十年前、銀色に輝く月が空を明けない夜で覆い隠した。 狂える月神。その災いを祓うべく、百人の英雄が二度と帰れぬ戦いに赴いた。 多くの犠牲の果てに、一人の男の手で銀の月は墜とされた。 見事に神を討ち果たした男は、しかしあらゆる名誉から背を向けた。 「俺は、英雄などではない」 月の神に滅ぼされた街で、後悔を背負った男は孤独に戦い続ける。 空を穿つ虹。無垢を体現する、少女の姿をした神格。 幼き神と孤独な男。月の墜ちた街で二人が出会った時、物語は動き出す。 ーーーこれは、《断片世界(フラグメント)》と呼ばれる遠い世界の出来事。 人と神が織り成す、愚かで純粋な御伽噺。
更新:2016/3/23
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