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【R15版】破滅後の世界で君とともに

人権が失われ、種の温存が優先された世界で生きる彼ら

【物語は】 主人公のある思想から始まっていく。 ここで思想自体の面白さを知る。人類は危機に陥ると、種の温存が優先される。そのことについては簡単に想像がつき、納得いく回答だろう。 人が他人を傷つけようとする行為にむずびつく感情の一つ、”憎しみ”。これは余裕そのものなのかもしれない。 そう人口減少を抑えるためには、他人を憎んでいる場合ではないという事。そこまで余裕がなくなるという事は、この世界は未曾有の危機に瀕していると考えるのが妥当である。そんな背景でこの物語は始まっていく。 徹底管理された世界の中で、主人公は疑問を抱かずに過ごしている。最初の一文が意味する”今も”は何を指しているのだろうか。 【物語の魅力】 まずどのような世界観なのかが、語られていく。ある日を境に、世界は一変した。恐らく、危機を感じるほどの人口減少だったのだろう。人口を増やすことを最優先しなければならないほどに。そして人間が互いに近寄ることを許さないほどに。 世界観、舞台の設定が細かく、しっかりとしている。理由付けがなされている為、システムが理解し易い。この物語で興味深いと感じたのは、男女差である。確かに男性の方が、このシステムに疑問を抱き辛いのではないだろうか? 男性は直接、子を産むわけではないからだろうか。女性が自分で、産み育てたいという気持ちが湧くのも分かる。 この世界では、人が徹底管理されており人を増やすために導入されているパートナー型アバターというものが存在する。好み通りだから愛情を持つのだろうか。仮に好み通りだとして、楽しいと感じることが出来るのだろうか。 安心、安全を突き詰めていくと、こういう世界になるのかも知れない。とどのつまりは、人が接触しないことが安全であり、安心であるということだ。しかしながら、幸せとは比例しないと思われる。 【登場人部の魅力】 この物語の中心人物は、もちろん人間の男女なのだろうが、パートナー型アバターの思考も面白い。人間の二人は、考え方が対照的である。主人公の感覚はまとも。情操教育がきっちりなされているのだと思われる。 この物語の中で一つ疑問に感じるのは、多様性についてである。徹底管理と言うと、軍隊のようなイメージが湧く。同じような思想を持ち、機械のような。 彼らを育てたのは、アバターだ。人間ではない。性格は遺伝子、思想などは環境で決まるのではないかと思う。 育てたアバターに差異はないと想像するので、性格の違いは遺伝子によるものなのだろうか。色々と考えさせられることが多く、面白いなと感じた。 【物語の見どころ】 世界観の設定が細かく、何故こうなのかが明確であり、理解し易い。そして、必然性があるから、舞台設定が細かいのだという事に気づかされる。 そしてアバターが単なるAIではなく、人間同様の思考を持つこと。自分自身を人間ではないと理解しながら、人間に寄り添うことや相手の思想や感情を理解することが出来るという事だ。 そこが想定外であり、面白い部分であると思う。 人間同士である、主人公とお隣の住人の女性。彼らは思想や性格が正反対だ。主人公は相手を受け入れることが出来ない。しかし、女性は強引。しかも、相手が近場なら誰でも良いようである。 彼女の望みが理解できないわけではないが、少し自分の欲望に忠実過ぎる。その為うまく行かないのが、彼女の残念な部分。 この二人は、この後どんな関係になっていくのだろうか。 この物語は主人公と彼のパートナー型アバターとの物語である。この女性が二人に干渉、接触したことにより、主人公たちに変化が現れてくるのではないだろうか? あなたもお手に取られてみませんか? 彼らの導きだした答えとは? どんなラストを迎えるのか、是非その目で確かめてみてくださいね。 おススメです。

