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カクヨムファンタジー連載:215話完結

幸福の国の獣たち

動物の姿をした神々が住む幸福の国、アンハナケウを目指して、超ポジティブな少女ララキと、しっかり者で倹約家なミルン、謎を抱えるお嬢様スニエリタの三人組が旅をする……というのが前半のお話。仲間と共に旅をし、試練を乗り越え成長していく王道ファンタジーが展開されます。 舞台となる世界には、アジア系の国やヨーロッパ系の国、少数民族の文化圏も存在し、多彩な文化や宗教が異国情緒を演出しています。加えて差別問題などの暗部もちゃんと描かれており、歴史もしっかり作り込まれています。また、道中で行われる資金調達(真っ当な方法もそうでない方法もあり)の場面では、キャラの仕事中の姿を通して、世界をより近い視点から見られます。 ストーリーや舞台だけでも、既に魅力溢れる作品ですが、キャラがさらに鮮やかさを加えています。旅する三人組はもちろんのこと、三人に関わる人々や、動植物の姿でありながら人間臭い神々、美しい紋を描く召喚魔法・紋唱術で呼び出す「遣獣」という動物たち、そして敵対するキャラまで、際立つ個性を持つ面々が登場します。 丁寧かつ共感を呼ぶ心情描写がなされているため、キャラを身近に感じられると共に、肩入れすること必至です。彼ら彼女らが織り成す恋愛模様も見所で、人間同士はもちろん、動物の神々同士や、人間と神の間にも恋が芽生えており、様々な恋をニヤニヤしながら眺めてしまいます。 登場人物の中でも特に目を奪われてしまうのが、主人公の一人であるララキ。話が進むに連れて暗い背景が明らかになっていく彼女ですが、持ち前というか養われた明るさで、自分の事情や降りかかる災難を物ともしません。他者を大切に思い励ましたり、好きな人について楽しげに語ったり、恐ろしい神相手に親しげにしたりと、賑やかで可愛らしく、愛さずにはいられない女の子です。 後半では、前半から示唆されていた、神々のうち一柱の裏切りによって展開が急転。絶望的な状況を打破すべく動く神々と、協力することとなった三人組それぞれが活躍する内容となっています。油断を許さない緊迫の状況が続き、時に駆け引きを交えながらも、立ち向かうキャラたちの姿が眩しく輝いています。恋愛事情も加速するので、そちらからも目が離せません。 ぜひ、異世界の旅を楽しみながら、ララキ・ミルン・スニエリタの成長を見届けてください。最高のハッピーエンドを掴む三人の姿に、幸福を分けてもらえること間違いなしです。

5.0
  • 作品更新日:2021/4/17
  • 投稿日:2021/11/24
カクヨムその他連載:124話完結

罪の女の歌を歌おう、コカ畑の木陰で、カリブの波間で

猥雑としているけれど賑やかで、街も人も輝いていて、裏では時に硝煙と血の臭いが漂う。そんな熱気に溢れるカリブの街を舞台に展開されるヒューマンドラマ。 幕間に挟まれているコラム(ぜひ読んでほしい)からも窺える通り、カリブ周辺地域の世情や文化についての知識が確かなものなので、カリブの風が運んでくるだろう空気を、全身に感じられました。 そこで生きている登場人物たちが、とにかく素敵。常にスポットライトを浴びて堂々と咲き誇っている主役、マカレーナ。彼女のカッコよさ、情の深さからくる挙動に一瞬で魅了された後は、そのまま周囲の人物にもどんどん魅了されてしまいます。酸っぱさも苦さも含んだ恋模様や、彼女たちのすぐ傍で巻き起こるカルテルの抗争からも目が離せません。 舞台良し、キャラ良し、ストーリー良しの三拍子が揃った作品です。ぜひお読みください!

