「「神と呼ばれ、魔王と呼ばれても」」
最終更新:2020/3/14
作品紹介
遥か未来の地球。そこには神の如き力を持つ一人の少女が存在している。少女は太古に栄えた旧人類最後の生き残りだ。 そして少女が住んでいる地球では、「魔法」という新しい技術を使いこなす新人類が誕生しつつあった。 そんな新人類を少女はジッと観察する。 時に神と呼ばれ、時に魔王と呼ばれても、少女は新人類を見続ける。 これは、ただ孤独に生きる一人の少女と、懸命に生きる新人類との間に起こった長い長いお話。
評価・レビュー
さーくるぷりんと
2
歴史の始まりから終わりまでを見守る傍観系の最高峰!
主人公は人類最後の生き残り。と言っても生存競争に負けたわけではありません。むしろその逆です。 技術の粋を極め、不老不死となり宇宙の他文明を圧倒してしまう頂点を極めたのです。しかしだからこそ、人類は飽きてしまい、自殺によってその数を減らしていきました。 ただひとり残った主人公は、小さな虫の営みをみて初めて感動し、生き物を観察することの楽しさを知りました。 そして始まる新たな人類の進化を、ずっと見守る主人公。本当にずっとです。ドローンをとばし世界中を監視し、何もかもわかっていてもけして自分から干渉することはありません。ただ傍観しています。 人外の力を持ち不干渉をうたう傍観系をそれほど多く読んできたわけではないですが、この作品ほど不干渉を貫いているのは読んだことがありません。何せ自分のいる島から一切出ないのですから。 新人類の進化、文化、そして主人公を発見していく下りなんかはわくわくがとまりません。そして、その新人類すら、また衰退していく。 人類の始まりから終わりまでがかかれている素晴らしいまさに神作品です。 傍観系が好きな人にはおすすめです。
かんむり