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ジャンル:ホラー

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かすみ燃ゆ

現れる模様の予測がつかない、万華鏡のような物語

先が気になりすぎて一気読みしてしまった上、予想を裏切り上回るラストに撃墜されてしまいました。 安是という里の女性は、恋をすると光る。主人公・かすみは年頃になっても光ることなく、加えて身の上の事情もあり、村人たちから疎遠にされていた。しかし彼女は、外道と称される寒田という里の男・燈吾に恋をし、彼だけに自身の光を灯していた。禁断の関係を持った二人は、ありとあらゆる障害に阻まれながらも、相手を諦めることなく突き進んでいく。 かすみたち安是の女が放つ光、山里の景色や民俗的な要素、純粋かつ凄絶なまでの情念を抱く人間の姿が、息を呑むほど濃密で絢爛な筆致で描き出されています。一見すると伝奇やファンタジー、官能的な恋愛もののようですが、ミステリの一面も秘めており、時に迫力満点で進む展開もなされます。 美麗な文章や描写を堪能しているうち、いつの間にかゆっくりじわじわと物語の中へ引きずり込まれていき、気づいた時には加速する展開を追わずにはいられなくなります。すっかり没頭しつつ辿り着く結末には、してやられたと思わず笑ってしまう。こちらを飽きさせるどころか読後まで魅了し続け、最後まで翻弄してくれる作品です。 苛烈にして壮麗な光に焼き尽くされ、感嘆すると共に放心してしまうほどの読書体験、ぜひ味わってみてください。

5.0
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葉霜雁景

彼女と一緒にオカ研で相性を占ってもらったら、死相が出てると言われたのでスカートをめくってみた。

タイトル通りなのに、何故か予想が外れる意外性のある物語

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 思想というのは、顔に出たり黒いオーラが見えたりするらしい。 相性で死相が出ているというのはどういう状況なのだろうか? 占いの内容にもよるだろうか、ちょっと恐怖を感じてしまう物語だと感じた。 主人公は無事なのだろうか?  2 物語は(どのように始まっていくのか?) 嘘でしょ! という始まり。予想外の展開にムンクみたいな顔になった。(俺がである)思わず、えー!と声を漏らしてしまったが、死相が出ていると告げられるところから展開されていく。しかし、どうやら回避法もあるようで? 3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・タイトルではきっと、自分と同じ予想をし意外性を感じた人もいるはず。 ・回避法が酷い! これは何かありそうだ。 ・予想がつきそうで、最後に意外な展開! ・敵かと思ったら……? ・予想はまったく当たっていなかった。 ・主人公の頑なさが面白い。 4 自分が主人公の立場だったら 主人公の根性は凄いと思うが、これも一種の愛情なのだろうか? こういう人と一般的な人の違いというのは”相手の好悪”に対して無頓着だったり、関係なかったりするのだと思う。一般的な心理では、相手の感情が気になるものなのでここまですることはなく、どこかで諦めるのだと思う。 好かれたい<嫌われるのが怖い こういうことだろう。 ただそこまで想いが強いのは素晴らしいと思う。怖いけれどね。 5 物語のその先を想像して この二人がくっつけば丁度いいのではないだろうか? 策士だなと感じた。この後は、乗り込んできて解決だろうか。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか?おススメです。

5.0
0
crazy's7

水切り

ほの暗さの先に、かすかな光彩が見える。

 異界の裂け目から差し伸べられた手に引かれるように、気付けば読み終えていました。  小説を読んでいて、どんな時に、〈しあわせ〉な感覚を得るでしょうか? それはもちろん読者それぞれによってまったく違う答えが返ってきて、それこそが小説の自由なわけですが、私は物語が言葉でできていることを実感させてくれる小説に出会った時に、そういう想いを抱く場合が多いように思います。小説は言葉でできている。実際に言葉にすれば当たり前のようにうつりますが、物語を読んでいる際中に、改めてその事実を実感する機会は、(すくなくとも私にとっては)そんなに頻繁にあるものではありません。まぁ何が言いたいか、というと、私にとって本作はそういう嬉しい気持ちを思わず抱いてしまうような作品だったわけです。  過去の後悔や罪悪感といった心情が混じるほの暗く複雑な心情に、静かな恐怖が重なります。淡々と怖さや哀しみ、不安が綴られる先に、切ない情景とかすかな光彩が見えて、その余韻に浸っていたくなる作品です。物語にとけこむその文章の佇まいがすごく好きで、それは物語の導入をここで紹介したところで、伝わるものではなく、伝える自信も私にはありません。  なので、こんな紹介文を読んでいる暇があるなら、ぜひ作品を読んでください。導入の文章の感触を心地よく感じたならば、言葉をたゆたう楽しみが、きっと待っているはずです。

