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作:鈴森蒼

喚ぶ声に、応えよ!――高レベル召喚獣はお休み中です――

 大学生の三枝行哉(さえぐさ ゆきや)は『エメラルド・ガーデン』という放置型の召喚獣育成ゲームをダウンロードした。キャラの育成はNPC任せ、のはずが、チュートリアル中に作成した鳥型召喚獣として異世界に召喚されてしまう。 「えっ、俺、異世界転生したのか?!」 「違いますよう、召喚です☆ 幻獣不足になってきたので、人間を召喚してみました☆」  ゲームの案内役だった妖精シアンの説明によると、並列する人間界で大きな戦争が起きた後、召喚術が廃れてしまった。召喚されなくなった幻獣はすっかり怠け癖がついて、たまに召喚術が発動されても「あの程度の召喚師に使われたくない」と応じない。  幻獣の活動低下は幻獣の誕生率の低下を引き起こし、現在幻獣界はかつてないほどの人材ならぬ幻獣不足に陥り始めていた。悩んだ幻獣の長老達が、穴埋め策の一つとして決行したのが『人間の召喚』だった。 「なんで人間のまま喚ばないんだよ」 「だって人間のまま喚んでも役に立たないじゃないですか☆」  行哉の役目は、幻獣の雛が独り立ちできるまで幻獣界で生活することだけ。  現実世界の行哉は問題なく存在しているとの言葉を信じて、行哉は幻獣生活を開始した。 「しかし、どいつもこいつも寝てばっかりだな」 「みんな自分の出番はもっと後だって言ってます☆」 「典型的なニートの言い訳だな……」  ろくに飛ぶこともできない雛の行哉に、ある日召喚術が発動する。低レベル故にキャンセルできない行哉は召喚に応じ、当然の如くボロ負けして帰還する。行哉の落下地点にいたのは、惰眠をむさぼる狼だった――。***不定期更新です***

更新:2018/12/31

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