余命30000文字
余命30000文字。 彼女につきつけられた、冗談のような余命宣告。 彼女は残された文字数を自分の為に使いきるために、穏やかにだけれど、しっかりと文字数を管理した生き方をするべく行動する。 だが、そんな彼女が生き方を変える時が来る。 きっかけは、女としての愛。 貫いたのは、母としての愛。 今ではすっかり有名になった村崎羯諦様の作品「余命3000文字」の作者様了承のオマージュ作品ね。 自ら制限を課した物語でありながら、文章の美しさ、物語の深さ、読者の心への語りかけが過不足なく表現された至極の作品よ。 是非とも読んで頂きたい一作だわ♥
- 作品更新日:2020/4/24
- 投稿日:2021/7/12
死んだ異世界の救い方~屍人の溢れる世界に来ましたが、弱いままのおれは死ぬ気で生き抜く~
決して強くはない優しさ重視の主人公が、時に挫折し温かな仲間に励まされながら、必死で生きていくという、人の心がたいへん受け入れやすい王道ストーリーね。 とっても物語に安定感があるわ。屍人というグロテクスな存在を多数登場させていたり、弱い主人公なので大切な物を失うシーンもしばしば含まれてくるにも関わらず、読者の胸に嫌悪感を抱かせない不思議な魅力がある。 むしろ、主人公を応援したくなる状況に持っていく手腕は見事だわ。 こういう背骨がしっかりとした物語は、安心して読み進めることができるのが魅力よね。 どんな人が読んでも、一定以上の楽しみを得ることができると思う期待の一作よ♥
- 作品更新日:2021/12/18
- 投稿日:2021/7/18
アンフェア・リアリティ
主人公は殺す。 両親を。 彼とやすらぎと優しさを分かち合った、唯一無二の魔女を。 物語序盤から、大きく揺れ動き、激しく打ち寄せる感情の荒波は、読者の客観という堤防を、簡単に乗り越え、物語の海の中へと、読者を拐っていく。 卓越した心理描写に、息を飲む異能力バトル、魔女の残した謎、次から次へと現れる個性的なキャラクターたちが華を添える。 主人公の苦しみは読者の苦しみ。主人公の怒りは読者の怒り。そして、主人公の悲しみは読者の悲しみ。 読者を容易く自分の人生に巻き込んでいく主人公の感情は、言い換えれば読者を主人公へと変える劇薬よね。 一度味わえば、離れるのは難しいわ。 アチシはこの物語を最後まで主人公と共に、いや、主人公として見届けたいと思うのよ♥
- 作品更新日:2024/5/18
- 投稿日:2021/7/12
【完結】異世界追想譚 - 万華鏡 -
物語は現在終盤へと差し掛かっているわ。 でもアチシは断言する! プロローグが読み終わった時点でも、レビューを書くのになんら不自由はなかったとね。 あっという間に物語の中に惹きこまれ、今後の展開がどうなるのか、期待せずにはいられなかったのよ。 そしてページを捲ったアチシは見事に裏切られた。 そこには期待以上の物語が拡がっていたの! アチシの実家の自称小説家は、自分に書けないだろう作品に出合うと嫉妬するんだけど、この作品は実家に嫉妬することすら許さない見事な作品だったのよね~。 この物語は一話ごとに視点となるキャラクターが代わり、全体的に繋がりはあるけれど、基本一話完結というスタイルで構成されているの。 群像劇。 一話の中には、メインとなった登場人物の感情と行動が凝縮され、時には痛いくらいに読者に伝わってくる。 物語全体で見た場合の大きな謎もしっかりと用意されていて、様々な視点からその謎が深みを増すの。個で見ても、全で見ても隙が無い! ヤシコ、恐ろしい子|д゚) まさにこの作品は万華鏡。 読み進めれば、読み進めるほど、不可思議でありながら見事な華を咲かせるこの物語。 数多の秀逸作品を押しのけ、私のお薦めしたい作品でもトップクラスに登りつめているこの作品を、是非お読みいただきたいわ♥
- 作品更新日:2023/7/4
- 投稿日:2021/7/11
DEAD END,STRANGLE
姉弟は両親との生きた証を残すため、死ぬまで終わらない殺し合いの場へと身を投じる。 2人を放っておけない損な性分の立会人は、彼らに1人の男を紹介する。 師匠であり、共に戦う仲間となる1人の男を。 物語の展開から考えると、少年少女の成長と、各章の最後に用意されている、丁寧な描写によって盛り上げられる戦闘が見どころと考えるのが妥当とは思うのよね~。 でもアチシは、この物語の最も注目すべき点は群像劇の如く描かれている、各登場人物の心理描写ではないかと思うのよ。 描写がかなり深めだから、若干テンポはゆったりめに感じるかもしれないけれど、豊かな描写力によって書かれる心理的葛藤は見事としか言いようがないの。 メインとも言える少年少女の成長と丁寧な戦闘シーンも含め、見所満載の秀逸作品よ。 こちらの作者様は長編を色々書いていらっしゃるけど、個人的にはこれが一番お薦めね♥
