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小説家になろうホラー連載:53話完結

うらみ通りの藁人形<ストロー・ガール>

スチームパンクというか、ドールパンクな世界観な作品。けっこうダークで、残酷気味な描写もあったりする。 舞台となるのはペープサートという街。鉱山の街だった昔に、見つけられた謎の白い鉱石の研究から始まり、開発された、「神秘の箱」とも称されるエニグマレル。そのエニグマレルを利用して造られる自律人形たちがあちこちに馴染んでいる『世界一の人形の街』。 作中で発生する恐ろしい事件。人形と人形師たちの街に漂う、何か特異な感じなど、ミステリー的な雰囲気もわりとあると思う。 メインとなる人形が2体いて、結構アクション描写とかも多いので、わりとバディもの的な感じもあるかも。 自律人形の設定は興味深くよい。あの生物が苦手とか。 あと個人的には、この作品にはサイバーパンク的要素も(しかも強く)感じる。別にこの物語には電脳世界とか、ハイテクコンピューターのネットワークとかは多分出てこない(少なくともこれを書いてる時点までは出てきてない)。しかし、大なり小なり人間らしさを与えられた自律人形たちの描写には、脳科学(神経学)的に、あるいは意識や認識の哲学的に興味深いものがとても多い。 作中で、人形は結局しっかり人工的原理があり、つまり人形はあくまでも造られた存在とされる一方で、そうと言いきれるのか疑問なくらいに、まさに生きているかと思わせるような示唆もたくさんある訳である。 アナログサイバーパンクとでも言えようか。  涙を流す機能が付いていたら泣きじゃくってる。空腹という概念はない。味覚を持たせる技術はまだない。制作に金と時間をかけるほどに人形は人間に近づいていく。 エニグマレルの発明も、まさに生きた人形を造ろうとする人形師たちがたどり着いた究極形というような説明も作中にある。無機質なはずの人形に命を吹き込み心を与えてしまうものと。 そしてそうした情報の他、精度が低い、同じ言葉を繰り返したりするだけみたいな人形的人形の存在などが、現実のAIとかの発展に対して、我々が抱くような不安に近いもの(ようするに、人間は人間を作れるのかという疑問)も感じさせてくれる。 とにかく、生物の認識する現実、造られた生物の心などに関連している謎をいくつも問いかけられてる印象は強い。 他、細かな演出がまたいいです。 人形の会社グラン・ギニョール(一般的にこの名称は、20世紀前半くらいにフランスに実在した芝居、見世物小屋。さらにギニョールの由来は、指人形芝居の主人公人形のようです)。そのカタカナ名称が出てきた時点では出てこない、そのカタカナが当てられる印象深い漢字名称が、実際に会社か出てくる場面でようやく、という流れとか、とてもいい感じと思った。

5.0
  • 作品更新日:2022/2/14
  • 投稿日:2021/7/24
ノベルアップ+SF連載:125話

ばうんてぃくえすと

やたら強いぼくっ子少女と、サポート役の少年という組み合わせの、バトル要素たっぷりなバディもの。 キャラのやりとりとかは、少年漫画的な雰囲気がある。 主人公2人は、「大陸ハンターズギルド」という組織に所属する賞金稼ぎで、各章ごとにいろいろな事件を解決していく流れとなっている。 時代設定は17世紀だけど、光学時計や蒸気自動車など、架空と、史実より早めぽい発明がある、スチームパンク的世界観。 火、風、水、土の四大を基礎とした元素説。風水学的発想が含まれてるぽい地脈量子論という学説に、それを利用した重力の増強技術。元素の結晶化により得られるようである精霊石という、つまり、振動、摩擦、音、気(エネルギー?)の流れなどに反応し、火や水などを発生させる鉱物など、科学魔法的というか、ファンタジー風味要素もわりとある感じ。 「火は酸素が科学反応を起こし燃焼される事に因って発生し、風は気圧変化によって生ずる現象であって」、「物質ってのは形ある物全般を言うんだよ。目に見えたり、触れられれば立派な物質」など、四大元素は、真の意味での根源的な要素ではないことを思わせる表現も作中にある。 地脈量子論関係の描写も、真空を漂う重力波への干渉による一定空間の重力強化など、描写的にif未来テクノロジーという印象も強く、楽しい。 スチームパンクorファンタジーSFな世界観で繰り広げられる、バトルものという感じで、好きな人、多そうでもある

