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小説家になろうヒューマンドラマ連載:22話完結

私の穢れた血を洗いに

 二つの国が血で血を洗う戦いを繰り広げた帝共戦争。その中で、帝国人から犯された現地女性から生まれた主人公、ユリンは、村の人々を虐殺した敵の子として虐げられる日々を送っていた。  彼女は、自身の穢れた血を洗うため、顔も名前も知らない父を探し出して、殺すことを決意するのですが──。   『戦争の悲惨さ』 『いじめ』 『国家間の賠償問題』  本作のテーマは非常に重いのですが、真向勝負で表現しています。    物語がたどる結末は、復讐の成功か、失敗か。いずれにしても、主人公には罪人となる未来しかありません。  ですが、憎しみの連鎖が生み出したどん底の中に、一筋の光が差し込むのです。  そこから訪れる展開に胸を打たれ、久々にウェブ小説で温かい涙を流すことができました。  人間が本来持っているはずの「優しさ」が、重いテーマの中垣間見えるヒューマンドラマ。  結末はぜひあなたの目で、確認してください。

5.0
  • 作品更新日:2021/9/13
  • 投稿日:2021/10/8
ノベルアップ+ヒューマンドラマ連載:20話完結

麗しのサブマリン

 野球というスポーツに、どんなイメージを持ちますか?  大抵の人は人気の高い花形のスポーツであると同時に、男性がプレーするもの、という印象を抱くことでしょう。  もちろんそれ自体間違いではないのですが、近年は女子野球のリーグも存在していますし、小学生~中学生までの少年野球の世界においては、男の子に混ざってプレーする女の子がいるのも事実です。  さて本作は、そういった少年野球の世界で、女性でありながらエースナンバーを背負っていた主人公ヒカリと、彼女のライバルであった少年──石崎の視点で描かれる青春物語です。  もっとも、ライバルとは言っても対戦成績は石崎の全勝。  どうやっても彼を打ち取ることが出来なかったヒカリでしたが、〝ある日〟起こった悲劇により、志半ばにして野球の道を諦めてしまうのでした。  しかし影響は彼女のみならず、彼女を野球の道から引き摺り下ろす切っ掛けを作った石崎の側にも波及しており──。  スポーツものの作品というと、才能溢れる主人公による無双劇とか、強力なライバルとの胸躍る対戦を軸に描かれることが多いのですが、本作は少々趣が異なります。  地面スレスレからボールをリリースするアンダースローという独特の投法を身に付けているヒカリは、確かに才能のある選手ではあるのですが、そこは女性ということもあり男性ばかりの世界においては度々苦労を強いられます。  そればかりではありません。  彼女に野球をして欲しくない母親との確執。後にプロ野球選手にまで上り詰めた石崎との再会。彼にエールをおくりつつも、腹の底で抱える複雑な心境。  数々の壁に当たり、挫折して一度は這いつくばって、それでも諦めずに彼女が立ち上がるまでを描いた、光と影の物語とでもいうべきでしょうか。  高い壁を乗り越えて、再び草野球のマウンドに立ち因縁の相手と対峙したとき、ヒカリが抱えてきた未練の全てが払拭されていくのです。   『麗しのサブマリン』というタイトルの回収と、泥臭くも立ち上がる彼女の姿が印象的な本作。再び相まみえたライバルたちの対決の行方を見届けてみませんか? ◇  上体に捻りが生まれる。右腕が鞭のようにしなる。  地面スレスレから放たれたボールが、ど真ん中目掛けて突き進む。  青空をバックに、白いボールが弧線を描いた──。

