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カクヨムファンタジー連載:45話完結

踊れ、踊れ、フラミィ

泡に守られるようにぷかりと海に浮かぶ美しい島。 老婆の姿の踊りの女神、ルグルグによって守られるこの島は、踊りを愛し、踊りを神に捧げる習慣があります。 けれど島の踊り子フラミィは、他の踊り子のように上手く踊ることができず、とうとうある事件により、踊ることを禁止されてしまいます。 悲嘆にくれる彼女の前にルグルグ婆さんが現れ、老婆の体ではなくフラミィの若い体が欲しいと言います。 けれど、ルグルグ婆さんはフラミィの足の親指の骨が欠けていることを発見し、そのために上手く踊れなかったのだと分かります。 フラミィはルグルグ婆さんに言われるまま骨探しを始めますが、そんな折、外の世界から一人の若者が飛行機に乗ってやってきます。   フラミィをはじめ、骨探しを手伝ってくれる弟分のタロタロや島に興味津々の若者パーシヴァル、島で最も優れた踊り子で高慢なエピリカ、フラミィのママ、島の長・オジーなど、様々な人々の心に触れながら、物語は島の、フラミィの、世界の深部へと読み手をいざなっていきます。   魅力的なところがありすぎて、何から書けばいいのか分からなくなりますが、中でもまず触れたいのが、人々の描き方です。 主人公のフラミィは心根の優しい少女だけれど甘ったれなところもあり、エピリカは意地悪で高慢に見えるけれどその心は外からはかり知ることが出来ないほど深淵にまで続いています。 フラミィのママの娘への愛情は分かりやすい優しさや信頼として表れてはいませんが、それが確かなものであることもしっかりと感じ取れますし、善良なパーシヴァルの内にも島や世界に対する複雑な思いが垣間見えます。 女神ルグルグ婆さんでさえ、とても人間味があり、利己的な(そして面白い)老婆かと思いきや内側には優しさも秘めています。 決して、人々は一面的には描かれていません。 彼らは多角的に、けれど優しさと理解を持って描き出されています。 そこから、物語の深さとそこで息づく者たちへの愛情を感じ、たいへん心惹かれました。   独特の世界観も、もちろん特筆に値するもので、踊りの島の風習やそこで信じられている神々の存在、生き物たち、広がる景色、全てが美しく優しく時に残酷で、魅力にあふれています。 その世界で動くキャラクターがいきいきと、ありありと目に浮かんでくるのは、筆力もさることながら、しっかりと構築された世界観と生きる人々の姿がしっかり呼応しているからでしょう。   物語もたいへん素晴らしいです。 フラミィの成長物語としてみてももちろん十分に読み応えがありますが、それに留まらず、島に伝わる神話や秘密、生き物、巡る命の不思議、そしてフラミィを取り巻く一人一人の心全てが見事に繋がり重なり一つの物語を織り成しています。   このお話を読めて幸せだったと思える作品でした。

5.0
  • 作品更新日:2020/1/25
  • 投稿日:2021/7/10
小説家になろうファンタジー短編完結

雨の国

かなり前、恐らく8〜9年くらい前に読ませて頂いた作品ですが、今でも心に残っている1作です。 というか、この作者さんの作品は大抵心に残っています。 冒頭から丁寧な描写で、ゆっくりと物語に引き込んでくれます。 語られる雨の国の素朴な生活や人々の描写も興味深かいものでした。 こういう風に、その土地そのものや、そこで生きることの意味をしっかり作品から感じられるところが本当に素敵だなと思います。 それに、何より、仕方なしに生まれていったしきたり、考え方を否定するような結末にならずに、逆にその土地で培われた少年や少女の優しさや強さがラストから感じられて、とても良かったです。 最終的に肯定にも否定にも結論をつけられない主人公の立ち位置も良く、主人公ではなく、主人公を通して「異国の地」を描いているという印象の作品です。 そのおかげで、読み手も偏った見方ではなく、ある種、その多くの風習に敬意を持って読めるのが、いいな、とも思いました。 ラストに垣間見える希望、未来への期待も心地よかったです。 個人的にはイアン君が好きでした。 やさしそうじゃないのにやさしい男の子って、いいなと思います。 読ませていただいたことを感謝したい作品です。

