夜伽の国の月光姫
最終更新:2020/12/24
作品紹介
とある小国にアルエという美しい王女がいました。けれど、この国には隠されたもう一人の美姫、第二王女のセレネという少女も居たのです。セレネは、その異質さにより忌み子として扱われ、国ぐるみで秘匿され、暗い部屋でひっそりと命を繋いでいました。でも、セレネには誰も知らないもっと大きな秘密がありました。セレネの中身は、おっさんだったのです…… ※そして、本来なら封印されるべきおっさん姫は、2015年10月25日にTOブックス様より書籍として、檻から放たれた獣のごとく発売される事にもなったのです……
評価・レビュー
偽猫A
おっさん! どこまでも自己中なおっさんの勘違いしかない物語!
TS転生したおっさん幼女が主人公で、実家で冷遇されているところから始まるのですが、全く同情はできません。おっぱいしか頭にない自堕落で自己中なおっさんだったからです。 優しくしてくれる実姉と結ばれることを夢見て、本人なりに色々したりしているのですが、本人の無知さ、外見、そして言葉がおぼつかないのもあり、ことごとくが勘違いで進んでしまいます。 姉とも相棒のネズミ執事とすらろくに会話が通じていないのですが、それに誰も気が付いておらず、あらゆる場面がギャグ時空へと飛んでいきます。 本人たちが大真面目にシリアスしているのに、勘違いしかないので全てがギャグになり笑えてきます。 それでいて主人公以外の部分では世界観もしっかりして様々な人物が生き生きと描かれているので、じんとすることもある、笑いあり(笑い)涙ありの勘違い物語です。 主人公が気遣いのできないおっさんだから勘違いがなくならないところがあるのですが、その分ちょっと主人公のお馬鹿さにイラッとすることもありますが、そこが気にならなければ文量もあって読みやすく起承転結がまとまっていて面白くておすすめです。
かんむり