか、正しさで測るようになる。 正しいわけは、最初からなかった。 罪悪感は感じられなかった。ひたすら自分の人生の突破口を探しているように見えた。 その一助として少女を誘拐したのに見つけられなかった。 諦めたのか。少女の行く末も考えたのか。 「幸せになりなよ」 おじさんの代わりに? 非日常というけど、書かれているのは日常だ。 もしかすると、それが作家の色なのかもしれないね。 「日常作家」の称号を進呈しよう。 でも、暗いんだ、空が。 少女の空が暗かったら、おじさんの自首が無駄になってしまう。 これは失ったからだ。少女は何を失ったのか。 感傷だと思ったが違うらしい。 誘拐前、誘拐後、自首後はシームレスに移行して、何ら障害はなく葛藤もない。 家にいても特段語られるほどの不都合はなさそうだ。 とすればひとつしかない。 そうか、少女はおじさん自身を失ったんだな。 とすれば、おじさんは少女との未来が見えなかった。 これは恋愛のメタファーかな。 久しぶりに色々考えられて嬉しかった。納得したので、終わります。 楽しかった。

5.0
  • 作品更新日:2021/9/3
  • 投稿日:2021/9/2
ノベルアップ+ファンタジー連載:161話完結

この世界には『私』が眠っている。〜記憶喪失の男は、一言も喋らない少女と共に『記憶』を取り戻す旅に出る〜

とても面白かった。  キャラの造形など、際立っていて物語を辿りやすかったです。  魔法についての設定もその使い方も興味深い物がありました。  描写も、アニメで見るように分かりやすく想像でき、バトルも面白かった。  シキくんが面白担当で、ネオンちゃんが無言なら、毎回のゲストがストーリーを担うのでしょうか。  壮大な謎が仕込まれていて、なかなかたぐり寄せることができないもどかしさ、グイグイ先を読みたくなります!  ところで当作品はサンドイッチ推し。とても美味しそうなサンドイッチが所々に挟まれて、食べなきゃ……! それ、自分にもひとつ! いやぜんぶ! となってしまいます。  今後もぜひサンドイッチ推しで行っていただきたいものですね! (当方、実は毎日サンドイッチでも平気です)

5.0
  • 作品更新日:2024/1/29
  • 投稿日:2021/7/10
小説家になろうファンタジー連載:227話完結

【完結済】ケモ耳っ娘になったからにはホントはモフられたい~前世はSランク冒険者だったのでこっそり無双します~

 リリアンはお名前の通り、可愛い狼獣人なのです。黒毛で、ケモ耳ぴょこぴょこ、しっぽフサフサぱたんぱたんの、15歳になりたて冒険者。しかも最強。  『樫の木亭』でバイトしててみんなから可愛いがられてる15歳、だけど最強。  最強なのです。  しかもカッコいい!  理由があります。それは前世の記憶があり、前世が最強だったからです────では終わらない。  前世の記憶があっても、そのままで強くなれるような世界じゃないのです。  彼女は幼い頃からちゃんと努力して、人間種だった前世と違う、狼獣人に生まれたことも活かせるように自分を鍛えてきたのです。真面目ですね、良い子です。性格も素直な、でも最強なのです。(ちなみに内緒なんですけど、前世は震えるような美女なんですヨ)  彼女のまわりには、あたたかいメンツが揃っています。環境もわりと最強です。読み進めていくと分かりますが、今自分が生活しているところにも、美味しい料理と心地よい人間関係、そして強いイケメンがいます。  実家も出てきますが、素晴らしい兄弟と強いイケメンがいます。  前世からのご縁も最強です。強いイケメンもいますが、可愛いモフモフもいます。最つよです。  恋の行方にもヤキモキさせられます!  特にデニス! そう、キミだよキミ!  リリアンも、前世のせいなの? と悩んだりして、どうなるか分からないところ、目が離せません!  ところでこの世界は、冒険者がギルドに所属し、レベルに合った難易度の依頼を受け、ついでに狩ったモンスターを美味しくいただく世界です。それがまた、もう、ワシにも……ワシにも一つくれ……いやひとかけらでいいからあ! という、ひどい、いや、羨ましい世界なのです。そういう美味しい世界に、投げ込まれる文明の利器、スマホ。スマホとは書いていないけどそれはどう読んでもスマホ、しかも実は日本も関係してるみたい……!  謎です。一気に深まる謎、気になります! リリアンの前世、そして国の成り立ちまで絡んだ巨大な謎に立ち向かう、これからクライマックスです!  一緒に堪能しませんか? (終わりへの旅 120 『サポーター』/ニール(3)まで読ませていただきました)

5.0
  • 作品更新日:2022/9/19
  • 投稿日:2021/12/16
アルファポリスファンタジー連載:30話

イルン幻想譚

 きみは剣闘士(グラディエーター)が一人、険しい山を登っているのを見るだろう。  生まれたときから闘うことだけを叩き込まれた無教養な明るく素直な男だ。  彼はドラゴンを倒す為に隠された扉を開き、荘厳な建物「ルナテミス」で出会うのだ──滝の落ちる崖、蒼天を見渡す巨大な露天風呂に!  いや、すまない。  偏屈で取り付く島もないが、色素が洗われたようなプラチナブロンドの、小柄な美しい男と運命の出会いを果たすのだ。  彼は麓の人間たちに「隠者のビショップ」と呼ばれているが、もちろんそう名乗った訳ではない。  非常に長寿で、人ではないが、彼自身自分がどういった種族か知らないのだ。  ある意味で無垢な二人の男が出会い、物語は始まる。  ところで、この話にわたしが熱狂するのには訳がある。  設定厨にはこたえられない、隅々にまで行き届いた世界構築がここにあるからだ。  加えて用語の数々。  意味のある熟語に載ったルビは、大好物なのであるが、この物語にはそれが連打される。  「リオン」「セイズ」「セイドラー」「ガルド」「ガルドル」……  カタカナでもおよそは理解できるそれが、熟語に載ったとたんに発する、あの魔力のようなイメージはなんだろう。  それがなければ形容することの叶わぬ世界がここにある。  覚えなければ意味が分からないとか、ハードルを上げる体のものではなく、「この世界の常識なので」と、素で言われるような言葉使いなのだ。  ところで、この話はBLであるので、極端に嫌がる方にはオススメしない。  可哀想だな、と思って口をつぐむだけだ。  ただ言えるのは、たまたま性別がそうであるというだけで、彼と彼は愛し合う運命なのだ。  物語は「隠者のビショップ」と呼ばれる男の正体や、元剣闘士の男が辿る数奇な運命、また同種族との遭遇や、遺跡による発見など、ざっと何百年単位の時が流れるため、歴史ロマンにもあふれている。映画にして見たい場面が随所に配されていて、詳しい方なら推しの俳優を当てて想像してしまうだろう。  本当に映像化して欲しい。  性別を超えた愛も差別もここにある。  全米よ、一緒に愛を感じないか?

5.0
  • 作品更新日:2020/10/29
  • 投稿日:2021/12/31