「大体君達の星でも乗り物を運転する際にはルールが定められているのではないかい? それなのに宇宙に飛び出しただけで、好き勝手に航行していいと短絡的な自己判断をするのは、あまりにも横暴が過ぎると思わないかね?」 「……申し訳ありません。おっしゃる通りです……」
更新:2021/9/3
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台風一過の爽やかな日曜日の朝、河原を散歩していると、漂着した人魚を見つけました。 正確には、草むらの向こうからビチッビチッビチッという奇妙な音が聞こえたので、気になって近寄ってみるとそこに彼がいたのです。どうやら尻尾を地面に何度も叩きつけながら、何とか川に戻ろうとしていたようでした。
更新:2021/6/30
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(さてと……そろそろ時間だわ……あと5秒……4、3、2、1……) ドスン 「「あいたっ……」」 社内の曲がり角でお目当ての相手、同期の小座間君と見事に偶然を装いぶつかることができました。
更新:2021/9/19
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「ふう……たまには一切魔法を使わずに自らの力で額に汗かき掃除をするというのも、なかなか気持ちが良いものだな……」 トイレの中で新品同然の輝きを放つ便器の前で仁王立ちして、惚れ惚れした表情で独り言を呟いているのはこの国の第一王子アラン。異常なまでの潔癖ぶりで有名な彼は、今朝も日が昇る前に王宮のトイレを隅々まで清掃していたのです。 その時、突然目が眩むような光とともに、どこからともなく純白のドレスをまとい、柔和な微笑みを浮かべた世にも美しい女性が宙に悠然と浮かんだ状態で姿を現しました。
更新:2021/7/16
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「原因は未だに明らかになっていません。たとえば死に際を悟った動物が人間の前から静かに姿を消すと言われているように、時代の流れとともに小説の中で存在感を失くしていった地の文も、自らが必要とされなくなったことに気付き、どこかへ去ってしまったのかもしれません」 「あなた……突然大きな声で一体何を話しているんですか? どこか具合でも悪いの?」
更新:2021/6/10
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5歳の頃、初めて両親が買い与えてくれたとある家庭用ゲームに触れて以来、私は色とりどりの底知れない魅力を放つ筐体の虜になった。
更新:2021/9/27
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昨日から既にやばい事態に巻き込まれてはいたのは分かっていた。仕事が終わり、一日の成果を確かめていると、財布やブレスレットの中に紛れてドクロマークの付いた小瓶が収穫物の中に紛れていた。 ヤバイ品物であるのは明らかだったが、下手に手放して足がついてもマズイし、どんな強力な劇毒だか分からない以上、適当に処分することもできない。そう考えてとりあえず放っておいたのだが……。 「はあ……」 テーブルの上に置いてある書類を眺めて、何度目だか分からない、深い溜息をつく。まさか今度は王子の暗殺計画書までスってしまうとは。一体どうしたものか。
更新:2021/5/20
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いつもの時間、いつもの聞き慣れたベルが鳴り響きます。ただそれだけで口の中にとめどなく唾液が溢れてくるのを感じます。意識せずとも、私の元へ運ばれてきたであろうアレが頭の中に鮮明な像を結び、心の内に眠っていた獣が目を醒ましてしまいます。ああ、まるで愚かなパブロフの犬のようではありませんか。
更新:2021/8/16
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