5.0
  • 作品更新日:2021/1/30
  • 投稿日:2021/8/14
カクヨムファンタジー連載:38話完結

障翳の二重唱

船旅の途中で嵐に遭い、絶海の島々へと漂着した元歌姫、クラリッサことクラリス。そこで彼女が出会ったのは、島民から遠ざけられているアルビノの少年、エツィカシュイムことツィカだった。 飄々として弾けるような明るさを持つクラリスと、まだ幼くもしっかりしていて真面目なツィカの二人は、島内では異邦人とアルビノという外れた存在。加えてどちらも背後に陰を抱えているのですが、友情を深めていく二人の姿は眩しく、心を和ませてくれます。 舞台となる南の島、フィアスティアリそのものや異文化が織り成す描写も美しく、こちらまでクラリスと同じ道を辿っているかのような気分を味わえます。良いところばかりでなく、問題もしっかり描かれており、だからこその人間ドラマも見どころ。しかし最大の見どころは、題名にもある二重唱! 様々な事情が絡み合う中を突き抜け、思いのままに紡がれるクラリスとツィカの、清澄かつ透明な歌声。そして力強く自由な歌唱には、心を揺さぶられます。 ぜひ貴方も、南の島フィアスティアリへの旅と、日陰の二人が紡ぐ歌をご堪能ください。

5.0
  • 作品更新日:2021/10/13
  • 投稿日:2021/10/14
小説家になろうファンタジー連載:23話

メル・モルト・ダンジョン・アタック

鍛え上げられた肉体から繰り出す正拳が武器の人間・ロミアと、強力な風の魔術が武器のダークエルフ・アマンダのコンビが挑むダンジョン攻略の物語。 迫力と爽快さを兼ね揃えた戦闘シーンや、キャラクターたちが見せてくれる一面一面がとても魅力的。いずれも圧倒的な筆致で描き出されているので、エピソードを追うごとに、どんどんはまり込んでしまいます。 熱い展開に心躍らされる濃密なファンタジー、ぜひご覧ください!

5.0
  • 作品更新日:2020/10/1
  • 投稿日:2021/8/14
カクヨム歴史・時代連載:73話完結

その神奈備に、弔いを

閉鎖的かつ古い因習が残る山奥の村、金峰村に攫われ、土着神に捧げられる神楽を舞うこととなった主人公、篝。村で出会った協力者たちと共に、村が抱える秘密へと迫っていくが、彼自身や協力者たちにもまた秘密があり――? 読みやすい文を追っていくうち、登場人物たちの事情や世界観が少しずつ明らかになってきたかと思いきや、かなり気になる新たな謎が残されていく。読み進めるほど次話を求めてしまい、はまり込んでしまう作品。徐々に明らかになっていく謎、唐突に明るみに出る謎とその答えは驚きと、じんわりと溢れる切なさを与えてくれます。 ダークでミステリアスなだけではない、美しく切ない伝奇物語。人を好いた罪を背負ったのは誰か、混ざり合う謎の行方はどこに向かうのか。あなたの目で確かめてみてください。

5.0
  • 作品更新日:2020/12/30
  • 投稿日:2021/8/14
カクヨムファンタジー連載:59話

Catastrophe《カタストロフィ》

ある日、化け物としての側面が目覚めてしまい、過ちを犯してしまう主人公の王女、ファルトゥナ。死を望む彼女はしかし、行方不明の姉、ビアンカを探す目的を得て旅に出る。その道中で多くの人々と出会い、仲間を得て、ファルトゥナは成長していきます。 けれど、ファルトゥナは何度も、自分の中に潜む化け物に苦しめられ、捻くれていることもあり、辛辣な言葉を吐いてしまう時もあります。そんな彼女を支える仲間が頼もしく、そして、強く前へと進んでいくファルトゥナの姿が、抱きしめたくなるほど愛おしい。 幸あれと願わずにいられないファルトゥナの成長模様もさることながら、様々な風土を持つ世界観も素敵です。そんな世界を行くファルトゥナたちの旅を、ぜひ追いかけてみてください!

