コクト王子とリリィ姫の婚姻は荘厳な大聖堂で行われていた。 「誓いのキスを」そう神官から促され、リリィ姫は王子と向き合う。優しい声のコクト王子が姫の名を呼んだ。 リリィが夢にまで見た誓いのキスは……リリィの気絶で幕を下ろす。なぜなら、王子の顔は若鶏の照焼並に肌が焼かれていたからだ。(陽に焼けて) 目覚めたときからはじまる白百合姫と照焼王子の日常は、ちょっと可笑しく、ちょっとときめいたりと慌ただしい。 「僕の子猫ちゃんは目覚めたかい?」 そう、今日もコクト様はうざったいし、暑っ苦しいし、けれどちょっとだけ……胸が疼くのですわ。(リリィ談) 「僕の子猫ちゃん、胸が苦しいのかい? さあ、僕が診てあげよう」 ひいぃっ。(リリィ、脱兎のごとく……)
更新:2017/3/9
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