5.0
  • 作品更新日:2021/5/29
  • 投稿日:2021/10/8
ノベルアップ+ヒューマンドラマ連載:43話完結

喋る黒猫とうそつきの麦わら

 物語は、主人公である謙人(けんと)が、あてのない旅をしている場面から始まります。  彼が線路を歩いているとき出会ったのは、麦わら帽子を被った少女、有子(ゆうこ)と、どういうわけか人間の言葉を話す黒猫、ミーシャでした。  有子は謙人に対して、「私の村に来ませんか?」と告げるのですが……?  ◆  本作の魅力は、「ほのぼのとした人間関係」、「どこかノスタルジックな雰囲気漂う世界観」など様々あるのですが、ゆったりしたヒューマンドラマだと思っていると、たびたび入り込んでくる「異物 (謎)」に、はっとさせられます。 ・なぜ、ミーシャは人間の言葉を話すのか。 ・なぜ、有子は「ありす」という呼ばれ方にこだわるのか。 ・春渡しという祭りが行われる意味とは? ・村人がたびたび話す、「これがきっと最後の夏だから」という言葉の真意は? ・そして、なぜ二人は出会ったのか。  等々。これらの謎は、わかりそうでわからない、という絶妙な匙加減をもって、物語の中に配置されていくのです。こういったミステリー要素こそが、むしろ一番の魅力でしょうか。  これにより、ちょっと不穏な空気も漂うのですが、かといって重くなることは決してなく、 「有子って言わないで。ありす。ありすって呼んでよぅ」 「はいはい、ありすね」  というミーシャと有子ありすの軽快な掛け合いや、『巨乳好き』『ロリコン疑惑』など、村の人たちと交わされるお約束のやり取りが、上手く緩和してくれるのです。  ほのぼのとしたコメディと、見えそうで見えない謎。二つの要素に牽引されてページをめくり、たどり着いた『春渡し』の当日。  ここから始まる伏線の回収は、もはや圧巻の一言。全ての謎が一本の線となり収束していく様に、感嘆するほかありませんでした。  有子がついていた嘘のあまりの優しさと切ないラストに、きっと涙することでしょう。  ボーイミーツガール特有の甘酸っぱさと、ミステリーのような謎解きとが一緒に楽しめる本作。ぜひ、お手に取ってみてください。青春恋愛モノが好きな方と、ミステリーが好きな方に特にオススメします。  有子が麦わら帽子を脱いだそのとき、二人の本当の意味での旅が始まるのです。  謙人と有子の未来に、幸多からんことを──。

5.0
  • 作品更新日:2023/5/2
  • 投稿日:2021/10/3
ノベルアップ+恋愛連載:50話完結

またここで君と逢いたい

 ある事故で意識不明だった少女、美桜(みお)は、約一年ぶりに目を覚ました。 リハビリと経過観察のために入院生活を送ることになった美桜は、同じく入院している車椅子に乗る少女、真璃(まり)に出会う……。  物語は、主人公の一人である美桜(みお)が約一年振りに病室で目を覚ましたところから始まります。  一年も意識が戻らなかった原因は、自宅の階段から落ちたことだよ、と説明された美桜は、本当だろうか? と釈然としない思いを抱えます。  けれど、違和感は、他にも様々病院内に存在していたのです。  仕事で海外に出ているから、という理由で見舞いに来ない母親。  時折不自然な対応を見せる、顔馴染みの看護師。  初対面のはずなのに、やたら近い距離で接してくる少女、真璃(まり)。  さらには、病院内を彷徨い歩く不思議な少女。  これらの謎は、適切なタイミングで物語の中に配置されていきます。ごく自然にページを捲らせる引きの上手さと構成の巧みさは、特筆ものです。  さて、最初は真璃の対応を訝しんでいた美桜でしたが、次第に彼女が描く絵画と彼女の存在そのものに惹き付けられていって……?  本作、いわゆる百合、というジャンルに属する恋愛作品なのですが、ミステリーものが好きな方も、楽しめるのではないでしょうか。  もっとも、百合、とは言っても身構える必要はありません。女の子二人による甘酸っぱくもじれったい純愛ものなのですから。いちゃいちゃする二人の様子にほんわかさせられます。  章ごとに視点を変えつつ進行していく一人称は、しっかりとした描写をしつつも決してくどくなく、柔らかい地の文で綴られる文章に、ごく自然に情景が頭に浮かびます。  会話文と地の文の比率が、ライト文芸というジャンルにおける理想値に近いのでしょうかね? 兎に角読みやすいのです。登場人物の動きの中に織り込まれる心情に、見事なまでの伏線。書き手としても参考になる部分が多いです。  しかも驚いたことにこの作者さん。これが処女作なんだそうです。  これは最早、才能ですよ。ほんと、勘弁してほしいですね (苦笑)  珠玉の百合作品。この機会に触れてみませんか?  謎が謎を呼ぶ展開に、またきっと、彼女たちに逢いに行きたくなることでしょう。