5.0
  • 作品更新日:2011/11/13
  • 投稿日:2021/7/18
小説家になろうヒューマンドラマ連載:6話完結

きんきらきん

きんきらきん、という無垢なイメージの言葉が、けれど、これでもかといういたみを伴って発せられるその感じに、心をつかまれました。 きらきらしているものを羨み妬む心のやり切れなさが、ものすごい破壊力を持っていて、最初に「きんきらきんだねぇ」と口にした、擦り切れたわらじを履く名前もない男の心に、ひどく気持ちを揺らがせられたように思います。 だからこそ、物語の中で起こってしまった悲劇にも、ただ犯人が憎いと言うよりももっと、複雑で悲しいような思いがわいてきて、やはりやりきれない。 ストーリーは、途中復讐の方向に向かうのかとも思わせつつ、そうはならないところが、個人的にはポイントなのかなと思いました。 恨みを晴らす、というありがちな方へ向かわずにも、読み手を満足させる仕掛けがなされていたと思います。 そして、最初に差し出された「きんきらきん」にまつわる色んないたみを、最後までずっと大事にされていて、きんきらきんであることも、きんきらきんを外から眺めることも、どれも辛いのだということが、広い視野からよく表現されていたと思います。 そして、それぞれのいたみをいとおしむようなラストは心が震えるようでした。

5.0
  • 作品更新日:2018/6/22
  • 投稿日:2021/7/12
小説家になろう恋愛完結非公開

春を告げる花

ストレートだったはずなのに、男友だちから告白されたことによって揺れ動き出す主人公の感情が、とても丁寧に描かれた作品です。 ちょっとした感情の機微から感じられる気づきや不安やときめきが、ゆっくりと変化していくこころ模様を表していて、読みながら主人公の内面へ入っていくことができます。 植え付けられた常識から、最初は同性愛に対する嫌悪感に駆られてまうけれど、それが変化していく様がとても丁寧に綴られていました。 孝弘が将来の夢を語る場面は、とても感じ入るものがあります。 主人公が漠然と考えていた「将来」と孝弘が語る「将来」。 全然ちがうけれど、後者の幸せな未来を想像できてしまう。 けれど、読み手には、前者は簡単に手に入れることができるけれど(彼の場合縁談がうまく行きそうなので)、後者は決してそうではないと分かっているので、そこに大きな切なさを感じました。 常識的な「将来」とそうではない「将来」の間で揺れる感情のリアルな感じがとても良かったです。 主人公いたしかたがないの弱さ、ずるさというのがきちんと描かれていたのも好きでした。 恋人になるのは怖いけれど、親友は失いたくない。 大切なものを守るためと思い込もうとしつつ、本当は常識から逸脱するのが怖かっただけ。 そういうところに、しっかりとした洞察があって、読んでいてハッとさせられます。 とても素敵な作品です。

