久藤八積は華やかな人間である。派手な金髪、人好きのする笑顔、オネエ口調で芸術家気質。何を取っても人目を引く彼の、私は従順な「犬」だ――五年前から。 彼は私の前で、滅多に笑わない。雪の解けない山岳の兵士みたいな、冷たく透き通った眼差しをして、筆を握る。 「富と名声ともうひとつ、人を狂わせるものがあるでしょ?」 「久藤くんにとって、私は何?」 自己への肯定観の低さを拗らせた女子大生・群山未央と、彼女の秘密を握る同級生・久藤八積の、縺れた糸が描き出す中編小説。 ※個人サイト http://nanos.jp/rin0256al/ こちらにも同じものを掲載しております。
更新:2017/9/30
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