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タグ:ギャグ・コメディ

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作:水無土豆

最強騎士、身分を隠してパーティ付きの料理人に転職したが追放される ~戻ってきて魔物と戦ってくれと言われてももう遅い。夢は料理人なので~

 ヴィルヘルムにガレイトあり。  世界最大の国家、ヴィルヘルム帝国有する騎士団〝ヴィルヘルム・ナイツ〟  その騎士団にひとりの男がいた。  男の名はガレイト・ヴィントナーズ。  彼は出自こそ華やかなものではなかったが、皇帝にその才を見出され、騎士団に入団。  団内でもその才を遺憾なく発揮し、やがて、当時の団長を破り、新たな団長となった。  そして時は流れ――戦中。  ガレイト・ヴィントナーズは敵国の策に嵌り、行方知れずとなってしまう。  団長を失い、戦力を大幅に削られたヴィルヘルム帝国。  もはや敗戦必至かと思われたが、結果は帝国側の圧勝。  その上、行方不明だったはずのガレイトの帰還が重なり、帝国内は一気に祝勝ムードに。  ……だが、ガレイトはひとり、浮かない表情のまま。  彼は勝利に酔いしれる人々を尻目に、一路、王の待つ玉座へ。  そして、誰もが耳を疑うような発言をする。 「王よ! どうか私の、この誉れある騎士団を辞する愚行をお許しいただきたい!」  ざわざわ……!  城内にいた騎士たちだけでなく、付き人や兵たちからもどよめきが上がる。  そんな中、玉座にて頬杖をついていたヴィルヘルム王が、口を開いた。 「……ふぅん。ちなみに、団長辞めてなにすんの?」 「りょ、料理人に、なりたい……です……!」  人々のどよめきがさらに大きくなる。 「へぇ、コックか。いいね、素敵だね。いいよ、なっても」  即答。  ここで、人々のどよめきが最高潮に達する。 「あ、ありがたき幸せ……!」  こうしてガレイトは呆気なく、世界最強の騎士団、その団長という称号を捨てた。  彼はここより心機一転、料理人として新しい人生を歩み始めたのである。  帝国はこの日、ガレイトの新しい門出を祝う者。  放心する者。  泣き崩れる者。  軽蔑する者。  発狂する者たちとで、混迷を極めた。  そして、さらに時は流れ――帝国中を巻き込んだ騒動から数年後。  ガレイトは見知らぬ国の、見知らぬ土地。  そこの底辺冒険者たちの付き人として、こき使われていた。  この物語は今まで剣を握り、プレートアーマーを身に纏っていた男が、包丁を握り、エプロンに着替えて、数多の食材たちと戦う(主に悪戦苦闘する)物語である。 ※この物語の登場人物は基本的に全員ふざけています。

更新:2021/9/28

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