傷心の旅から戻った尚武美由は、夫の章博とともに一七〇一年(元禄十四年)四月の赤穂(兵庫県)へとタイムアウトする。元禄十四年三月十四日、播州赤穂藩主の浅野内匠頭長矩が、江戸城内松の廊下で高家筆頭・吉良上野介に対して刃傷に及び、浅野内匠頭は即日切腹。浅野家は断絶となった。これが歴史で有名な元禄赤穂事件である。その影で動いた知られざる真実とは。尚武章博と妻の美由が、赤穂浪士のために剣をとる。時空仕事人シリーズの最終回「忠 義」
更新:2010/9/4
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尚武美由は時貞で省吾の剣を弾き上げ、水平に払った時貞の棟を省吾の首根元に打ち当てた。ゴキッと省吾の頚椎が折れる手ごたえを感じた。優斗省吾は首をくの字に折り曲げ、ゆっくりと前のめりに倒れた。「省吾!。省吾ーっ!」美由の心であふれそうになっていた涙の堰が一気に切れた。物言わぬ躯となった省吾を抱きしめ、美由は大声を出して泣いた。涙があふれて止まらない。「いゃーあーーっ!。省吾!。省吾ーっ!。省吾ーっ!…」天下無双の天空流剣術の女武芸者・尚武美由が心を切られるほどの悲しみを味わうことになる。時空仕事人第九話「尚武美由 悲剣の舞」
更新:2010/7/23
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時空仕事人になることを引き受けた尚武章博と妻の美由。最初に依頼されたのは、五百年前の室町時代にタイムスリップして、徳川家康の父になる松平広忠(千松丸)の命を救う仕事だ。この時代はまさに戦国時代。その中にタイムアウトしたふたりは、否応無しに刀を抜くことになる。そして尚武と美由は天空流剣術を使って、初めて生身の人間を斬った。それは一億三千万人の中から選ばれた時空仕事人として決して背を向けることは出来ない運命の一瞬だった。「時空仕事人」番外編Ⅱ「家康の父」
更新:2011/11/7
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正保(しょうほう)元年(一六四五年)十一月の江戸。尚武章博はXの依頼で江戸へとタイムアウトした。仕事は、時の将軍・徳川家光の我侭な性格を、十兵衛や宗冬とともに叩きなおしてくる仕事だ。一年ぶりの十兵衛との再会。そして、ひょんな事から口入屋の用心棒となった尚武は、土地のやくざとその用心棒たちを相手に時貞を抜くことになる。依頼された仕事をする日も知らず、やくざとの果し合いに巻き込まれてゆく尚武章博。思わぬ展開に尚武は頭を抱えてしまった。果たしてXの依頼を果たすことが出来るのか?。
更新:2010/7/14
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Xの依頼で一七二五年の江戸へタイムアウトした尚武美由。豊臣の残党・山中甲賀之助の暗殺計画から、時の将軍・徳川吉宗の命を守る仕事だ。無外流の達人・青木兵衛と息子の大之介。浪人の浮嶋大吉とその相棒の渡世人・利根川の三次。柳生家五代頭首・柳生備前守俊方。北町奉行・大岡越前守忠相。そして吉宗のお庭番・松助。それらの協力を得ながら、美由は吉宗の鹿狩りに同行する。さらなる修行を重ね、神がかり的な剣を会得した尚武美由の剣が冴えわたる、時空仕事人・七、尚武美由・特別編
更新:2010/3/19
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美由は無言で時貞を鞘から払った。それを見て長谷川平蔵も刀を抜いた。一刀流正眼の構えだ。ふたりの間合いは約三メートル。美由は時貞を横一文字に構えたまま、すっと間合いを詰めた。「ヤアーッ!」平蔵が素早く八相の構えになり、上段から斬り込んできた。美由はその剣を平蔵と体を交差しながら時貞で払い、かえす時貞が平蔵の胴に入った。平蔵の着物がスパッと切れて血が噴き出した。「ヤアッ!」美由の二の太刀が平蔵の背中を襲った。「グ、グウーッ!。ウ、ウ…」長谷川平蔵は、スローモーションのように前のめりに倒れて動かなくなった。 時空仕事人第6話は、雪の中での尚武美由と長谷川平蔵の壮絶な真剣勝負
更新:2009/12/20
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ふっと何かの気配を感じた。松を背に少し眠ったようだった。後ろのほうで砂浜を走りまわる数人の足音がする。 「うわーっ!」聞こえたのは人間の悲鳴だ。 尚武は立ち上がった。そして悲鳴がした方を見ると、数人の侍が刀を抜いて入り乱れている。すでにひとりが斬られて砂浜に倒れていた。そばには駕籠があり、着物姿の娘がうずくまっている。(二ノ巻より) 天空の時代から江戸時代の紀州へタイムアウトした尚武章博。休暇で来たはずだったが、ある藩のお家騒動に巻き込まれる。紀州和歌山の心暖かい人たちや、城を追われた姫君との心の交流を描く「時空仕事人・5」
更新:2009/11/27
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「失礼ですが、おふたりは何流の剣を使われます?」 佐々木留伊がふたりを交互に見て聞いた。「わたくしと主人の流派は天空流。柳生新陰流も、少し…」 美由が答えた。「天空流とは、いかほどに強いものなのですか?」 美由を見つめて留伊が聞いた。その目は明らかに挑戦的なものだ。「まあ、それなりには強いと思うけど、示現流とは立ち合ったことがないから…」 美由はそう言って尚武と顔を見合わせた。 「では良い機会とぞんじます。美由様、いかがですか?」 佐々木留伊は、持っていた木刀を美由の前に差し出した。 第三話に登場するのは伝説の女武芸者・佐々木留伊。
更新:2009/10/15
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「これが、客人に対する柳生家の対応なのですか?」美由は、但馬守と十兵衛を交互に見つめて言った。「無礼でございましょう!」美由の鋭い声が道場に響いた。 勝負は一瞬だった。「ヤアッ!」美由がすすっと間合いを詰め、近間から踏み込むと、美由の木刀を払おうとした永島の木刀を得意の巻き剣で払い上げ、正面から美由の木刀が永島の胴を捉えた。「ううっ!」バシッと鋭い音がして永島兵衛がうめき声を上げて倒れる直前、タアッという気合とともに美由の木刀が鋭く振り下ろされ、永島が握っていた木刀を真っ二つにへし折った。 第二話は、尚武美由が歴史にその名を轟かせた剣豪・柳生十兵衛と真剣で相対する。 さて、どんな結末か…。
更新:2009/10/15
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