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作:時雨オオカミ

煽り性陰陽師は自由のために追放されたい

 ヒノモトに住まう、神様の血が入った一族『土御門《つちみかど》』  魔物や妖怪の脅威から救い続ける彼らは、ヒノモトで一番の誇り高い一族である。  その中でもより一層強い力を持ち、麒麟の血を濃くひく先祖返りとして生まれた『晴彰《はるあき》』は――しかし落ちこぼれていた。  いわく、妖魔王に負けて下僕にされた。 (いや、俺が式神にしたんだけど)  いわく、人の神経を逆撫でする天才。 (わざとですがなにか?)  いわく、双子の弟の『秋澄《あきずみ》』に全ての仕事を押し付ける。 (あ、それ同一人物です)  ――いわく、全てが落ちこぼれていた彼に、とうとう国外追放が命じられる。 (自由になれるでしょ? やったね! 本望だよ!)  しかし。 「お前にはひとつ仕事をしてもらう。実はローザニア王国の者達から、我らの陰陽術を『東洋魔法』として学園で教えられないかと要請が来ておる。しかし我らは日々妖怪・魔物退治で多忙ゆえ、貴様が行くのが適任ということになった」 「え、追放してくれないの!?」 「は?」 「……どうしたのですか父上? もしや、なにか幻聴でも聴こえているのでは!? ああ、なんということだ! お年を召して、頭だけじゃなくて耳も悪くされてしまったのですね!」 「貴様そういうところだぞ!?」  嫌われる『晴彰』を演じ、その裏で双子の弟としての姿を使い分けながら彼は学園にしぶしぶ訪問し、教師になる。 「よーし、ここでも嫌われて追放してもらおうじゃないか!」  これは、嫌われている性格の悪い陰陽師がある日のうっかりを境に、生徒達に囲まれた最強の陰陽師と呼ばれるようになる物語……の書き出し的なもの。  こんな話誰か書いてくれません???

更新:2021/3/5

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