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人魚の花

潮風とハマナスの香りに誘われて……

 主人公・澪の住む人魚の隠れ里へ、「ニンゲン」である政府の役人が訪れる。  澪と、彼女が姉のように慕う砂帆が砂浜を歩いていると、役人を連れた大人たちの姿が……。  役人がこの地を訪れた目的は「人魚の妙薬」を手に入れること。  里の長老に命令され、砂帆は役人とともに外界へ……澪は暫しばしの別れを強いられることになる。 「その肉は不老長寿の秘薬に。  その生き血は万病の治癒に。  その胆と灰は死者の蘇生に。」  利用し、利用されて……本当に利用しているのは人間と人魚のいずれにあるか。  この作品を拝読した時、冒頭の描写から引き込まれました。  磯の香りや、波の音が今にも聞こえてきそうな……自分が今、海にいるような感覚になれます。  作中の冒頭にある、 「踏み締める白砂、その都度キュウキュウと不可思議な音が鳴る」  この後の文章でも砂の音の描写がいくつかされており、私は過去に北海道の室蘭にあるイタンキ浜で聞いた鳴き砂 (終盤でも「鳴り砂」であることが分かります)のことを思い出しました。  イタンキ浜以外にも、京都の琴引浜ことひきはまや島根県の琴ヶ浜ことがはまなど、全国の様々な場所で聞くことが出来るようなので、どんな音がするのか、実際に聞いてみたい方は場所をよく調べた上で、現地を訪れてみるといいかもしれません。  ハマナスの花言葉――それは、作者からの一言コメントにある「悲しくそして、美しく」  まさに、人魚である彼女たちの生き様を象徴している花だと言えます。  人魚の伝説を題材にしたシリアスな物語。  丁寧で美しい描写に、読者は最後まで引き込まれるでしょう。あなたも一度読んでみてはいかがですか?

5.0
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櫻井 理人

電脳猟兵×クリスタルの鍵

超高効率三次元圧縮的高速展開電脳ハードボイルドSF!

データ・クリスタル。この作品に登場する三次元(と私が妄想している)記録媒体の名前です。そして、この作品自体が超高効率に圧縮された三次元データの塊のよう。 第一レイヤーには、極限まで切れ味を増した言語データに込められた、こだわりのカメラワークと人間ドラマで彩られる、高速展開の良質な電脳ハードボイルドが待ち構えています。ド派手な高速アクション、息を呑む隠密、そして幾人もの思惑が重なるドラマ。それらが映画以上の密度で展開されていく! そして我々が見ている二次元の画面の奥には、膨大な三次元情報が待ち構えています。奥に眠った隠れレイヤーには、登場人物が抱えるミクロの歴史、そして技術史、政治史、などマクロな歴史が詰まっています。それはまるで掘っても掘りつくせないほどのクリスタル鉱。 ですが、マニアあるあるの羅列を暗記しなくてはいけないのか、などという心配は要りません。その奥底に眠る原理は極めてシンプル。それは、この世界の物理法則から人まで、我々の世界と同じ性(サガ)を持っている、ということです。 この人たちはなぜこうしているのか? なぜこんな風に発展したのか?という読者の疑問には全て根拠があると言う信頼感がある作品。それにたどり着いた時の快感に膝を打ち、予想の上をいく回答に舌を巻く、そんな楽しみ方をできる人は、虜になります。

5.0
1
円宮 模人

【完結】歪みの旋律~わたしが愛を知るまでのレッスン~

良質の恋愛小説

作品紹介 札幌に住む瀬良 理乃(せら りの)は、二年前に双子の姉を亡くした時から、趣味のバイオリンを弾くことなく過ごしていた。 姉の恋人であった上江 隆哉(かみえ たかや)と一夜の過ちを犯した頃より彼との関係もただれ、ほぼ毎日、酒に溺れる隆哉を介抱するルーティンを続けるだけ。 そんな折、理乃は自宅近くに開設した音楽教室を発見する。 天才演奏家の宇甘 貞樹(うかい さだき)にバイオリンを習うことができれば、隆哉も更生し、またピアノを弾いてくれるのではないか―― そう思い、宇甘の教室へ向かう理乃。 しかしそこで、レッスンを受ける代わりに「恋人のふり」をするよう貞樹から頼まれてしまい……。 歪んだ愛を抱くもの、過去という愛に囚われるもの、捧げる愛を見つけたもの。 ――これは、様々な愛をまさぐる物語。~作者作品紹介より~ 豊富な語彙に流れるような文章は、気持ち良く読み進められました。1万文字のお約束でしたが、物語にひきこまれ最後まで読了いたしました。 クラシック音楽は、学生の頃に学校の授業で聞いたものしかしらないレベルの私でも、わかり易い説明で違和感なく読み進めることができました。 主人公理乃に圧し掛かる姉の死。姉の恋人だった上江との過ちが足かせのようになり、2年の時を経てもその場に留まらせている様子は、読んでいて胸が切なくなります。 貞樹と出会う事によって、だんだんと自分を見つめ直していく理乃。主人公の心の成長の流れがとてもスムーズで、共感を覚えました。 大人しい主人公に対して、脇役での友人や貞樹の妹が、元気よく生き生きと描かれているのも良かったです。 物語が落ち付きこのまま平穏に終わって行くのかと思われた所で、貞樹に……。 起承転結がしっかりとしていて、安定感があり安心して読み進めることができました。 その後の甘々なシーンに、つい顔がほころんでしまいました(笑) 良質な物語をありがとうございます。

