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作者:勇純

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作:勇純

許せますか?

美緒はいつも許される側の人間だった。 何をしても、たとえ悪くなくても、いつも叱られるのは美緒だった。 姉にショートケーキを食べられてしまっても、 お父さんが約束を破っても、 美緒を援護する人はいなかった。 だから美緒の夢は、『許す側の人間』になることだった。 しかし、やはり人の顔色をうかがう消極的な行動しかできなくなった。 中学生になった時、美緒は初恋をした。 純君という小学校からの知り合いだった。 同じ新聞部の仲間として、楽しい毎日を送っていた。 しかし、その関係を嫉妬した彰子が、仲を裂く行動に出た。 彰子は近所の子で、幼稚園からずっと一緒だった。 美緒は彰子の存在を鬱陶しく思っていたが、 美緒の母親は彰子に絶対の信頼をおいていた。 美緒の言うことよりも、彰子の告げ口を信じようとした。 ある日、二人の仲を裂こうと思った彰子が 美緒の母親にあることないことを報告したうえ、 純君にも「美緒があなたのことを気持ち悪がってる」と告げに行った。 濡れ衣をかけられた美緒を本気でかばったのは姉だった。 母親にも美緒の正当性を本気で訴えてくれた。 美緒は、姉に促され、純君の家に向かった。 そして初恋の気持ちを伝えた。 姉の胸で美緒は泣いた。 感謝の気持ちと、自分のこれからの想いを込めて。

更新:2017/2/1

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