空駆ける黒妖犬は死者を弔う
最終更新:2022/3/29
作品紹介
黒毛の犬耳と尻尾が特徴的な獣人の少年、ポロ。 彼は魔導飛行船の技術に優れた街、フリングホルンの飛行士として物資の輸送をしながら生計を立てていた。 ある日、ポロ達は王族からの依頼を受け、空中都市セシルグニムへと向かうことに。 その一件をきっかけにして、のちに強大な魔物や『転生者』と呼ばれる者達の戦いに巻き込まれてゆく。 人も魔物も、等しく戦場で亡くなった者に対しては敬意を込めて弔いの『浄化魔法』を唱えるポロ。 しかし彼自身気づいてはいなかった。 ポロの唱える『浄化魔法』は、霊魂に込められた能力を取り込む『吸収魔法』が備わっていたことに。 〜第三章あらすじ〜 「水の都アスピドかぁ〜、僕初めてだからすごく楽しみなんだ」 次の依頼場所である目的地を確認すると、ウキウキと尻尾を振りながら当日を心待ちにするポロ。 先日、王女であるアルミスに縁談が持ちかけられた。 ポロ達飛行士は王直々の依頼により、彼女の送迎及び護衛の為、多くの海棲種族が暮らすテティシア国の領地、アスピドへ向かうことに。 しかし、裏では様々な思惑が交差して…………。 〜第四章あらすじ〜 「なんでだよ! なんでお前がそっち側にいるんだよ、ポロ!」 セシルグニムの中心で、ショウヤは怒号を浴びせた。 信じていた友人が、敵国側に肩入れをしている。その事実が許せずに。 「君は正気じゃないんだ。一度冷静になって考えてよ」 「黙れよ、お前も俺の敵だ。死にたくねえなら、今すぐ俺の前から消え失せろ!」 「やだよ。だってショウヤ、すごく辛そうだもん」 憎しみに囚われるショウヤと、彼を救いたいと願うポロ。 二人の望まぬ争いが始まる中、セシルグニムを襲う敵兵の将、『黒の導師』ははるか遠くで傍観する。 人の意志は、人の繋がりでどう変化するのか。 男はわずかに高揚しながら、その結末を見届ける。 これは、大空を駆ける飛行士達と、それに関わる国家や多数の種族、そして異世界の人間を巻き込み紡がれる冒険ファンタジー。
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