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タグ:光る目
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書籍化
コミカライズ
作:齋藤 一明
合掌造りの古風な家には、四代にわたる家族が住んでいる。 大晦日の今日は、囲炉裏の周囲に布団を敷き詰めて皆が枕を共にする慣わしだった。 家族とともに夜明かしすら許される大晦日は、一番年下の椛にとって、年に一度の楽しい行事なのだ。 夜が更けて、眠りを促す祖母に椛は昔話をねだった。 困惑げな祖母に代わり、曾祖母が話をすることにした。 「雪うさぎ」の話を望んだのに、曾祖母はなぜか「雪女」の話を始める。しかも、子供をおいて山へ姿を消した、その後の物語だった。 妹の椛、姉の楓、そして曾祖母の三人は頭から布団をかむり、真っ暗な中で話に引き込まれていった。 話が終わったとき、曾祖母の双眸が赤く光っていた。 姉の楓がギラギラと、妹の椛も淡いピンクの光を放っている。 二人の娘が初めて目を光らせたのだ。 それは、二人の由来を示しているのだが、それを証明するように母も祖母も赤く光る目をしていた。 神棚の横に納めた鏡を覗けば先祖に会える。 照明を落とした室内に、五対の赤い光が蛍のように乱れ飛ぶ大晦日の夜だった。
更新:2014/12/21
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