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crazy's7

凄惨たる魔王の黙示録〜目覚めると勇者になっていた魔王は、斯くして世界を救う。

真面目だから面白いという、斬新さ!おススメです。

【物語は】 勇者と魔王の一騎打ちにより始まる。 本編に入ると、戦いの結果が徐々に解明されていく。そして、主人公は驚愕する、自分の置かれている状況に。名前を告げて周りに信じて貰えず、記憶喪失と勘違いされてしまう。しかしそれは、彼にとって吉となるのだった。 【登場人物の魅力】 主人公だけがいつも通りの振る舞いをする。それに対し、周りは勘違い状態で進んでゆくのだが、そのすれ違い方が絶妙。 主人公の考えていることは周りにはわからないので、勝手に彼らが誤解し、主人公に振り回されていく。だが、彼にはそんなつもりは毛頭ない。 特に三話の辺りでは、おかしくて腹筋が崩壊しそうになった。 しかしこの後、ターニングポイントが訪れるのである。 主人公が我が道をひた歩く性格なのが面白く、物語にマッチしている。語が進むと、勇者ついてのプライベート部分が明かされていく。勇者に魂が入ってしまった主人公も驚くが、読者もびっくりな内容である。 ここで思うのは主人公が元魔王なだけあって、頭の回転が速いということ。しかし自分らしく振舞うと、周りの者たちから厨二病と勘違いされる。それはそれで面白いと感じた。 【物語の魅力】 物語の流れと展開が上手くできている。 戦いから一転、その結果を主人公は現状で理解する。そこにあったのは信じがたい現実。主人公は戸惑いながらも、自分を取り戻すため模索していく物語なのだ。 そして、その一歩は幸運にも直ぐに訪れる。 ここの展開も面白い。主人公と周りのズレが笑いに繋がる物語だ。しかも主人公を含め、周りの人物も皆が真面目である。真面目なのに、笑ってしまう。いや、真面目だから面白いということなのか。 魔力を失ってしまった主人公。見た目は勇者なので、勇者として戦うことしかできない。周りは主人公が、魔王であることを全く信じていないのに、”あるもの”はどうやら勇者でないことを知っているかのようだ。 そのせいで、戦闘中にピンチに陥るが、ある思い付きでピンチをラッキーに変える。このことが、更なる幸運を呼ぶ。もし、ここで思い付きを実行していなかったなら、自身の変化にも気づかない可能性があっただろう。 ここまで物語が必然性で展開されているのが、凄いと感じた。 【物語のみどころ】 魔法の詠唱が凝っているところも見どころの一つ。 冒頭ではチラッとしか出てこない、主人公の仲間の三人は個性的で、それぞれがツッコみ役も担っているのが面白い。誰一人として、主人公が魔王であることを信じない。それが魔族も同じであるという。まるで世界に独りぼっちのような状況だが、果たしてどうなっていくのだろうか? あらすじには”いずれ世界を救う事になる”とある。 知らず知らずのうちに世界を救ったその後に、魔王としての居場所はあるのだろうか?いろいろと想像や心配をしてしまう物語である。それは、主人公に愛着の沸きやすい物語でもあるということだ。 あなたも是非、お手に取られてみませんか? 主人公は力を取り戻した後、どんな選択をするのだろうか。 その目で確かめてみてくださいね。おススメです。

