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作者:杏野 いま

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作:杏野 いま

エンディング目前の半透明な令息と、60日の寄り道を

幼い頃から霊と交流ができるララは、社交界で『呪われた令嬢』と呼ばれ、忌み嫌われている。 自分の体質のせいで両親に迷惑をかけたくない。その一心で婚約者からのひどい仕打ちに耐えてきたのだが、ある日、一方的に婚約破棄されてしまう。 これからは自分の気持ちを大切にしよう。決意を新たに魔道具作りに励もうとした時、一つの依頼が舞い込んだ。 「――死んだ俺の最後の願いを、叶えてほしい」 依頼主はグラント公爵家の嫡男、テオドール。以前から面識のある仕事人間だが……現れた彼は、どう見ても半透明だった。 「仕事がしたい」 「正気ですか?」 いじわるなテオドールによって依頼を断れない状況に追い込まれたララは、彼が神の元に帰るまでの六十日間、願いを叶えることになる。 まずはテオドールの職場、王立犯罪捜査局にて、彼の存在を信じてもらわねばならない。 ララは半透明なテオドールに、こっそり提案を持ちかけた。 「グラント卿。――私の体、使ってみませんか?」 これは【一途に愛した霊体令息×役に立ちたい霊感令嬢】が、互いを幸せにするために奔走し、二人だけのハッピーエンドを見つけ出す、六十日間の物語。 ◇設定はオリジナル要素があり、ふんわりしております ◇20万文字程のお話です ◇R15設定は念のためです ◇他サイトにも掲載中です

更新:2023/12/23

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作:杏野 いま

【一章完結】その日、王子の顔が壊れた

「……どうしようルーシー。俺、恥ずかしくて死ぬかもしれない」 「気が合うね、私も」 ――これは、秘密の痣を持つ明るい少女が、甘くて無表情の王子から、ずっと溺愛されてきたことに、気付いてしまう物語。 ♢♢♢ リーストン魔術学校に通うルーシーは、昨晩一つの呪いを解いた。 その呪いとは、自分の顔を覆う『痣』――ではなく、学友で隣国の第二王子、オーランド・サルバスを苦しめてきた『死の呪い』である。 オーランドの命が助かり安堵するものの、他にも解かねばならない呪いがあった。 入学式の日、彼は言ったのだ。 「俺は、呪いで表情を奪われている」   複数の呪いをかけられ、お茶目な性格のくせに、常に無表情のオーランド。 ルーシーは、彼の笑顔が見たかった。 そんな中、もうすぐオーランドの誕生日だと気付く。盛大に祝おうと計画を立て、準備のために街に出た。 するとそこで、予想外の事件に巻き込まれることになる。 事態を理解したルーシーはうつむき……満面の笑みを浮かべたのだった。 ♢♢♢ 「ルーシー、しっかり俺を見て。俺は今、もの凄く幸せだ」 「オーランドが幸せなら嬉しい。ただ……いつも通り、表情は微動だにしてないけどね」 「……そんなぁ」 (格好良いのに可愛いだなんて、ずるい) *設定はゆるふわです。 *この作品はカクヨム、アルファポリスにも掲載しております。

更新:2022/5/2

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