5.0
  • 作品更新日:2020/5/15
  • 投稿日:2021/10/3
カクヨムファンタジー連載:97話完結

友士灯―ともしび― 探求編

 妖雛(ようすう)。人間でありながら妖怪でもある存在。「物の怪」と呼ばれる異形の魔物と戦う宿命を背負った妖雛の少女を主人公にした、和風ファンタジーです。  三人称でありながら、情感豊かに綴られる地の文。  重厚に練りこまれた世界観。  自分の事を「俺」と呼び、明るい口調で話す妖雛の少女、志乃。一見おどおどしているようで、凜とした佇まいを見せる妖雛の少年、芳親。彼女らを取り巻く、魅力的な登場人物たち。  本作の魅力はそれこそ語りつくせない程あるのですが、なによりもテンポよく進む物語でしょうか。  世界観を説明しながら、どんどん展開が進行していく第一章。  志乃の過去に触れ、一転しておだやかなテンポで進む第二章。  読めば読むほどに、巧みな構成力に舌を巻くこと請け合いです。  ──長閑な春の道。  ──ゆったりと進んでいく彼女たち。  志乃が辿った冒険活劇を、追いかけてみませんか?

5.0
  • 作品更新日:2024/2/12
  • 投稿日:2021/10/3
ノベルアップ+純文学連載:21話完結

いつかまた、バス停で

 医者になる、という夢を叶えるため、毎日のように予備校に通う高校二年生の主人公。高山樹(たかやまいつき)。  停留所でバスを待っている彼に、なにかと構ってくる中学生くらいの女の子、遠野千鶴(とおのちづる)  心臓に病を抱えているため、激しい運動ができない樹の幼馴染、志保(しほ)。  三人を中心にした物語は、しとしとと降りしきる雨の中、樹が子猫を拾うシーンから幕を開けます。  何故、樹は医者を目指そうと考えたのか?  志保と樹の間に存在している、過去のしがらみとはなんなのか?  そして、何処からともなく現われてはちょっかいを出してくる不思議な少女、千鶴ことちーちゃんの正体は?  次第に真相が明かされていく中、この物語最大のトリックが読者を襲います。  ネタバレになるため詳細は語れませんが、複数の要素を絡めた精巧なトリックに、きっと驚かされると思います。正直私は、完全にしてやられました笑。  あまりの衝撃で、ページをめくるのを、一瞬忘れてしまったほどでした。  青春物語が好きな方。  日常の中に潜んだちょっとしたミステリーが好きな方など、もし、気になりましたら、この極上のトリックに触れてみて欲しいです。  読んで後悔はしない一作です。

5.0
  • 作品更新日:2020/4/10
  • 投稿日:2021/10/3
小説家になろうヒューマンドラマ短編完結

閃光は暁に刺す

「花火、売ってもらえますか」  冬に浴衣という季節外れのいでだちで現れた少女、旭は、花火師の父を持つ主人公暁青年に、おずおずとそう告げた。 *  そんな二人の交流を描いたヒューマンドラマです。  恋と呼ぶほど大袈裟ではなく、けれど、少女のお願いや、「一緒に花火をしませんか?」という誘いを無下に断ることはできないほどには、少女は不思議と魅力的で。  材料を集めて線香花火を作り、駄菓子や玩具を買い求めて少女と戯れる。  冬なのに、夏の空気感すら感じられる情景描写と、段階的に移り変わっていく暁青年の心情が、丁寧な筆致で綴られるのが、なんといっても本作の魅力でしょうか?  なぜ、少女は青年の前に現れたのか?   少女との出会いにより、彼を取り巻く環境がどう変化したのか?  僅か六千文字とは思えぬ濃厚な世界観と、ちょっと切ないボーイミーツガールの甘酸っぱさに、触れてみませんか?

