ミッドナイトウルブス ~ボクの隣の走り屋の話~
峠を攻める公道レースの名作と言えば「頭文字D」だが、自分の中ではこのミッドナイトウルブスもその一つに数えられると思っている。 公道バトルは迷惑行為だとどこか冷めたような主人公の態度とは裏腹に、登場人物は誰もが真摯に「速さ」を求めている。 そして、かつて「八神の魔術師」と言われた主人公の走りが、丁寧な描写で書かれていて、読むものを思わず引き込ませる。 なろう小説の中では異色を放っているこの作品だが、読んで損はない名作です。
- 作品更新日:2012/7/7
- 投稿日:2021/7/9
██▚ 現代魔術は異世界をクロールするか : 数理科学による魔術の始め方 ▚██
第一印象、訳が分からない。 自分は腐っても理系だから、並みのSF考証とかはまあまあ分かっちゃいますけど(笑)と調子に乗っていたら一瞬で置いていかれる。 科学をなめんな、ファンタジーという言葉がこんなに似合う作品はない。 意味が分からないんだけど、分からないのが心地いいというか、全力で崖の下に突き落としてくるのに、それが面白いというか、なろう系ファンタジーでこんな作品に出合うなんて夢にも思わなかった。 大学で理系の勉強をしてきたことがある人だったら、あの知識だ、と懐かしい気持ちになる良作です。
- 作品更新日:2021/12/10
- 投稿日:2021/7/9
そこにカイロスはいるか?
主人公が死に戻り続ける、いわゆるループもの。 今まで善行も罪もとくに行っていない彼には生き返れるチャンスがある、と怪しい女(自称死神)から告げられた主人公は、あれよあれよと死んでは再びおなじ一日を繰り返す。 生き残る条件は、その日一日を死なないで過ごすこと。 無気力・無感動・無関心の主人公が、個性あふれるみんなと同じ一日を繰り返すうちに、少しずつ変わっていく様子をふくめて、この作品の空気をぜひとも味わってください。 主人公の成した事は、たとえだれの記憶に残らないとしても。
- 作品更新日:2010/3/14
- 投稿日:2021/7/10
【RTA】ヨブ記・脳筋ルート最速攻略チャート!【完結】
異世界から帰ったら江戸なのである、の作者の短編。 ヨブ記を最速で攻略してみよう……とかいう頭おかしい発想で物語がはじまる。 案の定キ○ガイムーブをかますヨブと、そのシュールな絵面が笑いを誘う。 最後のwikiの文章が秀逸。聖書の知識も得られるので、ぜひご一読ください。
- 作品更新日:2020/1/1
- 投稿日:2021/7/12
玉葱とクラリオン
玉葱とクラリオンは、何度もスコップされてきた名作です。 コミカルなキャラクターの掛け合い、よく調べられてきた内政の知識の数々、主人公によってどんどんと発展する技術と、そしていつの間にか魔力の仕組みに迫っていく作品展開。 玉葱とクラリオンは、書籍化されていないながらも、なろう小説の中でも屈指の良作だと思うので、ぜひとも読んでください。
- 作品更新日:2024/2/15
- 投稿日:2021/7/31
詰みかけ転生領主の改革(旧:詰みかけ転生領主の奮闘記)
享年29歳の男――人生をドロップアウトするには早すぎる死だったが、気が付けば領地を持つ上級貴族の息子、ソラ・クラインセルトとして転生していた。 ――主人公の両親が統治する場所は、賄賂に横領、重税、領主軍を使っての領民拉致&奴隷化etc……。 眼前に広がるのは、豚領主(父親)によって破滅寸前まで追い込まれた“詰みかけ領地”! ソラ・クラインセルトはこの状況を巻き返せるのか!? まさかの二歳児が挑む、領地改革ファンタジー登場。 ///// なろうを昔から利用している人なら見たことがあるかもしれないこのタイトル。 二歳児が内政なんてできないだろ、なんて思ってしまって、当時は読まなかった記憶がある。 けど改めて読んでみて感動してしまった。 安心してください、二歳なのは最初だけです。 というより二歳がどうのこうのなんて気にならないぐらい物語が面白い。内政の知識ももちろんだけど、主人公が選び取った最後のエンディングの形まで含めて、すべてが綺麗にまとまっていて面白かった。まさに最高の終わり方だと思いました。
- 作品更新日:2015/4/10
- 投稿日:2021/7/9
幻想再帰のアリュージョニスト
主人公は、隻腕のサイバーカラテ使いシナモリ・アキラ。 そしてもう一人の主人公が、駆け出しの修道騎士 兼 言語魔術師アズーリア・ヘレゼクシュ。 この作品は徹底して、引用の物語です。 神話や伝承を引用して強くなる。強そうなものを引用して強くなる。たくさんの意味を引用して強くなる。 そうやって引用すること、引用されることが力になる、というのがこの作品の根幹をなしています。 この作品は、第一章を読んで文体の軽妙さ、そして描写の丁寧さなどを感じ取ってください。 第二章の呪術バトルから、ぐいぐい引き込まれてハチャメチャで心躍ります。 そして第三章の「3-30 その名はサイバーカラテ」がめっちゃエモい。最高。この作品はこのためにあったのか、と思うぐらいに打ちのめされました。 以下のURLを参考にしたほうが分かりやすいかも。 https://orangestar.hatenadiary.jp/entry/20140911/1410362782
- 作品更新日:2024/4/1
- 投稿日:2021/7/10
異世界クイズ王 ~妖精世界と七王の宴~
かつてクイズ王と呼ばれた男、ユーヤこと七沼遊也。 彼が目を覚ましたとき、そこはクイズと妖精が支配する世界、ディンダミア妖精世界であった。 彼を召喚したのは小国の姫、エイルマイル。 この世界で、七つの国の王が競う巨大なクイズ大会が開かれる、それに出場してほしいと告げられる。 しかしユーヤは困惑する、言語は通じるものの、異世界の知識などまったく持っていなかった。 そんなとき、ある人物から決闘を申し込まれる。果たして経験と技術だけを武器に、異世界で勝ち抜くことができるのか――。 ///// 異世界でクイズなんて、そんなのできるわけないと思っていました。 この作品からは、まさにその先入観を覆す「クイズの経験と技術」がたくさん出てきます。 何より、ファンタジー小説として読んでも面白い! なろう小説の中では異色の作品でしょうけど、話の展開は手に汗握る王道バトル物語になっています。 クイズの世界ってこんなに面白いんだ、と気付くことになった作品です。ぜひご一読ください。
- 作品更新日:2019/4/24
- 投稿日:2021/8/13