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作:紫月音湖*竜騎士様~コミカライズ進行中

今宵、あの藤の下にて君を待つ。

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最終更新:2020/7/15

作品紹介

唐棣(はねず)家の庭に植えられた一本の藤が「鬼憑き」と呼ばれているわけは、枯れることなく年中花を咲かせることと、藤の下に緋色の目をした鬼がいると噂されているからだ。 けれども一人娘の薄紅(うすべに)が藤に癒やされ病を克服した為、当主の蘇芳(すおう)も藤を無下に扱うことは出来ないでいた。 薄紅の前にだけ現れる鬼。藤の香に誘われてよみがえる、薄紅の知らない記憶の断片。薄紅に持ち上がった縁談話と、鬼に対する確かな恋慕。 やがて記憶は藤の香に引き戻され、薄紅は鬼が誰なのかを知る。 1ページ1300~1500文字で綴った短編です。 Twitter企画・第3回いっくん大賞にて「シナリオ構築部門」と「佳作」に選んで頂きました。 © 2020 月音

恋愛短編和風あやかしちょっぴり切ない恋愛もの

評価・レビュー

薄紅色の恋の行方。

 読み終えて、輪郭がくっきりとした状態で改めてはじまりの景色に戻ると、その世界の色がまったく違って見える。静かな言葉の中に、情動に訴えかける力強さのある、とても素敵な短編だなぁ、と思いました。 〈唐棣の家の庭には、見事な花を付ける一本の藤がある。二年前――ちょうど一人娘の薄紅が病に罹った頃から年中花を咲かせるようになり、枯れることのない藤を見て畏怖した人々がいつしか「鬼憑き」と呼ぶようになっていった。〉  美しい藤に隠れた妖しい魅力に引き寄せられていく薄紅の恋慕の情、その薄紅色の恋が向かう先に、曖昧だった記憶が重なって、立ち上がる像は儚くも切なく、確かにそこにふたりだけの世界があるのだ、と信じさせてくれます。相手のみをよすがにその感情のままに奔るひたむきな恋を紡いだ言の葉に身を寄せて、色彩豊かな登場人物たちによって描き出される物語を愉しむ。あぁ小説って楽しいなぁ、と再確認できるような小説でした。  素敵な小説をありがとうございます。

5.0

サトウ・レン

囁く声に焦がれた嬢の想いや

静かな夜、濃紫の空気に柔らかに舞う藤の花弁が冷たく淡く流れてくる様が浮かびました。 藤の木の下にボウと立ち出でる、美しい鬼。 そのまなざしの緋に魅せられて、床に伏していた薄紅嬢はあれよあれよと生気を取り戻す。 同時にうっすらと蘇り出すは、薄紅嬢が伏せる以前のモノクロの記憶。 鬼の姿へ、薄紅嬢の声は名を呼んでいたらしい。 心を精神を揺さぶられるような、甘く近かったであろう記憶は、薄紅嬢を惑わすか誘うか──。 藤の花に香に魅入られる、切なくて幻想的なお話です。

5.0

佑佳《なつ色のふみ販売中》