5.0
  • 作品更新日:2018/1/8
  • 投稿日:2021/7/12
カクヨムファンタジー連載:71話完結

キメラの島

大人向けハイファンタジーとして緻密かつミステリアスに作られ、且つ年頃の少年(少女)が大人へと変化していく時の心の震えを、そのファンタジーの中で見事にとらえた作品でした。 大人へと変わっていく自身の体の変化や、自分が何者なのかという疑問を模索しようとし始める心。 そういったものが淡々とした語りの中で鮮明に輝いています。 また、ファンタジー設定そのものが、そういった変化と密接に関わるように作られていてたいへん面白いです。 「自分の正体」が物語の謎そのものでもあるため、オムホロスとルー(ケセオデール)がそれぞれの戦いや旅を通して答えに近づいていく様にはぞくぞくとするものがあり、読めば読むほど目が離せなくなっていきます。 ゴドウとの間に生まれた愛情と同情によるやりきれない関係。 自身が何者であるかという疑問がそのまま大きな謎に繋がっていく様。 同類である師と殺しあわなくてはならないという恐ろしい宿命。 様々なものがたいへんな迫力と魅力を持っています。 また、節々に見られる心の変化や気づきの繊細さにもとても感銘を受けました。 特に、疎ましく思っていた夫の包容力にルーが初めて気がつくところだとか、自らが愛おしい女性と対峙したことで自分を愛おしんだ男たちの心を悟るところだとか、そういった部分はとても心に残ります。 旅の途中で出会う人々も、それぞれにきちんと背景があることが感じられました。 そのおかげで、作品世界がとても豊かになっています。 メインキャラクターだけの物語ではなく、彼らは世界の一部であり、作品世界はもっと大きいのだと感じることができるのです。 描写や文章も素晴らしいです。 五感に訴えかける文章のために、映像や雰囲気が見事に立ち上がってきました。 とても優れていて、面白く、心に刺さるものもあるファンタジー作品で、読めて良かったと心から感じました。

5.0
  • 作品更新日:2017/2/7
  • 投稿日:2021/7/12
小説家になろう恋愛短編完結

今から蝶を吐きます

愛と苦悩を秘めながら過ごした何十年という月日の孤独が、3500文字の中にしっかりと込められていて、素晴らしいです。 作中には「僕」の思いがギュッと詰まっているのですが、特に「アナタの、僕との枝分かれの先に咲いた、花」というのがひどく刺さりました。 赤ちゃんをかわいいと、美しいと、神々しいとさえ思うけれど、それは自分と「アナタ」の間のものではない、というそこに大きな孤独が見えた気がします。 赤ちゃんの手を引いて「アナタは孤独じゃない」と語るその裏に、「僕」自身の孤独が感じられ、「僕は孤独だ」と直接書かれるよりもずっとずっとその孤独の重さが伝わってきたように思います。 そうしてそれが葬式の場面にも繋がっていき、気づけば「アナタ」はたくさんの子どもや孫に囲まれていて、そこに「僕」の入る隙間がない。 長い月日、共有できなかったものの重さが感じられました。 けれど、ここに孤独が極まったかに思えた時、「僕」が吐き出した蝶がとても鮮やかに作品を色づけてくれました。 枝の先に美しく咲き誇った花たちとは違う、二人だけの愛の形というのが鮮烈に視覚化されていましたし、それまでの長く深い孤独の先に描かれたからこそ、ささやかでもとても切なく印象的でした。 また、「僕」が可哀想なだけでなく「アナタ」の両親が亡くなったことを密かに喜んだり、赤ちゃんに対して皮肉めいたことを言ったりと、感情の生々しさが見えたのも、良かったです。 リアルな感じが強まって、より語り手に寄り添えた気がします。 最後に、私は「ブロークバック・マウンテン」という映画が好きなんですが、この作品を読んで、なんだかちょっと思い出しました。 ホモフォビアが当然の社会の中で、カウボーイ同士のの二十年に渡る愛を描いた作品なんですが、題材だけでなく、長い月日の重さと苦悩が近い気がして…。 映画オタクなので、好きな映画を彷彿とさせてくれたという意味でも、とても心に残る作品でした。