5.0
  • 作品更新日:2024/4/22
  • 投稿日:2021/7/29
ノベルアップ+ファンタジー連載:8話完結

ロマン・エイジ

古きよき時代をどこにするかは人それぞれだろうけど、それ(おそらく作者にとってのそういう時代)を純粋にロマンチックに描いてるような印象の作品。 記録として書かれてるような部分もあるけど、目線的に、そのままその時代を書いてるかのような感じも受ける。 これの舞台がひとつの惑星とするなら、未知の巨大大陸はもう無くなり、 世界は狭くなって、そして再び広くなる(宇宙時代の)前の、これまでで一番、ただ一つの世界だけがあった頃の物語という感じがする。 実際には19世紀くらいのイメージのようだけど、あくまで架空の世界が舞台。僕個人の先入観的には、18~19世紀くらいのユーラシア大陸をモデルにしてる異世界。 宇宙時代前の世界の頃の物語というふうに表現したけど、それはその通りで、この物語の世界は、実際に(現実の地球の)特定の時代の特定の地域というだけでなく、歴史までもそのまま、いくらかのアレンジ加えて、舞台に持ってきている感がある(いくらか断片的な歴史情報は、世界史の中でよく知られているいくつかの出来事を思わせる) ようするに、これは架空世界ものというより、むしろ作風的には歴史改変ものと言った方が的を射ていると思われる。 鉄道も産声を上げて数十年と、テクノロジーが人々の暮らしを便利にしていく中で、「神が世界を創造し」、「眠りの妖精が」、「ドラゴンを退治した騎士でもなければ」みたいな、おとぎ話のような表現が使われて、でもそこまで違和感ないような世界観。 ファンタジーやSF要素は控えめで、そこはスチームパンクならぬスチームロマンというような雰囲気が素敵。

5.0
  • 作品更新日:2024/2/4
  • 投稿日:2021/7/29
ノベルアップ+ヒューマンドラマ連載:58話完結

カードゲームのススメ!!

実際に作られてるカードゲームが登場する。 宣伝のために書かれた面もあるようで、最初の方の話でのルール説明などはけっこう丁寧。単にゲームで戦ってるという雰囲気を味わうだけじゃなく、実際にそれがどのようなゲームなのかをしっかり理解した上で、それのプレイヤーたちの物語を楽しむことができる構成になっている。 作中で出てくる、特定タイプのカードの弱点の話とか、かなりカードゲームあるあるな感じのも多い。 世界観は近未来SFで、カードゲームものということで、ホビーアニメ的な雰囲気もある。 端末と脳をリンクさせ、リアルな映像イメージ空間を用意する、『ニューロビジョン』というテクノロジーが開発されている。さらに『神経操作』と呼ばれる、脳の信号を読み取り、立体映像に反映させる機能により、それは体感から、コントロールするものに変わってきている。そして、そのようなSF設定に加えて、特別なレアカードに、何らかの意思が宿っているぽいとか、そんな感じの謎もある。 やはり、(いわゆる)カードゲーム脳的な作りの世界観でもあると思う。そういうの好きな人にはかなりオススメ この物語のメインキャラは中学生の年代だけど、ゲーム(遊び)を通じて、素直な性格の主人公を中心に、友情が芽生えていく様も、ゲームものの王道を堂々と行ってる感。 キャラクターたちも、それぞれがカードゲーマーとしての戦術をしっかり持っていて、けっこうワクワクします。 キャラの性格に関しては、この手の作品にしては(どちらかというと)クセが強すぎない方という印象で、いろいろな人にとっつきやすいとも思います

5.0
  • 作品更新日:2023/2/18
  • 投稿日:2021/8/2
ノベルアップ+童話/絵本/その他完結非公開

盲目魔女さんに拾われた双子姉妹は恩返しをするそうです。

不幸な境遇だったけど、ある時に優しい盲目の魔女に見つけられた姉妹は、魔女と3人、本当の家族みたいになる。そして、好奇心旺盛な姉妹は魔法も習い始めて……というような話になります。 紛れもなくファンタジーとは言えようが、ちょっと現実よりな世界観でもあります。 三つ顔の犬、ドラゴン、テレビ、ライター、サーモグラフィーなどが一緒に存在してる世界観。 魔法を使えるのは、その賢さで魔法を学んだ人か、突然変異の魔女、という話とか、個人的に興味深かった。 ずっとほのぼのとか、そういう系統ではなく、話が進むと、ちょっとサスペンス的な描写とかも増えてきます。 ちょっと怖い印象すらあるかもです。 世界観の雰囲気的には、古い童話的なファンタジーというところもあるけど、物語的には現代的かも。 個人的には、魔女さんと魔法使いさんの再会シーンは必見。 魔女さん……