5.0
  • 作品更新日:2021/6/17
  • 投稿日:2021/8/14
カクヨム歴史・時代完結非公開

【完結】朔の風

日本神話、古代日本を舞台に、混ざり合う人間模様と美しい情景を見事に書き出したファンタジー。第一部は故郷を追われた姫君と、彼女を守る姿なき護衛を。第二部は孤独を恐れ、居場所を求める青年を主役に据えて、物語が進んでいきます。 第一部では、故郷を失いながらも屹然と立つ姫君・夕星と、彼女の護衛である姿なき寡黙な青年・葉隠が、新天地で国同士の争いに巻き込まれていきます。この二人の関係性とすれ違いが、とにかく切ない。兄の許婚だった夕星に惹かれながらも想いを秘する葉隠と、許婚を忘れないでいつつも葉隠に惹かれていく夕星。戦乱の中でも凛々しく、健気に咲く花のような二人の結末は、しかし夕星の儚く悲しい散り様にて幕を閉じてしまいます。 第二部では、夕星を喪った葉隠こと鷹彦と、拠り所だった家族を喪い、孤独を恐れる不器用な青年・騒速が主役。尊敬する鷹彦について行きながら、自分の居場所を求め、徐々に孤独を溶かしていく騒速の若々しさにニヤける反面、癒えようのない孤独を独り抱える鷹彦の淋しさに、胸を締め付けられます。暗い思惑も蠢く中、孤独を抱える者同士はどんな結末にたどり着くのか、必見です。 夕星、葉隠/鷹彦、騒速と三者の名前を挙げてきましたが、彼女たち以外の登場人物もとにかく魅力的です。男性にも女性にも、惚れてしまうようなカッコよさを持つキャラ(もちろん、たおやかだったり可愛らしかったりするキャラや、油断ならないキャラもいます)が多く、一人一人紹介すると長くなるので、控えなければならないのが残念なくらいです。 古代日本の風や匂いを感じる、美しい情景描写もさることながら、濃淡も色合いも様々に渦巻く心理描写も見所の、上質な大河ファンタジー。読んでいる最中は没頭状態、読了後は放心状態になりかねませんので、そこだけ気をつけてお読みください!

5.0
  • 作品更新日:2021/12/3
  • 投稿日:2021/8/14
カクヨムファンタジー連載:4話完結非公開

機械仕掛けの滅びの美学

ずっと歯車の音が聞こえてくるからこそ、逆に静けさを感じる世界と、蒸気機関の登場によって傾いていく国の翳りで、どこか閑寂とした雰囲気が醸し出されている作品です。 主人公である琥珀姫ことヤンターは、そんな斜陽の国の王女。外出を許されない籠の鳥でありながら、将来を冷静に見据える彼女の凛々しくも儚い姿が美しく、だからこそ、後半の痛ましさや切なさに胸を打たれます。オルゴールの奏でる音色がだんだんゆっくりになっていき、最後には曲の途中で止まってしまった時のような物寂しさ、物悲しさを深く感じる作品でした。 また、タイトルにもあるように「滅びの美学」という言葉がふさわしい作品なのですが、ちらりと見える魅力的な機械の動きの描写にも注目してほしいです。

5.0
  • 作品更新日:2021/1/16
  • 投稿日:2021/8/14
カクヨムファンタジー非公開

追憶の

美しい情景描写や展開の面白さはもちろんのこと、心理描写がとにかく丁寧な作品。主人公のアリスを筆頭に、キャラクターたちの心情が繊細かつ鮮明に、優しく、そして妥協なく描かれています。 もやもやとして詳しく言い表せない心情、喜怒哀楽の言葉だけでは言い表せない、あるいは言い切れない心情。この作品はそんな曖昧な部分まで見事に書き出し、キャラクターたちに血が通っていることや、彼ら彼女らが抱いている気持ちを強く感じさせてきます。それもあって物語への没入感はかなり高め。出てくるキャラクターの数は多いですが、書き分けがしっかりなされていて判別も付きやすく、一人一人の心に共感できる部分もあります。 しかしながら、物語が進むにつれ、キャラクターたちは残酷かつ悲惨な運命に翻弄されてしまいます。目を背けたくなる現実に切りつけられ、傷を負っていく彼らの姿に、思わず「もうやめてくれ」と震えてしまうかもしれません。けれど、筆舌に尽くしがたいことも、生々しい心の傷や流血も、容赦なく書き出されているからこそ、キャラクターたちを大事に思え、幸せになってほしいと心から願えます。 そんなキャラクターたちの言葉や見ている景色は、読んで感じてみてください。どこまでも誠実に書き出された叫びに、必ず心を揺るがされます。

5.0
  • 作品更新日:2021/12/1
  • 投稿日:2021/8/14
カクヨム恋愛連載:27話完結

奈落に咲え、

豊臣の治世が敷かれるようになった時代を舞台に、親愛、恋愛、敬愛といった様々な、けれど屈折した思いが渦巻く様子が描かれている作品。 物語の主役である天花は天真爛漫な少女ですが、双子の兄である燦に起きた悲劇を機に、奈落と名乗る冷然とした女性に変わります。天上の花と地獄の花、どちらとしても咲いた彼女は、そして彼女の周囲は何を思うのか……。 人々の思いの中で、陽にも陰にも咲き誇る少女から目が離せなくなる作品です。

5.0
  • 作品更新日:2021/1/11
  • 投稿日:2021/8/14