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crazy's7

放課後活動【短編】

ある放課後に起きた恋と友情の物語。

【物語は】 主人公が放課後、幼馴染みに声をかけようとしたら、もう一人の幼馴染みに止められるところから始まる。なんでも、その幼馴染みはある女子生徒に告白に行くらしいとのこと。 青春である。羨ましいくらいの青春だ。 友情っていいなと憧れを抱いてしまいそうな、幼馴染み三人の物語。 【登場人物の魅力】 主人公と、告白に向かう人物(坂やん)、主人公を止めた(時康)三人は幼馴染み。1P目でそれぞれの性格が垣間見える。主人公はどうやら、口が軽いらしい。二人のやり取りにより、気の置けない仲間であることが伝わってくる。 *気の置けないとは、遠慮や気遣いをする必要がないという意味である。 主人公は本当のことを言われているには違いないが、欠点を指摘されても明るい。そして幼馴染みとの和やかな雰囲気が崩れない。彼は素直な性格でもあるようだ。 主人公の性格が素直過ぎるために、起きる笑いが面白い。 特に、応援するか迷う部分。すかさずそこにツッコミを入れる幼馴染み。普段の仲良さも見て取れる。 大人になってから、友人関係になるというのは難しい。何故ならそこには利害の一致や、年の差が招じ始めることもあるからだ。確かに、社会人になって趣味の合う友達が出来るというのもあるが。 三人はそれぞれ性格が違い個性的。 主人公は、一見酷いことを言っているように見えるが、仲が良いからこそ言えることである。そんなことからも、三人はとても仲が良いと感じた。 【物語の魅力】 幼馴染みの恋を巡り、アイデアを出し合う主人公と、幼馴染みの一人である、時康。主人公が最初に幼馴染みの一人である”坂やん”に声をかけた時、彼は落ち込んでいた。しかしここからが本当の始まりだったのだ。 コミカルな部分もあるが、友情を感じるところが好きである。告白に失敗したところから、プレゼントを贈るというアイデアへ移る。このアイデアの話も面白い。初めに贈ろうとした商品への意見出し合いがあり、ほんとにこれでいいのかと吟味するなど、プレゼント選びの大変さが伝わってくる。 この部分での一番の魅力は、やはり三人の友人関係かも知れない。 持つべきものは友を地で行く。 【物語のみどころ】 あなたなら、純粋に友人の幸せを応援出来ますか? 幼馴染みの一人に好きな人ができ告白するということを、ひょんなことから知る主人公。もう一人の幼馴染みはその事を既に知っていた。 今回、好きな相手へ告白すると決めた幼馴染みに彼女が出来てしまうと、自分だけ彼女がいない状況になってしまう。 冗談を交え、葛藤しつつも協力する主人公。 コミカルに描かれてはいるものの、ほのぼのしてしまう三人の友情がここにある。その中でプレゼント選びの難しさと、恋への盲目さ。そして人の温かさなどを感じる作品である。 果たして幼馴染みの恋の行方は? あなたもお手に取られてみませんか? ある放課後に起きた恋と友情の物語。 学生時代にこんなことあったなと、青春時代に戻れる物語です。 是非読まれてみてくださいね、おススメです。

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crazy's7

私の中の社畜な悪魔

あなたは大丈夫だろうか? 暗にそんな問いかけも感じる作品

【物語は】 ある男が病院内で奇妙な体験をするところから始まる。 これが一体、本編にどう関わってくるのだろうか? 本編に入ると、外と中の温度差を比較という手法を使い表現している。このことにより外が、どれほど暑いのかを分かりやすく読者に伝えている。 主人公は病院に診察に訪れる前に、自分の症状を調べている。その為、医者から病状を告げられてもさほど驚かなかった。確かに、自分がいつもと違うと感じた時は、インターネットなどで調べたりすると思った。しかしそれは、安心したいという気持ちが大きい。知っていることにより、落ち着くというのはある。患者の心理にリアリティを感じた。 彼は、どうやら精神に問題を抱えてしまっているようだ。 【物語の魅力】 昨今では法律が厳しくなっており、残業にストップがかかったり、パワハラに対する注意喚起が強化されてもいるが、それでも弱者は強く出られないものである。どんなに法律が変わろうとも、ブラック企業がゼロになるのは難しいのではないだろうか。 時間が短くなった分、時間内の仕事量が多くなったり。中には、家に帰りたくないという人もいるように思う。人はいつもストレスにさらされており、それと上手く付き合えるかが、分かれ道なのかもしれない。 主人公は”社畜”と呼ばれる分類に入り、統合失調症となってしまった。この言葉自体は聞いたことがあっても、どんな病状なのか詳しく説明できない人もいるのではないだろうか。 この物語では、病状が詳しく説明がなされており、ぼんやりとしか知らなかった人も知識を得ることが出来る。拘りだけでなく、読者へ理解と注意喚起、どちらの役割も果たしている作品だと思う。 精神病棟というのは病院の中でも別の分類なので、お世話になることが無ければどんなところなのか知ることは出来ない。記事などで患者への扱いの酷さを目にすることはあっても。 この物語では、そういう知らない部分を知ることも出来る。 【主人公の魅力と運命】 主人公は病院へ診察へ赴く前に何らかの異変を感じていたはずだ。 段々と明かされていくタイトルにある、”悪魔”の存在。 この”悪魔”が統合失調症の症状の一つである、幻聴、幻覚なのかはまだ分からない。 モチーフが上手く使われていると感じた。自分が見せる何かなのか、それとも別のものなのか。コミカルに描かれてはいるが、入院の原因でもあるのだろう。しかし、これは物語の中ではターニングポイントと言って過言でないのではないだろうか? 主人公は、真面目である。悪魔の話に耳を貸そうとはしないところから”現実主義”でもあるように感じた。そんな彼が悪魔にとりつかれた為、入院をせざるを得ない状況に陥る。しかし、そこに事件が起きるのだ。 あらすじには、”主人公が精神病棟内で起こる事件を解決するべく、挑み続けた”と書かれている為、悪魔との出会いが必然であることが分かる。 主人公の性格は真面目、誠実、小心者。自己主張の苦手なタイプの方は、ストレスを溜めていないか、無理していないか自分自身に問いかけることも大切なのではないかと感じた。 【物語のみどころ】 統合失調症は、他人事では済まされないかも知れない、現代病の一つではないだろうか。それをモチーフに、コメディ要素も取り入れつつ、ミステリーをプラスした作品である。 あなたは大丈夫だろうか? 暗にそんな問いかけも感じる。 こういったモチーフを扱った場合、全体に重く暗くなりがちだが、この物語にはコメディを取り入れている。その為、興味を持った方が更に追い詰められるを避けられるのでないかと感じた。(これはあくまでも個人の見解です) 彼は望んで入院することになったわけではない。しかし、それがきっかけで、事件に遭遇し解決を目指すこととなる。 それは彼に良い影響を与えることとなるのだろうか? まだ、序盤の段階ではこの後の展開を想像することは出来ない。 あなたもお手に取られてみませんか? この物語の結末を、是非その目で確かめてみてください。 おすすめです。

