作:マナシロカナタ(かなたん)@第1回一二三WEB大賞 銀賞&書籍化
昨今のヌルい「ざまぁ」に興味はありません。 姉の仇を片っ端から容赦なく殺ります。 「俺はこの手で全ての理不尽をねじ伏せる──!」 ~~ 7年前、街一番の器量よしと言われていた姉が突然連れ去られ、この国の王と隣国の皇子、さらには貴族や商人たちに散々に犯され尊厳を奪われ死んだ。 姉を助けに向かった婚約者のパウロ兄は、顔の形が判別できなくなるほどに激しく殴り殺された。 この日リュージは、最愛の姉とその優しい婚約者の命を奪った王侯貴族・商人たちを、片っ端から容赦なく皆殺しにすると誓った。 とある旅の剣士(師匠)に拾われたリュージは、7年の死と隣り合わせの修行を経て神明流と呼ばれる剣術の十の奥義をマスターすると、王都へと舞い戻った。 リュージは王都で起こった暴動に乗じてシェアステラ王国・王宮に乗り込むと、まずは敵討ちの華々しい幕開けとして主犯の一人の国王と第二王女を盛大に惨殺する。 そして代わりに目を焼かれて虐待されていた第一王女アストレアを助けて新しい国王にすえると、それを隠れ蓑にリュージは更なる復讐の刃を振るい始めた。 接待の責任者だった強欲な政商を。 助けるどころか誘惑に負け神の道に背いた愚かな神父を。 金さえ貰えば何でもやる拉致の実行犯を。 パウロを殴り殺した人と人とも思わぬ衛兵を。 そして王とともに凌辱に加担した大公までを。 時に心配し時に苦言を呈するアストレアを気にも留めず、リュージはその全てを冷たい殺意でもって容赦なく皆殺しにしていった。 そうしてリュージはいつしか「悪を討つ悪」=「クロノユウシャ」と呼ばれるようになっていた。 そんなリュージはついに首謀者であるロマイナ帝国第十三皇子カイルロッドと邂逅する。 皇子の護衛についていた師匠と戦い、神明流の一子相伝の奥義をその命と引き換えに伝えられたリュージだったが、実はカイルロッド皇子は人間ではなかった。 カイルロッドは7人の大罪魔人の一柱、色欲の魔人だったのだ。 魔人カイルロッドは人知を超えた圧倒的な力でリュージを追い詰めるが、リュージは師匠から受け継いだ相伝奥義《紫電一閃》で見事カイルロッドを討ち取り、ここに復讐は完遂されたのだった。 全ての復讐を終えたリュージは憑き物が取れたように昔の優しいシスコンに戻り、アストレアを新たな姉として陰で支えていくことを決めたのだった。 *カクヨム併載
更新:2021/7/5
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