佐々木景久の竹馬の友たる池尾彦三郎。彼は、果し合いをする事になったのだという。 立ち合うは後藤左馬助。彦三郎の父に己が父を殺され、その復讐の為に諸芸を修めたという触れ込みの男である。 秋月道場の末席を景久と争う彦三郎である。斯様な武術の化物と対峙をすれば命はない。 当人同士のものならぬ怨恨ならば生きるの死ぬのにまで及ぶ必要はあるまいと、景久は彦三郎を救うべく知恵を絞るが……。
更新:2017/6/8
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笛鳴らしの方治は居残りである。 居残りとは遊びの金が支払えず、妓楼に留め置かれた者をいう。本来ならば肩身が狭くて然るべきところだが、あちらこちらから「先生」と呼び親しまれるこの男は、少しばかり異なる居残りであるようだった。 剣術使いでもある彼と、数奇な運命を辿り妓楼に属す事になった娘。そして上方戻りの凶賊。彼らの生が麻糸の如くもつれあう時、笛に似て非なるその音が響く。 アルファポリス第4回歴史・時代小説大賞、大賞受賞作。 またタイトルを『居残り方治、憂き世笛』と改め、13万字ほどまで加筆した書籍版が、アルファポリス様より発売中です。
更新:2018/1/3
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