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一匹狼は群れたがる

微妙な異能持ちの彼女と大型ワンコな彼の硬派で甘い近未来ファンタジー

 超能力が普遍的に確認されるようになり、ランク付され、管理されるようになった時代。 「自身テレポート一メートル、念動力推定二キログラム、Cランク」  という微妙な超能力を持つことで、店舗への入店を制限されるなど不自由はあるものの、高校生としてのんびりと過ごす清楓は、ある日、ひょんなことからその能力を使って大型犬のような青年を拾ってしまったことから、やがて厄介な事件に巻き込まれ——。  緻密に作り込まれた超能力が存在するという世界観と、それを描き出す硬質な描写でまず惹き込まれ、さらに、主人公の清楓(さやか)ちゃんが狡くどこかアンバランスな大人の窪崎に惹かれていく様子がなんとも甘酸っぱいのです……!  清楓はそれでも受け身で待ち続けるわけではなく、時には自分の能力と創意工夫で危機を乗り越え、大切な人のためには自らの危険も顧みない強さを発揮します。次第に窪崎も、そして事件を通して関わった富沢さえも惹きつけられていき……。  彼女の持つ能力、暗い過去と親友との関わり、秘められた祖父の思いなど、複雑に絡みもつれた人間関係の糸が、やがて彼女と窪崎さんの想いで切り開かれていくラストは本当にああよかったー! と幸せな気持ちになれる見事な大団円でした。  おすすめです!

5.0
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橘 紀里

Bad luck + Jump off

「凶運」の冒険者と空から降ってきた若者の王道バディxファンタジー

 どんな相手と組んでもなぜか不運に見舞われる冒険者ジャスレイと、空から降ってきた謎の若者(ツッコミ属性)のロードムービーを思わせる冒険ファンタジー。  沈着冷静かつ用意周到で実は有能なのに、でも隙があって完璧からは程遠い、けど優しくて面倒見の良いお人好し——そんな愛すべきおっさん(失礼)と、何を見ても感動しつつ、ジャスレイのすっとぼけた行動にしっかりツッコミを入れてくれる青年トールのかけあいが軽妙で楽しいです。  かと思いきや、巨人族風かつ時に冷酷、という従来ではなかなか見ないエルフの設定から、とある秘密の武器を巡る冒険につながっていくなど物語のバックグラウンドもしっかり練りこまれています。  そして、時折見せるトールの暗い陰の描写、それでもそれをひょいっと大きな器で受け止めてしまうジャスレイの優しさに思わず震えてしまいました。  メインの二人だけでなく、エルフに仕える秘密の多そうな女の子や、敵対する怪しげな人々など、それでもどこか憎めないキャラクターたちが脇を彩り、戦闘シーンもジャス本人は「姑息」などと評しますが、有限の能力を創意工夫で補うその様が実に楽しいです。  Web小説らしくない、ぎゅうぎゅうに詰まった、世界が目の前に浮かび上がるような描写も魅力。王道ファンタジー好きな方にイチオシの一作です!

5.0
1
橘 紀里

最近の「いいね!」

小説家になろう恋愛書籍化コミカライズ連載:67話

ガリ勉地味萌え令嬢は、俺様王子などお呼びでない

人は見た目じゃない

第一部は俺様王子編。 傲慢俺様なイケメン王子が『良い』と思えるのは、ヒロインが王子のことを好きになることが前提かつ、ヒロインとのふれあいで傲慢で俺様なだけではない王子の奥底にある良さ等が見えてくるからであって。 ヒロインに好きな人がいて王子のことはこれっぽっちも好きではない場合、権力と自身の魔法の力に物を言わせて人の話を聞こうともせず迫ってくるような俺様っプリは、『キュン』とするどころか『ただただ壮絶に面倒くさい』としか思えないんだな……と乙女ゲーマーとして目から鱗が落ちる思いがした。この手のタイプは乙女ゲではわりとメイン攻略対象として存在するので……前提と視点が違うとここまで意味合いが変わってくるのか……と。 王子の言動と彼自身が迷惑でしかないヒロインと、王子に憧れているヒロインの友人との会話での分かりやすい見え方の違いにめちゃめちゃ納得した。 第二部は俺様王子の弟の腹黒王子編。 第一部は学園内でことが収まっていたけれど、第二部はガッツリ王家が絡んできてヤバさが一段とアップ。 人の話を聞かない第一王子の次は、やはり人の話を聞かない第二王子に王妃と、この国の行く末が非常に不安になる。 が、番外編で第三王子が登場し、なんとかなるのではないかと一息つける。 物語全体を通して会話のテンポがよいので読み進めやすく、最初から最後まで一気に楽しく読めた。 いつも全力で好きを押し出すシャリーナと、困惑しながらも段々惹かれていくリオルの二人が可愛い、物凄く可愛い。 見た目は地味なガリ勉少年で、しかも魔法が使えないという欠点があるけれど、シャリーナの為に己が頭脳と持てる力を全力で使って戦うリオルは本当にカッコイイ。

小説家になろう恋愛連載:30話完結

薬師の魔女ですが、なぜか副業で離婚代行しています

恋愛ジャンルになっているが、他者の恋愛に絡んだことを仕事としている物語でヒーローとヒロインの間に恋愛は始まっていない(今後もしかしたら始まるかもしれない? というような匂わせ雰囲気で終わっている)ので、ジャンルタグつけが間違ってる訳ではないが求めていたものとは違う……という複雑な読了感だった。 物語自体はさくさくとテンポよく読めて悪くなかったので、恋愛ではなくファンタジータグであれば気持ちすっきり終えられたのになあ……と思った。

小説家になろう恋愛連載:154話

絶対呪ってやるからな!【番外編更新中】

暴走沸騰系女子・メイジーによる!拳で☆母を探して。 第一の手段候補は呪いのモトを手に入れる事から

下町で元気に給仕に励む母子家庭の子メイジーは、サバサバした赤毛美人。だがある日突然、下町を謎の高級馬車が走り去った後、家の部屋は血だらけで、もぬけのから。どうも母は攫われたらしい?メイジーは誓う。絶対許さない!下町の隣人たちの諫言をお供に、ちょっぴりニワト…たんじゅ…激怒したメイジーはノンストップで暴走を始める。貴族にツテ?下町にあるわけないじゃ無い!そんな時は呪いがマストって聞いたわ!材料を取りに行くわよ!← これは、たいがい拳で解決しようとする(注・うら若き女性です)メイジーをひょんな事で知り合った美麗な兄と妹が必死に止める?物語。 竹を割りまくってもうスパーン!スパーン!言ってそうなメイジーが爽快。 悩んでる事が小さくかんじる…よしがんばろ!と思わせてくれる、ストレスが飛んでいく小説です。2024年3月中旬の更新ここ数話で、お母さまと再会した今が読み始めるチャンス!