5.0
  • 作品更新日:2021/2/12
  • 投稿日:2021/10/8
小説家になろう恋愛連載:217話完結

想い人が、俺と幼馴染の親友♂との仲を誤解してしまっている件……orz

 メインの登場人物である三人の感情のベクトルが、面白いようにすれ違っているラブコメ作品です。  本作の魅力は──?  第一に、舞台設定が整うのが早いこと。これに尽きるでしょうか。冒頭二話を読むことで、彼ら彼女らの勘違いがどんな拗れを生んでいるのか一目瞭然なのです。  主人公たちも、設定も、ひと癖あって魅力的なのですが、これを支えているのが豊かな語彙力であり丁寧に描かれる心情でしょうか。  ちょっと拗れた? 主人公の考え方や言動に、たびたびクスリとさせられること請け合いです。   他にも、引きの強い展開とやっぱり癖の強いサブキャラ群も秀逸なのですが、エピソードタイトルにも目を向けてみて欲しいです。 ※ここから、私がいいな、と思ったものを抜粋します。 「はじめの一稿」 ⇒ 私が大好きな、とある漫画作品のオマージュです。 「サヨナラステーション」 ⇒ いや、そのまんまなんですけどね。このシュールな感じいいですね。 「読者(きみ)が望まない永遠」 ⇒ ネタバレになるので詳細触れられないけど、これ上手いなー。 「ヒカルしっかりしなさい」 ⇒ これまたシュール(笑)  このように、細かいところまで手抜かりのないアイディア力・文書力ともに非常に高く、書き手としても参考になる部分が多いことでしょう。  もしかして? 禁断の関係もあり得るのか?  読み始めたら目が離せなくなる抱腹絶倒のラブコメディ。ぜひ、ご一読を。

5.0
  • 作品更新日:2021/1/31
  • 投稿日:2021/10/11
ノベルアップ+ホラー連載:37話完結

長い夜

 神域である山や森で、また街や里からなんの前触れも無く人が失踪してしまう事件「神隠し」が多発するなか、主人公優の身に不思議な出来事が巻き起こる── *  この作品は、ジャンルがホラーになってこそいますが、様々なジャンルの融合体ではないかな、と感じました。  確かに根幹の部分はホラーなのかもしれません。ですがそれでいてミステリーでもあり、またヒューマンドラマでもあり、はたまた、純文学的でもある。  そんな本作の魅力を端的に表現すると、謎や仕掛けの多さであり、エピソードごとの引きの強さでしょうか。  度々挟まれてくる惨劇や、不可思議なイベントの数々に、「どうして彼女はこんな行動をしたのだろう?」「この先、どうなってしまうのだろう?」と気になり、自然とページを捲る手が止まらなくなる、そんな魔力に満ちた作品です。  三人称で綴られる物語なのですが、そこを上手く利用して、主人公である優の人格が、時々「ヨル」と入れ替わるところも本作の見どころ。  いまの発言ははたしてどっちのものなのか? 巧みな表現に翻弄され、思わず首を捻ってしまうことでしょう。  主人公──優と意識を共有している「ヨル」とは何者なのか?  感動の結末を、是非、見届けてください。 *  ──優が心の中でそっと囁いたとき、紋白蝶は飛び立っていった。壮麗なる青空に向かって。

5.0
  • 作品更新日:2021/2/4
  • 投稿日:2021/10/11
カクヨムホラー連載:5話完結

お見舞いの花

花言葉、というものをご存知だろうか? 花言葉とは、象徴的な意味を持たせるために、花に添えられている言葉のこと。 花言葉は、複数存在していたり、良い意味と悪い意味の双方があったりするのである。 さて、入院した時に送られてくるお見舞いの花は、とても嬉しいものだ。 しかし、そこに何か別の意味がこめられているとしたら……? じわじわと真相が見えてくる物語の結末は、是非あなたの目で確認して欲しい。

4.5
  • 作品更新日:2020/7/3
  • 投稿日:2021/11/12