5.0
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asato umi

最近の「いいね!」

小説家になろう恋愛書籍化コミカライズ連載:67話

ガリ勉地味萌え令嬢は、俺様王子などお呼びでない

人は見た目じゃない

第一部は俺様王子編。 傲慢俺様なイケメン王子が『良い』と思えるのは、ヒロインが王子のことを好きになることが前提かつ、ヒロインとのふれあいで傲慢で俺様なだけではない王子の奥底にある良さ等が見えてくるからであって。 ヒロインに好きな人がいて王子のことはこれっぽっちも好きではない場合、権力と自身の魔法の力に物を言わせて人の話を聞こうともせず迫ってくるような俺様っプリは、『キュン』とするどころか『ただただ壮絶に面倒くさい』としか思えないんだな……と乙女ゲーマーとして目から鱗が落ちる思いがした。この手のタイプは乙女ゲではわりとメイン攻略対象として存在するので……前提と視点が違うとここまで意味合いが変わってくるのか……と。 王子の言動と彼自身が迷惑でしかないヒロインと、王子に憧れているヒロインの友人との会話での分かりやすい見え方の違いにめちゃめちゃ納得した。 第二部は俺様王子の弟の腹黒王子編。 第一部は学園内でことが収まっていたけれど、第二部はガッツリ王家が絡んできてヤバさが一段とアップ。 人の話を聞かない第一王子の次は、やはり人の話を聞かない第二王子に王妃と、この国の行く末が非常に不安になる。 が、番外編で第三王子が登場し、なんとかなるのではないかと一息つける。 物語全体を通して会話のテンポがよいので読み進めやすく、最初から最後まで一気に楽しく読めた。 いつも全力で好きを押し出すシャリーナと、困惑しながらも段々惹かれていくリオルの二人が可愛い、物凄く可愛い。 見た目は地味なガリ勉少年で、しかも魔法が使えないという欠点があるけれど、シャリーナの為に己が頭脳と持てる力を全力で使って戦うリオルは本当にカッコイイ。

小説家になろう恋愛連載:119話完結

美醜あべこべ世界で異形の王子と結婚したい!

男性のみ美醜逆転の異世界に美少女イケメンハンター出陣します!

前世で喪女だった後悔からイケメンにガツガツの肉食系女子となった美少女主人公。前世含めて一目ぼれした異形と言われるほどの美少年(前世観)にアプローチをしてさっさと婚約者候補に収まり、誰も寄せ付けないいちゃらぶカップルになります。 外面もよく美少年に目がないですが、自分主観で醜いからと嫌うことはありません。恋愛対象ではなくてもちゃんと人として接する、人として優しい女の子だからこそ素直にその恋路を応援することができます。美少年と付き合うためにしていた善人の外面がよすぎてまわりからは誤解されてもいますが、そこも美醜逆転独特の笑いポイントとして楽しめます。 義理の弟を可愛がったり、不遇なイケメンも多数出てきて、乙女げー系小説っぽい世界観な感じですのでさくさく読めて最後まで一気に楽しめます。 ヒーローにも秘密がありちゃんと後々秘密を打ち明け合って、主人公が面食いなのも全部わかってもらって思いあうラブラブ小説です。 最後までぶっとんだ美醜観によるドタバタギャグが楽しいですし、完結済みなので一気に最後まで楽しめます。 世界観も楽しくもたくさんのキャラクターもそれぞれ個性がありいい人が多く、美醜逆転好きだけではなく乙女ゲー系の愛され主人公恋愛物が好きな人にもおすすめです。

小説家になろうヒューマンドラマ連載:88話完結

目的は生き延びること

展開は重めだが、『物語』として面白くて一気に読み終えた。 最終的にヒロインに想いを寄せる相手が、半分血のつながりのある義弟と、そうとは意図しないままヒロインを追い込んで、心と体に傷を負わせる原因を作った婚約者の王子の2人なのが、ああーーー……という気持ちに。 恋愛ものではないので、二人とヒロインがどうなるかは描写されないまま終わるが、個人的には義弟派。