だるい土曜日の午後。パッとしない天気にシャワーも浴びてみたけれど、じめじめとした感覚が増すだけだった。手の中でその冷たさを肌に馴染ませる携帯は、ベルを鳴らさない。太股の上で、猫が頭を垂らしてている。その柔らかな体に指をすり寄せてみると、悲しくなる程の暖かさが私を襲った。とても心地いい手触り。もっと強く抱き締めたいけれど、抱き締めたら逃げてしまうし、無理矢理抱き締めたら苦しんでしまう。私が手を伸ばせなかった何かに似ているから、猫が側に居ると落ち着く。村田真之が死んでから一日経った。私の記憶では確かそうだった。
更新:2009/8/17
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