5.0
  • 作品更新日:2020/11/30
  • 投稿日:2021/7/23
エブリスタ歴史・時代連載:73話完結

アクナテン

古代の宗教観がリアルだった世界観を舞台にした歴史ファンタジー。 とりあえず僕は、エジプトの歴史に関して、あまり知識がある方ではないけど、いろいろ丁寧な説明などあるので、普通に楽しめてます 単に古代のエジプトの話というだけでなく、それと古くから関わりのある部族や文明の伝説や歴史なども、世界設定に含まれていて、昔の「世界」の中でのある地域の話という印象がかなりはっきりしてます。 例えばエジプトに興味がないという人でも、ユダヤの伝説(旧約聖書)とかに関心のある人とかなら、それはそれで楽しめるんじゃないかと思います。 エジプト王家の起源がシュメール王家にある可能性など、興味深い説も時々示唆されてます。 また、特別な王子が有していた霊感能力などが実在してる設定な感じで、そこは普通にファンタジーぽくもあります。しかしだからこそ、単に歴史好きだけでなく、いろんな人に楽しめる作品になっていると思います。 それと、(実際にそれは当時のリアルだったのかもしれないが)本当の神が存在していて、しかし各地でいろいろな信仰のされ方をしている、様々な説があるというような世界観でもあり、時々ある、神や、あるいは人間や魂に関する議論なども、とても面白く興味深いかもです。 例えば多神教の神々は、多面的な一柱の神を、面ごとに別の存在と解釈している説とか。あるいはユダヤ教とかの世界観における、異端の宗教の立場から見た、一神教の世界観への反発とか。 昔ながらのファンタジーが好きという人にはすごくオススメできる作品と思います

5.0
  • 作品更新日:2021/9/12
  • 投稿日:2021/7/23
小説家になろうSF連載:52話

インフィニティ プラネット 〜6人の少年少女が未知の宇宙を旅する物語〜

宇宙クジラや幽霊船の例え、闇の種族とか、銀河の創造主といった、ファンタジー的(あまりがっつりでなく、あくまでも雰囲気的)ガジェットを含ませてるSF。そういうの好きな人にオススメな作品。 ただSF的な物語というだけでなく、SF小説らしい表現も多いように思う。だから、正統派というか、伝統的というような印象もあります。 とりあえず序盤の流れだが、主人公たちである地球人の少年少女6人は、転送装置の予期せぬ動作で、本来なら関われるはずのなかった、地球から遠い銀河領域の異星人たちと出会う。この辺りテンポよく進み、スケールの飛躍があり、読者のワクワクをうまく誘ってくれると思う。いわばSF的異世界転生。 また、コンタクトする宇宙人を、かなり宇宙「人」として描いている。ここには拘りすら感じます。人間ばかり。ただ見た目がそうだというだけでなく、社会とか、持ち合わせている概念とかもかなり共通しているような。 とにかく、脳のシナプスネットワークを利用した情報装置。銃火器。宗教。図書室、プラネタリウム、トレーニングジム。ギャンブルのカードゲーム。 地球人ではない異星人、しかしあくまで我々と近しい存在と感じさせる描写が多い(というか、人間と表現されているそのまま、まさしく人間と思わせる描写が多い)。 そして、今のSFとしては逆に珍しいくらいかもしれない、そこまでの異星「人」感が演出ガジェットになっている世界観だからこそ、「あなた達を最初に見た時に、この惑星にかつて生きていたラムウ人とどこか似ている気が……とても精神性の高い種族でした」、「宇宙人がトカゲだとかタコとかエイリアンって、ただの人間の妄想だったんだな」などのセリフは、凄く興味深い。 そこもやはりSFらしく、物理現象や、そのようなものを利用したテクノロジーに関しても、なかなか考えさせてくれそうな描写が多い 例えば量子力学的な、あるいは別次元時空を利用しているような、転送技術の利用の際、気分が悪くなるとか。 「無限を感じる一瞬、身体は粒子状に崩壊し、精神は宇宙空間へと放出される。自己認識が打ち消されそうな膨張を目の当たりに……」 人によっては、哲学的な関心も結構高められると思います

5.0
  • 作品更新日:2021/7/31
  • 投稿日:2021/7/23