5.0
  • 作品更新日:2017/7/13
  • 投稿日:2021/7/13
小説家になろうSF連載:14話完結

マルゴ・トアフの銀の鳥

ネット小説を読んで、いいな、好きだな、うまいな、と思うことはたくさんありますが、本気で読み終わった後に「ああ、もう終わってしまった」と寂しさを感じることは実はほとんどありません。 それは、私自身が長めの作品をあまり読まないからというのもあるので一概には言い切れないのですが、とにかくこの作品を読んだあとはそこまで感じました。 色々すごいなと思うところはあるのですが、キャラクターの描き方が作品全体に与える影響。 これがこのお話の中で、特に大きいのではないでしょうか。 ざっくりとしたキャラ設定自体は、見たことあるような印象でも、それをステレオタイプ化したり、単純化したりせず、きちんと一人一人を見つめて書いてらっしゃるように思えて、それがとても私は好きでした。 別に変わったことをしようとしなくても、しっかりキャラクターと向き合うことで彼らには個性が与えられるし、奥行きも出てきます。 また、そうやって様々なキャラクターを通して多角的な視点から物事を描いているため、ストーリーの言わんとすることが押しつけがましかったり説教臭かったりせず、読んでいるうちにすとんと内側になじんでくる感じでした。 ガリガリ自分の言いたいことを押しつけるのではない、一歩引いた描き方は、いち書き手としても、できるようになりたいなと思います。 設定、世界観の提示の仕方もお上手です。 とても緻密に構築されていて、けれど、それぞれのキャラクターを通して小出しにされていき、自然とどういう世界であるかが入ってきます。 個人的にはハーヴェイとリオのお兄さんが好きでした。 みんな良かったんですが、特に。 取り留めもない感想ですが、とにかく素晴らしい作品でした。

5.0
  • 作品更新日:2012/8/11
  • 投稿日:2021/7/22
カクヨムその他連載:4話完結

適当女は性悪姫を笑わせたい

周囲にあまり興味を抱かない語り手。 けれど、高校生の頃、一人の女子生徒に関心を持ち、自ら声をかけるようになります。 彼女は、ある理由によって周りから避けられていました。 語り手の言葉には、この感覚分かる、と思える箇所が非常に多く、この年頃の女子の感性、周りとの関係性がとても良く表現されていたように思います。 興味が無い、けれど多少は興味があるように振舞っておかないといけない。 多かれ少なかれ集団生活の中で感じ得る倦怠感と打算的な人との関わり方がリアルで、だからこそ、そういう張り詰め方から解放される「黒姫」との間にある気楽さがよく分かります。 個人的な感想ですが、私自身がそういう「面倒くささ」を常に感じてしまう質なので、語り手の感じ方には非常に共感しました。 二人の間の、ベタベタしてはいないのに唯一無二である繋がり。 そこへ、面倒くさい周りの人間の面倒くさい目が注がれてしまう面倒くさい展開。 語り手の嫌気がよく伝わってきました。 見どころは、やはり最終話でしょう。 シンプルなメッセージには、けれど飾り立てられた言葉どれよりも真摯な思いが込められていて、語り手の心へまっすぐ届いたことが分かります。 届いたそれを打ち返すような返事も、また、ずっと言いたくて言いたくて仕方がなかった思いだったのだろうなと感じられます。 衒ったところのない、外連もない、言葉のやり取りは、上辺だけでの付き合いが溢れている環境の中で、とても気持ち良く響きました。 作品を読んでから改めてタイトルを見ると、なんというか、本当に笑わせたいんだな、と思えて、それもまた味わい深いものでした。

