タイムリープに巻き込まれて家族を失った俺に大聖女様が「私の彼氏になりなさい!」と命じてきた

　異世界暦2122年3月。魔族側と人間側の間に生じた3度目の世界大戦の末、人間側の王都は魔族の手によって陥落した。その直後。人間側の擁する７大大聖女の1人・”時空の大聖女”によって世界の時間は5年間巻き戻された―――人々の記憶もリセットした状態で。 　しかし、王国辺境に住んでいた農民のケインだけはなぜか5年後の記憶を保持したまま時間遡行してしまう。ケインは大聖女の魔法が通じない特異体質の持ち主だったのだ！ 　1人の聖女につき一人だけ存在する、その大聖女の魔法が通じない男は大聖女の傍で仕える”羊飼い”になることになっていた。そしてケインも時空の大聖女の担当官に就任するが、彼が担当する大聖女のレインは妹以外のことにまるで興味がない、妹のためにしか魔法を使わない問題児だった! 　そんな彼女がケインに最初に言った言葉は―――。 「私の妹がお兄さんが欲しいって言ってるからさ、君、私の彼氏になってよ。」 　”時間の巻き戻し”によって家族を永遠に喪った少年×重度のシスコン大聖女×2人を振り回す奔放な妹。そこにケインの元カノや幼馴染、補佐役を名乗る変態神官も加わって、一度終わりかけた世界の歯車が再び動き出す。 　これは、魔法を使いたがらない大聖女に大切なものが増えるまでのお話。 　そして、全てを喪った男が、再び”家族”を手に入れるまでの物語。