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作:幕画ふぃん

凄惨たる魔王の黙示録〜目覚めると勇者になっていた魔王は、斯くして世界を救う。

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最終更新:2021/7/3

作品紹介

「何故に貴様は私に刃を向ける?」 魔族を統べる凄惨たる魔王・テネブリス=ドゥクス=グラヴィオールは、勇者ルクルースに問う。魔族と人間、長きに渡る争いに雌雄を決する為に勇者ルクルースは、命を賭して一騎打ちという選択を選んだ。 実力の拮抗した両者の命運は、お互いの強大な一撃に託された。魔王と勇者、尋常ならざる魔力同士の衝突は、激しい閃光を生み出す。刹那、辺りはまばゆい光に包まれた。 その後、魔王テネブリスは見慣れぬ一室で目を覚ます。 一切の魔力を失っている事と、馴染みのない肉体の感覚に違和感を覚え、その場にあった姿見で自分の姿を確認すると、そこにはあの日、一騎打ちをした相手である勇者ルクルースの姿が映っていた。 理解できない状況が起こった矢先、魔族が現れたとの一報を耳に入れる。自身の身に起きている状況を知る為に、まずは魔族に接触しようとした魔王テネブリスは、勇者の仲間である魔法使いの女・アルキュミー、歴戦の剣士の男・フェルム、ハーフエルフの神官・クラルスと共に、魔族が現れたその場所へ向かった。 圧倒的な魔力を誇っていたかつての自分を失いつつ、脆弱な人間の肉体で激しい戦闘になりながら結果的に魔族を殺す事になる。その際に、かつての魔王としての凄惨たる魔力の一端を取り戻した可能性に気付く。 ――そして、魔族を殺すことによって、かつての魔王としての力を取り戻す事を画策するのであった。 失った絶対的な魔王の力、それを取り戻す為、凄惨たる魔王は勇者の姿をその身に写し、歩みを進める。 その行動が、いずれ世界を救う事になるとはまだ誰も知る由もない。 ――最凶魔王の黙示録、今ここに開闢す――。

ファンタジー異世界勇者魔王バトルダークファンタジー

評価・レビュー

真面目だから面白いという、斬新さ!おススメです。

【物語は】 勇者と魔王の一騎打ちにより始まる。 本編に入ると、戦いの結果が徐々に解明されていく。そして、主人公は驚愕する、自分の置かれている状況に。名前を告げて周りに信じて貰えず、記憶喪失と勘違いされてしまう。しかしそれは、彼にとって吉となるのだった。 【登場人物の魅力】 主人公だけがいつも通りの振る舞いをする。それに対し、周りは勘違い状態で進んでゆくのだが、そのすれ違い方が絶妙。 主人公の考えていることは周りにはわからないので、勝手に彼らが誤解し、主人公に振り回されていく。だが、彼にはそんなつもりは毛頭ない。 特に三話の辺りでは、おかしくて腹筋が崩壊しそうになった。 しかしこの後、ターニングポイントが訪れるのである。 主人公が我が道をひた歩く性格なのが面白く、物語にマッチしている。語が進むと、勇者ついてのプライベート部分が明かされていく。勇者に魂が入ってしまった主人公も驚くが、読者もびっくりな内容である。 ここで思うのは主人公が元魔王なだけあって、頭の回転が速いということ。しかし自分らしく振舞うと、周りの者たちから厨二病と勘違いされる。それはそれで面白いと感じた。 【物語の魅力】 物語の流れと展開が上手くできている。 戦いから一転、その結果を主人公は現状で理解する。そこにあったのは信じがたい現実。主人公は戸惑いながらも、自分を取り戻すため模索していく物語なのだ。 そして、その一歩は幸運にも直ぐに訪れる。 ここの展開も面白い。主人公と周りのズレが笑いに繋がる物語だ。しかも主人公を含め、周りの人物も皆が真面目である。真面目なのに、笑ってしまう。いや、真面目だから面白いということなのか。 魔力を失ってしまった主人公。見た目は勇者なので、勇者として戦うことしかできない。周りは主人公が、魔王であることを全く信じていないのに、”あるもの”はどうやら勇者でないことを知っているかのようだ。 そのせいで、戦闘中にピンチに陥るが、ある思い付きでピンチをラッキーに変える。このことが、更なる幸運を呼ぶ。もし、ここで思い付きを実行していなかったなら、自身の変化にも気づかない可能性があっただろう。 ここまで物語が必然性で展開されているのが、凄いと感じた。 【物語のみどころ】 魔法の詠唱が凝っているところも見どころの一つ。 冒頭ではチラッとしか出てこない、主人公の仲間の三人は個性的で、それぞれがツッコみ役も担っているのが面白い。誰一人として、主人公が魔王であることを信じない。それが魔族も同じであるという。まるで世界に独りぼっちのような状況だが、果たしてどうなっていくのだろうか? あらすじには”いずれ世界を救う事になる”とある。 知らず知らずのうちに世界を救ったその後に、魔王としての居場所はあるのだろうか?いろいろと想像や心配をしてしまう物語である。それは、主人公に愛着の沸きやすい物語でもあるということだ。 あなたも是非、お手に取られてみませんか? 主人公は力を取り戻した後、どんな選択をするのだろうか。 その目で確かめてみてくださいね。おススメです。

