体調を崩した一人暮らしの祖母を見舞うために数年ぶりに訪れた田舎の町は、海も山もそこに住まう人々も記憶の中にあったままに存在し続けていた。 祖母は思いの外に健勝な様子ではあったが、夏休みに入ったばかりで取り立てた予定もなかった私は、そのまま田舎の町に数日ほど滞在することに決めた。 翌日になり、幼かったかつてに足繁く通った海へと足を運んだ私は、日の傾きかけた海岸で思いもよらない人物との再会を果たす。 その相手とは中学一年の夏に出会い、やがて恋をし、そしてもう二度と会えないはずだった少女だった。 人生とは斯くも残酷であり、だがそれ故に美しい。 ※この作品は小説投稿サイト「カクヨム」さん「アルファポリス」さんにも投稿しています※
更新:2023/7/19
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