由緒正しい古典部で「魔導書」を読み漁る日々を送っていた僕はついに偉業を成し遂げた。 そう「代々伝わる魔導書の読破」そして「魔法陣の形成」だ。 誰も解読できなかった魔導書を「自分なりに」「独学で」読み解き、最後の魔法陣を床に描いた瞬間、……時に何も起きなかった。 いつものように冷めた目でこちらを見つめる結梨を感じつつも、しかしながら前人未到の領域の領域に踏み込んだ達成感に浸っていた。 魔法なんてあるはずがない、魔導書なんて誰かの冗談(ジョーク)だ。 だからこんなものは僕の趣味で、ただの部活動で。 ……でもそれもその瞬間までの考えだった。 「あの魔法陣」を境に僕はーー、魔法少女になってしまったのだから。
更新:2019/8/21
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