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crazy's7

ブリッツ ~血(オイル)を求めるヴァンパイアを倒すもの~

ある出会いにより明らかになっていく事件の真相。主人公はどう決着をつけるのだろうか?

【物語は】 夢の中であるお告げを受けた男が、サーキットを作るところから始まる。それは出来上がるまでに数年を要した。このサーキットは本編にどう関わってくるのだろうか? 本編が始まると、この物語の重要人物の一人が登場。彼女は主人公の、この先の人生に影響を与えると思われる。 そしてもう一つ、彼の人生に影響を与えた出来事。それは父の再婚。このことにより、彼は愛車を手放すこととなる。自ら選択したこととは言え、身を切る様な想いだったろうと想像がつく。 大切なものを失った彼に、この後どんな運命が待ち受けているのだろうか。 【物語の魅力】 主人公の現在の状況よりも前から、物語は始まっている。それにより、これからどんなことが起きるのだろうか、という読者の好奇心を刺激する。 本編から主人公の視点となるまでの間に、別の人物から彼の過去の一部が明かされていく。少しづつ、主人公がどんな人物なのか分かっていく流れである。 主人公には、父の再婚相手との間に何かトラブルがあったことも明かされている。そしてこの再婚こそが、主人公が愛してやまないものへの決別と繋がる。 父の幸せを祈り選択したが、パーツをばらし、ノーマルに戻しから手放すという手間をかける行為は、情熱を諦めきれていないとも受け取れる。それが例え、自分では気づいていない潜在意識や深層心理であったとしても。 恐らくその気持ちがあったからこそ、ブランクがあってもレースに戻ることが出来たのではないだろうかと想像する。(熱が冷めてしまっては、戻るのが難しいと想像する) だがこれは、物語の始まりでしかない。ある女性、そして車との出会いが真のターニングポイントなのではないだろうかと感じた。 【登場人物の魅力】 主人公は、車やレース以外に興味を持っていないようだ。その事が後に、面白さもプラスしていく。レースに情熱をかけていた彼は、父の再婚を知り大切なモノを手放す。父の再婚相手が、以前トラブルのあった相手でなかったとしても、彼は父の幸せを願ったのではないだろうか。それと家の間取りや広さからして何人で暮らすには手狭だ。主人公が家を出ることになるという選択肢は、どの道変わらないと思った。 彼の父は、主人公が大切なモノを手放したことにより、罪悪感を抱えているように感じる。事情を知らない父はがそうなるのも無理はない。しかし子は遅かれ早かれ、いずれは旅立つものだ。この関係や状況は、変えられないの運命なのかも知れない。 主人公が、愛車を手放した後。 彼を頼り現れる人物には謎が多い。 彼女についてはゆっくりと明かされていくのだろうと思われる。 【物語の見どころ】 事情により一度愛車を手放し、再び車を手に入れてレースに出るところからが真の始まりなのではないだろうか。 主人公がレースから身を引いた後、レースには良くない噂が流れているという。それについて詳しく知るのは、ある女性がチューニングの依頼にやって来た後のこととなる。彼女との出会いは、主人公に何をもたらすのだろうか? 彼女の車をチューニングすると決めてから、詳しく知ったある事件の内容。 それは”レースにでた顧客の車が大破して持ち込まれた”その経緯についてである。その事により事態は変わる。何故なら主人公は、”かつて自分が倒した相手が挑発している”ことに気づくからだ。だがそのことに憤りを感じても、今の自分にはどうすることも出来ない。主人公は、どうやって道を切り開いていくのだろうか? あなたも是非、お手に取られてみませんか? 主人公はどうやってこの事件に決着をつけるのだろうか。 その目で確かめてみてくださいね。おススメです。

