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作:月神サキ

悪役令嬢になりたくないので、王子様と一緒に完璧令嬢を目指します!

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未評価

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最終更新:2021/5/14

作品紹介

※書籍化しました。フェアリーキスピュアより、1巻~3巻が発売中です。 ※コミックシーモア様主催『電子コミック大賞2020ラノベ部門』受賞。 ※2021/05/14/より、コミカライズが始まります。FKコミックス。漫画担当は島田ちえ先生。 第一王子アランとのお見合いにやってきたリズは、偶然、話し声を聞いてしまう。 「気をつけろよ? リズ・ベルトランは傲慢で気位だけは高い、我が儘お嬢様だからな。……ほんっとう、悪役令嬢という言葉がぴったり嵌まるご令嬢さ」 「悪行の限りを尽くす婚約者の悪役令嬢に嫌気が差した兄上は、ヒロインとの真実の愛に目覚め、ハッピーエンドに辿り着く。オレ、兄上×ヒロイン推しだから、絶対に兄上には頑張ってもらいたいんだ!」 アランと一緒に居た第二王子ウィルフレッドの口から飛び出すわけの分からない言葉の数々に、リズは衝撃を受ける。 「悪役令嬢って何? どうして私が侮辱されなくてはならないの? 真実の愛って何よ!」 あまりの悔しさに、リズはつい、涙目になってしまう。 そんな彼女に見合い相手である第一王子アランが、何を思ったのか声を掛けてくる。 「大丈夫。君が悪役令嬢にならないよう、僕が協力してあげるよ」 ウィルフレッド王子の言う、『悪役令嬢』になんてなるものか。 そう決意したリズは、アラン王子のちょっと甘すぎる協力を受け、意味が分からないながらも『悪役令嬢』からの脱却を目指す。 これは悪役令嬢ではなく、正反対の完璧令嬢を目指すリズの物語です。 ※主人公に転生要素はありません。登録必須キーワード『異世界転生』に関しましては、運営様に問い合わせ済み。必要無いことを確認済みです。

R15恋愛ラブコメ悪役令嬢乙女ゲーム溺愛

評価・レビュー

可愛い悪役令嬢、ここにいますよ!(ちょっとネタバレあり)

お見合いしようとやってきた主人公ですが、お見合いの前に弟の第二王子がお見合い相手である兄の第一王子に対して、主人公は傲慢で気位が高く我儘な悪役令嬢。などと悪口を吹き込んでいたのを聞いてしまいます。 怒りに震えつつもしかし思い当たる部分もありひどくショックを受けてうなだれてしまう主人公に、第一王子がいつの間にか話を終えて自分の元にやってきていました。 そこで話を聞いていたこともばれてしまうのですが、何故か第一王子と協力して悪役ではなく完璧な令嬢を目指すことに。 上位でかつ一目惚れしたイケメン王子に言われると素直に頷いてしまうこともあり、そこそことんとん拍子に改善していけます。 気位の高さが負けん気にもつながっていて、やってやるわとやる気をだして変わろうと努力していく姿は応援したくなります。 ついついつんけんしてしまったり、素直になれないところもありますが元々視野が狭かっただけで根は悪い子ではないので、少しずつ歩み寄ったりしていく様は微笑ましいです。 第二王子も悪役令嬢が嫌いだったわけではないのですが、ゲームの世界だと思っているので無神経でひどく嫌な奴です。 悪いやつではない、と兄の第一王子に庇われたり、何だかんだ優遇されています。実際に後半を見ると素の性格は悪いわけではない感じですが、正直に言うとあまり気に入りません。真剣に謝っていて根が悪いやつではないから、などと言っていますがこの世界がゲームで全員がゲームキャラであり、思い通りに動くのだと思い込んでいた時点で相当痛いやつですし、それが亡くなるまでずっとひどい奴としか見えないので最後急に改善されても悪いやつではないとは思えません。 途中権力をたてに女の子に無理やり迫っているのも女の子からしたら相当な恐怖です。なのに最後は女の子と仲直りしたりする展開はもやもやします。 それを許してくれるほどの器の広さだからゲームヒロインなのだと言われたらそうですし、主人公はあくまで第二王子で権力者だから多少気遣っている感もありますが、ヒロインもそれが多少ありますし、権力の精神性への影響を理解しきれていない転生者の第二王子は正直微妙です。 転生者知識で助かる部分もありますし、ゲーム世界への偏見と言うのはよくありますが、ヒロインの精霊の暴走で庇って怪我をしたら全部チャラみたいな展開も、むしろヒロイン自身は何も悪くないのに加害者意識を芽生えさせることでうやむやにした感じがあってすごい微妙です。 と第二王子を悪く書いてしまいましたが、それも第二王子のリアルな性格なのかと思います。現実的にこういう風に転生した無神経がいたら、表面的にはとりつくろってこうなるかもしれない。だからこそ腹も立つ。と言うことなので難しいです。 最後がそんなもやもやした感じで終わったので、微妙な読後感になってしまいましたが、主人公の可愛さは間違いありません。 転生ではない純正悪役令嬢が頑張る話が好きな人はニヤニヤできると思います。王子は腹黒系ですが主人公に一途ですし、溺愛していてとてもいいカップルだと思います。 どうしても第二王子と、因果応報感のないもやもや感が最後に残るので評価は辛口になってしまいましたが、乙女げー特有の多少雑な世界観も気にならない程度には夢中にさせて一気に読ませてくれます。

2.5

かんむり