5.0
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サトウ・レン

待合室とおじさんと私

昭和の終わりの夏、無人駅にて。

 ネタバレはしないつもりですが、ぜひまずは作品のほうを触れていただくと、より切れ味の鋭い短編の面白さが味わえるのではないか、と思います。  うるさいセミの声が聞こえる、ある八月の夏。    最寄りの無人駅に足を運んだ〈私〉は、待合室にひとり座る〈おじさん〉と出会う。外見は三十代から四十代前半くらいだろう若白髪の彼は、役場の住民課に働く、村一番の美人と村では知られたユカリさんの婚約者として訪れていて、村では話題の人物になっている。そんな彼にユカリさんの話を聞くと、彼は話を変えるように、かつて悪いことをしたひとを落としていた〈底なし沼〉の話をはじめる……、  というのが本作の導入で、昭和から平成へと移り変わる時代の、〈少女〉と〈おじさん〉のどこか郷愁もかいま見えるひと夏の邂逅はすこしずつ色を変えていきます。  結末に立ち上がってくる残酷なヴィジョンに思わずぞっとしてしまう、奇妙な怖さのある作品なのですが、ただ序盤で感じていた違和感の正体が徐々に明かされていくミステリ的な面白さもあり、このふたつのジャンルが好きなひとには、ぜひおすすめしたい内容になっています。そして淡々とした語り手の視点を通して語られる、村の閉鎖的な雰囲気も、作中に漂う不穏な感じを盛り立てていて、さらに恐怖が増していくのが嬉しい。

5.0
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サトウ・レン

赤い絵筆

輝いて見えた新たな日常は、静かに崩れ去っていく――。

 冬が訪れて間もない十二月のこと、美術部員の鳳優美は、同じ美術部員だがそれまで一度もしゃべったことのなかった沢野友梨奈から、絵が綺麗で繊細だと褒められ、その会話をきっかけに連絡先を交換し、徐々に友好を深めていく。対照的なふたりが関わり合うになっていく中で、小中高と友達と呼べる存在がおらず、過去に暗いものを抱える優美は、楽しさを覚えつつも、自身の暗い部分が負い目になり、罪悪感に耐え切れずに自身のその一面を明かした優美に対して、友梨奈は受け入れてくれて――、  というのが本作の導入。ネタバレありのフィルターは付けましたが、特に後半の展開については知らずに読んだほうが楽しめる内容になっている、と思うので、まだ作品を読んでいないかたは、まず作品のほうへ、ぜひとも。このレビューでも結末については明かしませんが、それでも事前の情報はすくないほうが良さそうです。  作品は読みましたか?  物語の中盤までは、濃密な文体で光と影のような友情が育まれていく様子が描かれていき、優美が友梨奈に静かに寄り添っていく姿はほほ笑ましくもあるのですが、すこしずつ物語は歪さを孕んでいきます。輝いて見えた新たな日常が、静かに崩れ去っていくように。これはとても怖い物語だ、と思います。そもそもこの作品のジャンルはホラーですからね。でもその恐怖、というのは、びっくり箱的な驚かしではなく(これも好きなんですけどね)、自分の人生、あるいは周囲の人生にあってもおかしくなさそうな、身近な思わず自分事にしてしまいそうな怖さなんです。  でも……、  客観的に見れば歪にしか見えない光景も、当事者たちにとってはまったく違って見えてくる。愛憎相半ばした感情が噴き出した先に残酷な景色と悲劇があり、でも恐怖とともに読後、私の胸に残ったのは切なさでした。どれだけ歪んで見えようとも、そのひとにとっては一途な想いの表れだ、とそれまでに綴られた物語の中で、読者はすでに知ってしまっているからなのかもしれません。