5.0

crazy's7

実はシリアスな重厚ファンタジー。戦記物の香りすらする

 最初の10話程度まで、これはコメディなのか?と思わせる部分が多々あり、仲間たちのやり取りが大真面目過ぎて、それがなまじコミカルに見えるため、勇者の皮をかぶった魔王と愉快な仲間たち、という進行するのかなと思わせておいて、実は重厚ファンタジー。  国と勇者、魔物と勇者、勇者と勇者…という感じで、勇者に対する色々な出来事が、中身が魔王という事により、良い意味でのアンバランスさ、かつ、意外性のあるシーンを構築しております。先が読めない点、どのように進行しているかも、どんどん想像がつかなくなっていくという。  仲間たちもただのテンプレキャラかと思わせておいて、深い人間性と過去をもっていたり、かなり厚みあり。  また魔王も、勇者とのギャップのせいで、最初はコミカルにさえ見えたその凄惨さが、魔王らしさを帯びてきて、迫力を増していきます。  通常は魔王VS勇者というのが王道路線ですが、魔王+勇者VS〇〇、となっており、その相手は人間であり、魔物であり…?一番世界を、ダメにしているのは?という所まで考えさせられていく。本物のルクルースの人間性や性格は、周囲の反応からしか推し量れませんが、中身がテネブリスでなければ解決できなかった事もあるようにも思え、彼が勇者の中にある意味すら考えてしまいます。  彼らの冒険に、どのような結末が待つのか。一味違う、勇者一行の物語をぜひご堪能ください。

5.0

MACK

今までに読んだことがない異世界ファンタジー

魔王テネブリスと勇者ルクルースの 一騎討ちから始まる物語。彼らが迎えた運命は──? 最初からクライマックスかと思われる激しい戦い。死闘の末に目覚めた魔王、テネブリスは、自身の意識が勇者ルクルースの体に入っていることに気付く。なんと、勇者と魔王は中身が入れ替わっていたのだ!! 体が入れ替わる物語である場合、通常は体の持ち主のフリをして行動したり、体が入れ替わっていることを仲間に伝える展開が多いと思いますが、魔王テネブリス様は勇者の体でありながら「私は魔王だ 」と自分を偽ることがありません。 前半は、突然「私は魔王だ」と言い出した勇者を「チュウニビョウ」にかかったのかと勘違いする勇者一行とのコミカルなやり取りが続き、ダークな世界観の中でもクスッと笑える面白さがあります。 後半に行くにつれて物語は重厚さを増していき、展開もシリアスになっていきます。 ネタバレになるので伏せますが、自身の魔力の取り戻し方を知った彼は、やがてひとつの目的を定めます。 前半は少しコメディ寄り、でも中盤辺りから爆発的に面白くなっていきますので、ぜひ最後まで読んでほしい一作です。 また、注目すべきは、主人公である魔王テネブリスのかっこよさ。勇者と中身が入れ替わろうが、自分は魔王だ!と、勇者一行に迎合することなく我が道をいきます。 お互いの勘違いにより、時たま笑えるやり取りがある中でも、魔王としての彼の恐ろしさ、かっこよさが全く損なわれない所に、作者の力量を感じます。 勇者と魔王。昔からある対立関係のイメージを逆手にとった、全く新しい異世界ファンタジー。 伏線回収も見事で読んで絶対に損はしない物語です。ぜひ、この雄々しく魅力的でかっこいい魔王様が生きている世界にどっぷり浸ってください。

5.0

結月 花