帰宅すると、そこには一人の少女がいた。 独り暮らしの学生島崎葵はその光景を前にし、真っ先に空き巣を疑った。少女を問い詰め、腕をつかみ拘束する。そうして逃げ道を塞いでいざ尋問をしようとした彼に、少女――ウミは頓狂な顔でこう問いかけた。 「ここってどこなのかなぁ?」 話を聞いてみれば、少女は魔法のある世界から来たという。そのうえ来ることはできても帰ることはできないとのこと。 バイト疲れのせいもありその場で同居を許可する葵。そんなあまりにも唐突な出会いで、二人はともに暮らし始める。 ウミが元の世界に帰るまでの期間限定。瞬きの間ほどの僅かかな時間を共に過ごし、くだらないことを語り、意味の無い言葉を交わす。笑ったり、とぼけたり、忘れたりしながら。 そうやって少しずつお別れを育てていく、そんな二人の数ヵ月の物語。
更新:2023/3/7
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ずっと、恋に憧れていた。 高校生になっても恋を経験したことがない松嶋陽人は常日頃からずっと思っていた。恋がしたい、誰かを好きになってみたい、恋人に発展せずとも恋心を抱きたいと。 そんなとき、彼の所属する文芸部に時季外れの新入部員がやってきた。始めこそ警戒心むき出しだった彼女も少しづつ部に溶け込み始め、ほんの少しだけ人口密度の上がった部室で今まで通りに過ごすだけ、そう思っていた。 変わっていく日々の中で様々なものを目の当たりにする。遠目に見ているだけだった、妄想を膨らませるしかできなかった頃から変わっていると気付いた時、恋を知らない彼の物語は、ようやく動き出した。
更新:2019/2/3
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