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crazy's7

ドーナツ穴から虫食い穴を通って魔人はやってくる

生半可な話ではない。必死に生き抜き、世界を変えようとする者たちの物語。

【物語は】 ある上位の王室付学術士の老人が、主人公を起こすところから始まっていく。 何かにうなされていたのか、”憎悪のこもった咆哮が荒野に響く”(作中の文を引用)とあることから、よほど悪い夢を見たのだと思われる。ここで老人は、近くの天幕で眠る王女が、今の咆哮によって目覚めてしまわないかを、案じていた。老人は汗の凄い彼に水などを勧めつつ、寝ぼけている彼に現状を説明。彼とやりとりの最中、案じていたことが起こってしまうのであった。 注*群像劇は全員が主人公という場合がある。レビュー上、初めての方にも、分かりやすく(伝わりやすく)するためにユゼフを主人公と記載しています。 【物語の魅力】 主人公(ユゼフ)と王女がどのような人物なのか、会話や話の流れなどによって分かっていく。 三話まで行くと舞台となる大陸のイラストが、添えられている。タイトルだけでは分らなかった”ドーナツ穴”。ドーナツが大陸の形であることが分かると、タイトルの意味が明確になって来る。 この物語には、古代の長さの単位が使われている。世界観を大切にするために、古代の単位が使われているのではないかと想像した。 その後、建国について詳しく説明がなされたり、一話に登場した”壁”について描かれていく。この作品は、しっかりとした土台を築き、自分の中に創造した世界を表現しているところが印象的だ。 この物語の中で”壁”がとても重要なものであり、オリジナル要素であることが分かる。ここに詳しく書くことは出来ないが、意外性の詰まったものであることは間違いない。この壁が果たして物語にどのように影響を及ぼしていくのか、とても興味深い。 【登場人物の魅力】 この物語は群像劇である。群像劇には二種のタイプがある。 この作品は各視点(登場人物)により、色んな角度から物語について描かれ、謎部分も明かされていくスタイルなのではないだろうか。 その中で、各登場人物にどんな役割分担があるのか。 これが直接、登場人物の魅力に繋がっていると感じた。特にそれを強く感じたのは、この国について良く知っている人物の視点で、世界観が描かれていくところ。必然性で物語が作られているのだと感じた部分でもある。 この作品は、生易しい物語ではない。かなり壮絶であると感じた。 主人公が王女を守る理由。彼女を守るために犠牲にしていくもの。王家に仕えるものが賭けるもの。 それぞれに使命があり、仮に虐げられていたとしても、それが全うすべき自分の人生であり運命である。 ある者は性を失い、ある者は辱めに耐え、ある者は命をかける。 生半可ではなく、それぞれが人生を賭けたヒューマンドラマだと感じた。 【物語の見どころ】 まず舞台や世界観に対する拘りが凄い。単位、王家のシステム。この中には古代の単位、宦官などが含まれる。宦官とは、男性の仕える相手が女性の場合、去勢をするという事。 オリジナル要素の”壁”についても細かく設定がなされており、分かりやすく説明されている。それがどのように物語に影響を及ぼしていくのかも、見どころの一つ。 主人公にとって守るべき王女が、人として尊敬に値しない。そこから産まれていく心理も、見どころだ。主人公はこの王女に忠義があって守ろうとしているわけではない。 彼はとても正直者であり、自分を曲げられない部分がある。それは周りから見れば、世渡りが下手に見えるだろう。しかし彼には、曲げられないからこそなし得ることがある。 そしてあらすじにも書かれている、”世界を変えたい! 若者達の強い想いが国を変えていく。虐げられていた亜人種が国を取り戻すために立ち上がる物語。”(あらすじより引用)ここが最大の見どころだ。 是非、あなたもお手に取られてみませんか? 過酷で壮絶な舞台、そこで必死に道を切り開こうとする彼らの物語を。 おススメです。