5.0
  • 作品更新日:2021/1/16
  • 投稿日:2021/7/10
カクヨム青春・ヒューマンドラマ完結非公開

血と糞

語り手の「俺」(五郎)は、亮太、裕也(と一雄)と共にヤクザ事務所から逃亡し、亮太の実家の蕎麦屋に住み込みで働いています。 特別、不自由なこともなく、ダラダラ仕事をサボりながら、それなりに生活していますが、「俺」はなかなかヤクザ事務所での生活を忘れられず……。   嫌気が差して逃亡してきたはずだったのに、ヤクザ事務所のことが、そこでの劣悪な生活や人間たちのことが、忘れられない、というのがたいへんよく伝わってきました。   カラスが真っ赤に染った夕の空へ帰っていく様には、不穏さ、禍々しさがありながら、一方では語り手自身がネオン煌めくヤクザ事務所への帰郷を望んでいるような気配をうかがわせます。 青く広い空の元で気持ちよくタバコを吸っても、蘇ってくるのはシケモクを吸わされていた頃の記憶。 捕まって銃殺される幻覚を見ても、恐怖にかられるどころか、死んだようだった心に活力が満ちてきてしまうほどです。 語り手の心の芯は、あの生活に染まってしまっている、あの世界の中でしか生きられない、というのが本当によく分かりました。   心地よい平穏な暮らしに溶け込めない、溶け込むふりも上手くできない、そういう様子が感情を排したドライな文体から滲んできて、その行間にはなんとも言えない虚無感、やりきれなさ、そういったものが詰まっています。 友情という湿っぽい言葉は似合わない、逃亡仲間との関係も好きです。 仲良しではないし、お互いのことをよく知ってさえいないけれど、みすみす見殺しにもしたくない、という感情がリアルで、水びたしでない所がとてもいいなと思いました。   会話の節々におかしみがあるのも、それぞれのキャラクターがよく出ているのも、良かったです。 やり取りを読んでいて、こういう会話も人も、どこかに存在しそうな気がしました。   ラスト、最後まで見せないところも、余韻があり、語彙力がないので上手く言い表せませんが、すごくかっこ良かったです。

5.0
  • 作品更新日:2020/2/16
  • 投稿日:2021/7/13
エブリスタファンタジー連載:8話完結

龍の愛し子たち

綺麗にまとまったお話であり、また、キャラクターの一人一人が生き生きとし、体温が感じられる素晴らしい作品でした。 特に、キャラクターはとても良くて、一人一人の心模様がしっかりと伝わってきました。 個人的なことですが、子どもの頃に観ていたアニメ『るろうに剣心』を大人になってから見る機会があり、このお話に登場する弥生くんが『るろうに剣心』の弥彦を彷彿とさせるキャラクターで、なんだ勝手に嬉しくなってしまいました…。 小さい体で、それに似つかわしくない虚勢を張って、必死に何かを守ろうとするところが、すごく弥彦な感じがして好きです。 登場する重要なキャラクター、鴉(雅)の境遇や、それゆえ男たちの卑しさになんとか溶け込もうとしてしまう気持ちの悲痛さも、よく伝わってきます。 それが卑しいことだとは分かっていながらも、そうするしかない、むしろ辛くとも自分でそうやって居場所を作ることを、強くなる、ということだと考えているのがよく分かりました。 主人公である桜に関しては、これだけ「良い人」であると、どうしても作品として嫌味な感じが出てしまうことが多いように思いますが、読んでいて全くそういう風には感じられませんでした。 彼女だけが正しく、優しい訳ではない、他の人物の言い分や感じ方にもしっかり寄り添える筆致だからだろうなと思います。 構成面も、とてもお上手です。 冒頭の守護神の龍のくだりも(タイトルにもなっているので当然かもしれませんが)終盤で、桜がなぜ人々に親切にせずにいられないのか、という重要な点でしっかり掬いあげられていましたし、冒頭の何気ない場面が終盤に繋がってくる、というのも良かったです。 ここはちょっと綺麗すぎる、というか、予定調和かなという気がしないでもないのですが、それでもやっぱりそうなってくれるよね、という安心感、王道としての良さがあったと思います。 賭けの流れも何となく読めてしまいましたが、これも、ほらやっぱり!というカタルシスがあり、むしろ気持ちよく読めました。 お話として、隙なく、よくまとまっています。 文章もたいへん読みやすく、長さは全く感じませんでした。 難しい言葉は使われていませんが、語彙も表現も豊富だし、リズムも良くて心地よく読めます。 キャラクターひとりひとりに温かさを感じる、優しく、けれど洞察にも優れた素晴らしい作品です。

5.0
  • 作品更新日:2019/9/8
  • 投稿日:2021/7/12