友士灯―ともしび― 探求編
最終更新:2024/2/12
作品紹介
花街の自警団に所属する少女、志乃は妖雛(ようすう)――人間でありながら、妖怪でもある希少な存在。人外由来の能力を持つが、それ故に人と同じ場所にいることができなくなる彼ら彼女らは、道具として都に徴兵され、人を脅かす〈物の怪〉と呼ばれる異形と戦わなければならなかった。 畏怖も忌避も、道具と見なされることも笑ってあっさり受け入れ、徴兵の日を待っていた志乃だが、他者から「先生」と仰がれる初老の男性、直武の旅に同行することが急遽決まる。その旅は、志乃を片割れと称し斬り合ったもう一人の妖雛、境田芳親を育てるための旅でもあった。 「君たちは、意思なく志も無い道具ではない。人間だ。だからこそ、灯火を得て進まなければならない。掴みとりたいものと、そこまでの道を照らす灯火を見つけなさい」 ――進む道を照らす火は、自分で灯さなければならない。 これは、空虚な半妖の少年少女が心の灯火を得るまでの物語。 そして。 最幸の殺し合いができるお互いを友とし、けれど人の側にいるべく欲を封じ苦悩する二人の、黄昏と灯明の和風ファンタジー成長譚。 ※他サイトでも公開しています ※登場人物および各章のあらすじ、地名、用語一覧はこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354055595184174