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作:朝風清涼

戦国時代の電気屋さん

先代より町の小さな電気屋を引き継いだ<巽淳一(28)>は日々心が休まる事はなかった。 従業員の給与、租税公課の支払い、月末の融資返済にこの数年間慢性的な売り上げの低迷…そんな倒産目前の危機の中、子供の頃からの親友で家族持ちの<浩一>だけは共にこの苦難を分かち合ってくれていたが、<巽>は安月給の上賞与も出せない現実に申し訳なく思い、自分の給与を彼に回し何とか毎月をしのぐのが精一杯だった…。 そして融資返済日!また胃の痛い日が訪れたが、この日唯一の仕事であるテレビアンテナの取り付け工事依頼があり、浩一と2人で作業をしていると<巽>のポケットの中で携帯が震えた!。 (仕事依頼の電話か♪)と心躍らせる<巽>であったが、その相手は銀行だった!<巽>自身、電話の内容はすでに分かっていた!まだ通帳から返済金が落ちていない為の確認電話だと…。 何とか返済日を伸ばしてもらう交渉をしていた<巽>は、ここが屋根の上だという事を忘れつい足を踏み外し屋根から転落してしまう!。 それからどれだけ気を失っていたか分からないが、何故か<巽>の目覚めた場所は闇夜の山の中であり、何処の誰だかも分からない一人の侍が<巽>を介抱してくれていた…。 その侍との出会いから<巽>の運命の歯車は大きく回り始めていく!。

更新:2024/3/10

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