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crazy's7

聖女が戦えないなんて誰が決めたんですか? ~男装を理由に婚約破棄された令嬢、本人も大したことがないと思っていた実力を王子に買われて外国で実家再建~

無自覚チートヒロインのバトルもの

婚約者である戦わない王子の代わりに、男装し前線で身を粉にして敵を倒し続ける聖女であるヒロイン。そんなヒロインを疎んじ婚約を破棄する王子、彼女の力に目をつけ欲する隣国の王子、隣国からやってきた聖女3人の思惑が絡み合って大きな騒動になっていく。 ヒロインのチート具合が凄すぎる、かつ、本人の無自覚っプリが突き抜けているせいで、いろんな人との「あなたはすごい」「そんなことない」という旨のやり取りが、クドいというか茶番に見えてしまって若干萎える。 恋愛も、そういう方面に疎いという設定のため最後までごくごく薄味で、ヒーロー自身にも正直言って惹かれる要素がこれといってなかったせいで、二人のやり取りにトキメキ的なものは皆無だった。 バトル部分も、色々な要素を詰め込んで一気に放出しましたといった感じで急展開感が否めない。 見た目コッテリな料理がかなりの品数詰め込まれてるけど、食べてみたら全部同じ味でしかも薄味だった……みたいな残念さが際立つ作品だった。

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亜夜

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第一部は俺様王子編。 傲慢俺様なイケメン王子が『良い』と思えるのは、ヒロインが王子のことを好きになることが前提かつ、ヒロインとのふれあいで傲慢で俺様なだけではない王子の奥底にある良さ等が見えてくるからであって。 ヒロインに好きな人がいて王子のことはこれっぽっちも好きではない場合、権力と自身の魔法の力に物を言わせて人の話を聞こうともせず迫ってくるような俺様っプリは、『キュン』とするどころか『ただただ壮絶に面倒くさい』としか思えないんだな……と乙女ゲーマーとして目から鱗が落ちる思いがした。この手のタイプは乙女ゲではわりとメイン攻略対象として存在するので……前提と視点が違うとここまで意味合いが変わってくるのか……と。 王子の言動と彼自身が迷惑でしかないヒロインと、王子に憧れているヒロインの友人との会話での分かりやすい見え方の違いにめちゃめちゃ納得した。 第二部は俺様王子の弟の腹黒王子編。 第一部は学園内でことが収まっていたけれど、第二部はガッツリ王家が絡んできてヤバさが一段とアップ。 人の話を聞かない第一王子の次は、やはり人の話を聞かない第二王子に王妃と、この国の行く末が非常に不安になる。 が、番外編で第三王子が登場し、なんとかなるのではないかと一息つける。 物語全体を通して会話のテンポがよいので読み進めやすく、最初から最後まで一気に楽しく読めた。 いつも全力で好きを押し出すシャリーナと、困惑しながらも段々惹かれていくリオルの二人が可愛い、物凄く可愛い。 見た目は地味なガリ勉少年で、しかも魔法が使えないという欠点があるけれど、シャリーナの為に己が頭脳と持てる力を全力で使って戦うリオルは本当にカッコイイ。

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