エリスの聖杯
最終更新:2024/4/29
作品紹介
[本編完結済み/後日談不定期更新] ※現在コミカライズ版(既刊10巻)がマンガUP様で連載中です。 地味でパッとしない子爵令嬢のコンスタンス・グレイルは、ある日偶然、婚約者の浮気現場を目撃してしまう。さらに浮気相手の卑劣な罠に嵌められ、公衆の面前で婚約破棄されかける。周りに助けを求めるも、爵位も高くなく、後ろ盾もなく、さらには美しくもない彼女に手を差し伸べる者など誰もおらず、すべてを諦めかけた瞬間―――【その声】は、突然、コニーの世界に飛び込んできた。 『いいわ、助けてあげる。でも、その代わり―――』 これは、十年前に処刑されてしまった稀代の悪女の復讐に、成り行きでつき合うことになってしまった、どこにでもいるような平凡な少女の物語。 ※※残酷・流血描写がございます。倫理的に問題のある表現も出てくるかもしれませんのでご注意ください。おっけー何でもばっちこーいな心の広い方向け。
評価・レビュー
こたつ
『読み物』としての面白さがきちんとある作品
処刑された悪役令嬢の霊に取りつかれたヒロインが令嬢の復讐に手を貸さざるを得ない状況になり、色々な騒動に巻き込まれながら、令嬢の処刑に纏わる真実を解き明かしていく物語。 物語のテンポがよいので途中でダレることもなく、キャラの掛け合いも楽しく、ぐいぐいと引き込まれたまま一気に読み終えることができた。 悪役令嬢モノの断罪はざまぁがお約束で自業自得の結果でしかないものが多いが、この作品は『断罪』に重要な意味が込められていて、「そういうことなの?!」となってから「そこに繋がるのか!」という流れが素晴らしいと思った。 各キャラの造形もよく、ヒロインも令嬢の霊もヒーローも、皆それぞれ振り回し振り回され、足りない部分を補いあって進んでいくのがとても好ましかった。 恋愛ジャンルではあるが、ヒロインとヒーローの恋愛模様はかなりじれじれで糖度は低め。ただ、鈍い&奥手な二人が少しずつ距離をつめていくさまにニマニマできて楽しい。両想いになってからヒーローが無自覚スキンシップ過多になるので、その辺りを追加で読んでみたい気がする。
亜夜