雪宮志乃が嫁いだのは、貿易を生業にしているという瀧川慶一郎という男だった。 女中なし、結納・祝言なし、盲目の祖母の世話あり。 そんな条件がある婚姻。 だが、妾腹の子である志乃は、父に逆らえず、瀧川家にやってきた。 初めて会う夫は、随分と酷薄そう。 そんな慶一郎は、さらに志乃に告げる。 「朝晩、わたしと口づけをかわすように」 夫婦なのだから、当然だろう、と彼は言うけれど。 そのくちづけにも。 瀧川家にも。 秘密があった。 架空の国の、架空の時代の物語です。 性描写ありのレイティングをつけていますが……。 そんなにきわどいのはありません。
更新:2021/4/17
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