5.0
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サトウ・レン

呪いのメイズさん

少女の成長と友情を描く青春ホラー

 もし恐怖がひとを変える力を持つとしたら、  これは、恐怖、という体験を通してひとりの少女が勇敢さを得ていく物語です。  今回はネタバレは避けながらのレビューにはなりますが、それでも事前情報を得ることで作品に対する印象が変わる場合もあるとは思うので、未読の方はご注意ください。  転校初日、〈わたし〉こと瀬戸深月は変な夢を見る。彷徨った生垣の迷路の先に見つけた洋風の立派なお屋敷、その庭に小学生三、四年生くらいの幼い女の子がいて、メイズと名乗った女の子に友達になって欲しい、と言われる夢だ。そして新しい中学校生活がはじまる中で、〈わたし〉はクラスの中心的存在である宮島真珠からこの辺りで知られる変わった占いについて教えられる。質問に答えてくれるメイズさんの占い。夢に出てきた女の子と同じ名前だった。以降、〈わたし〉は道案内に、テストの答えに、とメイズさんの占いに頼るたびに、その占いは未来のことまで百発百中になりクラスから一目を置かれるようになり、不審に思った真珠から問い詰められて……、  と本作の導入はこんな感じで、「メイズさんの占い」という言葉だけを聞くととても可愛らしいですが、徐々に表していくメイズさんの本性は、とてつもなく怖い。  中盤以降、容赦のない恐怖が展開されていくので、あんまり怖いのは……、という向きには気軽に薦められませんが、その代わりホラーと聞くと涎が出る向きには、こんな文章を読んでいる暇があったら、さっさと作品へ行け、と言いたくなる内容になっています。途中から、深月とメイズさんとの意外な関わりやメイズさんの起源が明るみになっていくことで、ぼやけていた輪郭がくっきりしてきて怖さが増してくるような感覚があります。  そしてホラーの怖さを盛り上げる要素として、この作品には人間関係の魅力もあるのですが、登場人物同士の距離感やパワーバランスが事件や出来事によって歪に変化し、元ある形が崩れていく様が、胃がきりきりとしてきて、この嫌な感じが素晴らしい(褒め言葉です)。  ただそんな恐怖と嫌悪の果てに、ひとりの少女が友情を育みながら、成長していく姿があり、青春の物語として後味の良さが残るのもすごく心地良くて、怖いのが大丈夫なひとならば、ぜひとも読んで欲しい作品です。

5.0
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サトウ・レン

飴屋

死と飴玉をめぐる幻想譚

 細い路地の突き当たりの雑居ビルの階段を地下へとくだっていくと、そこには木製の扉に金属プレートで『飴屋』と彫られた店がある。そこには店番と思わしき小学生くらいの年頃の三つ編みの女がいて、と、なんとなく怪しい雰囲気ですが、それだけではなく、店内にはずらりと試験管が並んでいて、底には眼球……ではなく眼球にしか見えないような飴玉が入っている。それを口に入れた時、映し出される光景は死者の最期の記憶、そしてそれを追体験させられた者たちは、それぞれその死の真実に対して様々な感情を抱く……。  ということで本作は、生者が本来なら絶対に体験することのできないリアルな〈死〉を追体験させる飴玉をめぐるファンタジックな連作ホラーなのですが、その不思議なヴィジョンによって展開されていく人間ドラマの要素も印象的な作品でした。死者の記憶を見せる飴玉、という設定は同じにしながらも、それぞれの短編の趣きはばらばらで、怪談的な話もあれば、人間心理の嫌な感じを煮詰めた作品もあるし、切ない想いが喚起されるような作品もあって、そのヴァリエーションの多さにも驚いてしまいますが、設定の使い方で秀逸だな、と感じたのが最終話の「ムシノネ」で、今回はネタバレはしないつもりなので、詳細については言及しませんが、それまでのこの世界に対する思い込みもひっくり返すような内容になっていて素晴らしかったです。  もちろん個々が独立した短編としても、とても面白いのですが、物語同士の繋がりを楽しめるのも、連作ならでは、という感じで、エピソードの中に別のエピソードが混じっていくことに気付かされる読み心地はミステリやサスペンスを読む愉しみにも似ていて、それらのジャンルが好きな方にもぜひおすすめしたい、と思うような作品になっています。素晴らしい作品に出会えた、と読後、感嘆の息が出ました……。

5.0
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サトウ・レン

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