それは、言葉がすべてを決める世界。 ――ちいさな箱庭をゆらした、ちいさな小石の物語。 [史記]を言名にもつ少年『生きた歴史書』フヒトは、あらゆるできごとを識っていた。不変を疑うこともなく過ごしてきた日常は、突如転機を迎える。 「――俺を拾ってくれ!」 学都の外れで縋りついてきた美少年に、おもわず手を差し伸べたのが運の尽き。学都の主[調停者]リ=ヴェーダから得体の知れない美少年――推定:来訪者――『アリス』の監査役を命じられたフヒトは、後先顧みない行動力に振り回されることになる。 変わるはずのない日常が軋みだす。忍び寄る変革に、少年たちはまだ気づかない。
更新:2017/10/9
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