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カクヨムファンタジー連載:11話完結

見えない都市

不思議な青年が語る「ある都市」にまつわる物語です。 かといってその物語は極めて具体的なものではなく、その都市の様々な概念、人々の思想、自然との関わり……などの抽象的なものですが、これを語る文体が非常に麗しい。 そこからは、哲学的、または宗教的な美や知さえ感じます。 決して長くはない物語の中から、その都市から醸し出される「世界」いや、「宇宙」が広がっていく様子。 そこからは、この作品は、書き手の教養の奥深さなくては成立しえない物語、と感嘆せざるを得ません。 古代神話を読んでいるかのようにさえ感じる、溜息ものの作品です。 人間の想像力とは、斯くも豊かで美しい。 多くの方に読まれてほしいと心から願います。

5.0
  • 作品更新日:2021/3/14
  • 投稿日:2021/7/12
カクヨムファンタジー非公開

追憶の

柔らかなものがたりの語り口。 そこから、非常に穏やかでメルヘンチックな物語かと思い読み進めると、大いに良い意味で裏切られます。展開は、残酷で、非情で、示唆に満ちていて。 けっして、口当たりの良い物語ではありません。 長い物語ですので登場人物がそれぞれ抱えた謎には容易に到達しませんが、 それらを丁寧になぞっていくストーリー展開が続きます。 ですので、まずはその文章の「誠実さ」を感じて下さい。 また、そのなかに何の伏線が隠されているのか、 一言も逃さぬよう必死に目に留めて紐解いて読もうという気持ちになります。 なので、是非ゆっくりじっくり読んで下さい。 そうしないとこの作品の魅力は減してしまうと思います。 そして作者の、この世界に込めた善と悪も、やさしさと非情さも、妥協せず、率直に表現してみせようとする姿勢に感銘を受けて下さい。

5.0
  • 作品更新日:2021/12/1
  • 投稿日:2021/7/10
カクヨムファンタジー連載:48話完結

Somewhere, Nowhere 〜ここではないどこかへ〜

かつて人間と精霊との大戦によって荒れ果てた世界。 その世界を護るための「呪い」がいま、巡り巡って愛する人を死にいたらしめる… 壮大な世界観も魅力ですが、何より染み入るのは 誰かを愛することに対する、登場人物たちの矛盾と執着と焦燥。 軽妙な台詞回しからも、各人の想いがにじみ出て、読んでいて その奥深さは時に、心が苦しくなるほどでした。 これは只のファンタジーではなく、人が交わす究極の情愛の物語。 深く誰かを愛したことがある人には、刺さること請け合いです。

5.0
  • 作品更新日:2021/1/21
  • 投稿日:2021/7/10
カクヨム歴史・時代連載:170話

人間のアシェイムド

平成(令和でなく)から昭和、それも太宰治や中原中也といった名だたる文豪が登場する昭和初期へのタイムスリップ・ストーリー……なの、です、が、そう一言で纏めてしまうと、非常に軽薄で書き手に申し訳ない気がするのはなぜでしょうか。 それは、私の個人的な感想となりますが、特に第三部になって深まる、各登場人物が共鳴することで醸し出す「人の業の重さ」「人生の皮肉」にあるのかなと。 そして、そこに至るまでの、主人公や文豪、その他の登場人物の肉付けの厚みは、そのまま物語の厚みに繋がっていて、ただのタイムスリップものにはない説得力と、凄みを醸し出しています。 さらに、時代考証も非常にしっかりしており、読んでいるとまるで自分も昭和初期に生きているかのよう。 そんな、徹底して作り込まれた世界観と、文脈から、書き手のこの作品に賭ける執念のようなものを感じ取るとき、「これはものすごい作品を手にしてしまった」と思わずにいられないのです。

5.0
  • 作品更新日:2022/4/19
  • 投稿日:2021/7/14
カクヨムファンタジー連載:122話

物語終了課

「物語終了課」という部署に所属している公務員、本間。 彼の世界では、エタった物語は「暴走して人を飲み込む」。 そのため彼は今日もエタった小説を終了させるために奔走する。 そのストーリーに織り込まれるは、一癖も二癖もある個性的なキャラクターたち。 彼ら彼女らが「物語」をめぐって、コミカルに時にシリアスに関わり合い、物語世界を縦横無尽に駆け巡る。 設定の面白さにしっかりと支えられたストーリーは読み出すと止まらない面白さ。 「ああ、こういう物語あるある」と頷きながら読めば、あっと今に読了してしまい最新話の更新が待ち遠しくて仕方なくなる。 私にとって、web小説の可能性を教えてくれた大事な大切な作品です。 ……と、ここまで書いておいて何ですが、この作品の面白さはレビューじゃ伝えきれません。 「読めば分かるさ!」 もうその一言に尽きるかと。

5.0
  • 作品更新日:2022/6/1
  • 投稿日:2021/7/10
エブリスタヒューマンドラマ連載:8話完結

私のカタチ

出会いもあるし、別れもある。 だけどそれが物語の全てではなく。 事件は起きるし、主人公のターニングポイントになるような事故もある。 だけどやはり、それもドラマチックに物語を掻き立てるものではなく。 平熱のまま、つまりは、主人公の体温そのままの熱で、ストーリーが運びます。 「どこにどう熱を持って、人生を辿れば良いか」 毎回、更新のたびに、常にそう問われていたような読後感がありましたが、 ああ、ただ、平熱のままで生きるだけで、 人間は十分な生き物なのだと最後まで読んで腑に落ちました。

5.0
  • 作品更新日:2020/11/30
  • 投稿日:2021/7/10