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作:藤井論理

同級生を、買いました ~月額三万四千円のサブスク彼女はときどきサービスが過剰になる~

ディスコミュ男子である有永直司は、新しい家族になじめず逃げるように遠くの高校へ進学したが、学校でもコミュ障をこじらせて孤立。使う当てもない金をバイトで稼ぐだけの、青春とはほど遠い日々を過ごす、言わば青春難民だった。 そんな彼は、同じくクラスで浮いた存在で「ビッチ」「身体を売って金を稼いでいる」と噂されている小瀬水舞果に奇妙な親近感を持っていた。 ある日のバイト帰り、近道をしようと入りこんだ路地で直司は、中年男性に襲われそうになっている舞果を発見し、これを助ける。 ディスコミュ系男子の直司と自由奔放な猫系女子の舞果。タイプの違うふたりはしかし同じ青春難民同士、不思議と話が弾む。直司はここから青春が動きだしそうな予感を覚えたが、彼女は困窮しており、帰る家も頼る縁もなく、青春などと悠長なことを言っていられる状況ではないことを知る。 このままでは噂どおりの手段で金を稼ぐしかないと言う舞果に、直司は誰かに買われるくらいならと、自分が買うことを提案。しかし「手を出す気はない」と言う彼を舞果は不審がる。 「なにもしないのにお金だけもらえない」 「じゃあ、彼女になる……とか?」 こうして月額三万四千円のサブスク彼女となった舞果は、当初こそ固さを見せたものの、やがて本物の彼女のような言動で直司を戸惑わせるようになり、直司も自分にはない自由さを持っている舞果に惹かれていく――。 これは、お金を建前にしないとつながることができない不器用なふたりの恋の話。 ※『小説家になろう』でも連載しています

更新:2020/9/20

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