カボチャ頭のランタン
最終更新:2023/5/15
作品紹介
迷宮がポコポコ湧く都市で、探索者として暮らすランタン。血生臭く平和に一人で気ままに暮らしていたが、なんやかんやあって一人じゃなくなるような話。あとなんやかんやあって集英社ダッシュエックス文庫様から書籍化しました。
評価・レビュー
HAL
弾ける汗、血飛沫、爆発……めちゃくちゃ重厚バトル!最凶ショタ探索者による躍進!
この主人公のメインウエポンは、槌と爆破だ。めっちゃマニアックだ。 そうこれは、ある種マニアックな『こだわり』と『ロマン』が詰まった小説なのである。 ※ 主人公のランタンは、その名を轟かせる『単独探索者』だ。 小さな体躯、たしかな実力、炎を宿す冷徹な瞳、端々に見受けられる教養……。 読者はそうそうに気付くだろう。地下に広がる異世界ダンジョンに潜るこの主人公こそが、『日本からやってきた』いわゆる転移者なのでは?と。 しかし、彼には記憶がない。彼には故郷と呼べるものがないのだ。それを求めて、迷宮探索へ行く。 このお話は、孤独な彼が、一人の半巨人の少女を拾うところから始まる。 弟子を経て、仲間となり、のちに恋人となる彼女との出会いが、英雄ランタンの本当の物語のはじまりだ。 匂い立つほど重厚で確かな描写は、とくに、ほぼ毎回あるバトルでの臨場感が必見なのだが、日常回も素晴らしい。 素晴らしいので、とくに『ラノベじゃないファンタジー』に一言ある方は、いちど読んでみてほしい。 余談。この物語、のちのちハーレムになるのだが、筆者はもともとハーレム展開が苦手である。しかし『カボチャ頭のランタン』は読める。なぜならば、ランタンはそれほどに魔性の少年だからだ。 再びの書籍化を切に願う。
小吉