銀狼と闇の魔女

　この世界には、古代より長く続く四つの大国が在り、それ以外にも小さな国々が計五十以上点在している。 　地図上で南側に位置する場所にある小さな孤島。どこの国にも属さないその地の村で、亜人と人間の混血である少年ウルガーは暮らしていた。　 　両想いの幼馴染みや優しい祖母、友人や親しい人達に囲まれ、平和で穏やかな日々を送っていた彼の夢は、外の世界を旅し色々なものを見て回る事だった。 　――しかしある日、島の外から現れた者達により平穏だった島は一転、災厄に見舞われてしまう。 友人や愛する人を奪われ、家族と島の人達を傷付けられた少年は復讐を誓い、島の外へと旅立った。 それから一年、海を渡った先の大陸にて修行を重ね力を付けたウルガーは、呪いの刻印を持つ『魔女』の少女と出会い、故郷の島に惨劇をもたらした元凶である組織『魔導会』へと挑んで行く。 戦いの果てに、かつての夢を望める未来がある事を信じて。