三月ほど前から、村の墓所には怪事が起きる。ある者は夜半鼠きを聞き、またある者は夜闇を飛び交う怪火を見た。又十が化け物退治をしようと思い立ったのは、その化け物に、親父どのの墓が荒らされたが為である。
更新:2013/5/12
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墜落事故で死に瀕した戸森鴇は、しかし何者ともしれない影の囁きを受けその命を拾う。けれど以後、彼女の体は異常をきたした。まるで時間が固定されたかのような異常恒常性と、それすらも凌駕して身を蝕む高熱。そして夢に混ざり込む誰かの記憶。いくつもの不可解から死が間近に迫るのを予感し、許容しつつあった鴇。けれどある夜ひとりの女性がベランダ窓からやって来て、彼女との関係が、その心を少しずつ変えていく。 ※本作は「アルファポリス」にても同文を公開しております。 第8回アルファポリスホラー小説大賞、大賞受賞作。
更新:2015/4/9
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昔、祖父に写真を見せられた。私の見るところ、それは何の変哲もない、ただの夕景の一葉だった。けれど祖父は懐かしげに目を細め、「こいつには大した秘密があるんだぞ」と言う。大きくなったら教えてやるとの約束と一緒に、私はその写真預かった。でも、今。祖父はその欠片すらも告げぬまま、死の床に就いている。そんな夕刻、誰も彼もが影法師になる頃に、そのひとは祖父を訪った。
更新:2013/4/21
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ばあちゃんが土鍋を抱えてよっこらしょとやって来て、「お前の好きな鶏の水炊きだからこれだけでも食べていけ」と、そう言ってきかない。そんな夢を見た。
更新:2013/2/27
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僕は忘れていた。ママが部屋を片付けずにいてくれたから。ルーシーが欠かさず毎日ここに来て、その日の事を話し続けてくれていたから。出来たことと出来なかったこと。伝えられなかったことと伝えられたこと。去り行くものと残されるもの。それは不可逆であるのだから、ただ安らかに眠れ。
更新:2013/2/2
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