死にやすい公爵令嬢と七人の貴公子
最終更新:2023/6/12
作品紹介
鈴木イゾ先生によるコミカライズ1〜3巻と書籍版「死にやすい公爵令嬢」1・2巻が双葉社さまから発売中です。 八歳の春の夜、私ことアウレリア公爵令嬢エーリカは気がついてしまった。 あれ、私、ファンタジーの世界に転生してない? しかも血なまぐさいと評判の伝奇ファンタジー乙女ゲーム「リベル・モンストロルム 〜幻の獣と冬の姫君〜」の中に。 鏡に映ったこの顔は、あのゲームのかませ犬な悪女キャラそのものだ。 主人公をはじめ、たくさんの登場人物に嫌がらせを繰り返したあげく、猟奇事件イベント開始の時報のように必ず死ぬ、まさに自業自得のしょっぱい悪役だ! ──こんな運命絶対イヤ? いいえ、前世の記憶を思い出した私にとってはそんな事ないんです。 前世の私は逆切れヤンデレ男に「きっと俺に惚れている」なんて言いがかりで嫌がらせされまくっていた。 死因も、ほんの数回しか会話したことのない別のヤンデレ男からの刺殺なんだよね……。 高慢悪女エーリカならば、前世みたいに勘違いヤンデレ男は寄って来ないハズ…? あとは自分が立てる事になる死亡フラグをどうにかすればいいだけ。 よし! まずは魔法学園で猟奇事件が始まる前に、死亡フラグをバキバキっとヘシ折ってみせる!! って思ったらもう死にそうです。 ええっ、どういうことなのーーーー!?
評価・レビュー
春二
茶屋
乙女ゲーの皮を被った重厚なダークファンタジー
冒頭こそ前世でプレイしていた乙女ゲーの悪役令嬢に転生した事に気付いた主人公が破滅を回避するべく奔走する、というありがちな内容なのですが、読み進めていくと他の作品と一味違う事に気付きます。 原作開始前に攻略キャラと接触してフラグを立てるという流れは同じですが、その過程で事件に巻き込まれて毎回ズタボロになります。それはもう「この作品のジャンルってなんだっけ?」と言いたくなる程です。 そして大陸を覆う陰謀や親の代から続く因縁が次第に明かされていきどんどん話に引き込まれます。 他にも魔法のプロセスや地域ごとの特色、ファンタジー世界ならではの文化など練り上げられた世界観も楽しいです。 主人公が「深淵殺し」の異名で呼ばれる乙女ゲー小説が読みたい方は是非一読を。
とうゆき