- 作品更新日:2024/4/25
- 投稿日:2021/7/11
ひとくちセリフ劇場
台詞だけ。 140字。 厳密に言えば、物語ではあるけれども、小説とはいえないのかもしれないわね。 でもね。アチシはこの作品を、小説を書くことを志す全ての人に読んでほしく思うのよ。 これだけの短さだもの。漠然と覚えることなら難しくないわよね。 目を閉じて台詞の中のシーンを思い浮かべてもらいたいの。想像の翼を広げてほしい。 語っているのはどんな人物か? 場所はどこか? どんな服で、どんな表情で、どんな状況下で、この台詞をいっているのだろうか? この作品は、作者はもちろんだけど、読者にも考えることを強制してくるわ。 今どきのWEB小説サイトのランキング上位作品を見てるとね、アチシは作品にかなりのわかりやすさを求められているように感じてるのよ。 そのような傾向をみせている多くのWEB小説読者には、考えることを強制する力の強いこの作品は、必要ないかもしれないわね。 でもね。一般が求める作品を提供する作家にとってはどうかしら? この台詞を最大限に活かす場面はどんな状況だろう? どう表現すれば、それを読者にわかりやすく伝えることができるだろう? アチシはこの作品を、ぜひ作家を志すみんなに、想像と表現のトレーニング教材として活用してもらいたいの。 作者様にはたいへん不本意な紹介の仕方かもしれないけれど、アチシは表現者にとって、この作品は値千金の作品だと心から思っているわ。 この作品を書いてくれている作者様に、心からの感謝と尊敬の念を伝えたい。愛しているわ、ウフ♪ 是非、貴方の力をさらに伸ばすため、この作品を一助としてみてちょうだいな♥
- 作品更新日:2024/5/17
- 投稿日:2021/7/14
シラコ
小説に不慣れな人でも、ストレスなく読み進められる文芸寄りの作品ね。 序盤はややゆっくりなスタートをきる本作ではあるけれど、考え方によっては、それが中盤から後半に用意されている恐怖や真実を盛り上げる役割を果たしているとも言えるんじゃないかしら。 全体的にミステリーホラーとして、バランスの整った良作だと感じたわ♥。
- 作品更新日:2020/3/31
- 投稿日:2021/7/16
目指せ! 快適牢屋生活
限定された狭い空間で日々過ごしていく物語は、扱いが固定されやすいのよね~。 たいていの場合、人間ドラマとして使われちゃう。 それは、もちろん表現しやすいからよ。物語として舞台を固定しているからこそ、人の心にスポットを当てやすいってことなのね。 よくあるパターンとしては、その空間に普段はいない外の世界に住む者がごたごたを持ち込んで、中の人間が解決していくってのが、もっとも読者に受け入れられやすいパターンじゃないかしら。 この作品は、そんなアチシの持っていた常識を良い意味で覆してくれたわ。 世界はファンタジー。問題は外から持ち込まれるのではなく、最初からそこにある。問題だらけの登場人物達が生み出す笑いだらけのコメディー。 人間ドラマのような深みはないけれど、そこには間違いなくキレがあったわ。 ユニークな題材をユニークに処理した実にユニークな作品よ。 一度は読んでもらいたい良作ね♥
- 作品更新日:2020/8/3
- 投稿日:2021/7/17
Adrian Blue Tear ―バー・エスメラルダの日常と非日常―
自由都市の片隅にある看板のないバー『エスメラルダ』を舞台にした物語よ。 『帝国』と『王国』。 不仲な二つの国に跨る複雑に絡み合った人間模様は、カクテルの数だけ、色を変え、香りを変え、風味を変える。 店主ルピナスの不可思議さが『エスメラルダ』で起きる問題事、厄介ごとに更なる華を添え、万華鏡のような人間模様を生み出していくわ。 やや、ゆったりとしたペースから始まるこの物語だけれど、話が進むごとに軽快なスピード感が増し、読者を先へ先へと誘ってくれる。しっかりとした文章で読み疲れもしにくいわね。一話一話も短めだから、隙間時間で読みたいという人にも向いていると思うわよ♥
- 作品更新日:2023/3/12
- 投稿日:2021/7/19
星を巡る竜
- 作品更新日:2024/4/10
- 投稿日:2021/7/19