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作者:雪峰

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作:雪峰

我が愛しき娘、魔王

【本編完結しました】  全てを殺す精霊、魔王。  自然発生するそれと人間達は日夜戦いを繰り広げていました。  そんな殺し合いにまみれた世界で、一人の男が魔王の赤ん坊と出会ってしまう。 「うわぁぁぁぁぁ!? 魔王の赤ん坊だぁぁぁぁ!?」 「あう」 「魔王殺害は人類の義務……死んでもらうッ!」 「あう?」 「…………と思ったけど、まぁいいや。寂し過ぎて死にそうだから、お前を育てて話し相手にでもするか」  そこは無人の大陸でした。  話し相手に飢えまくっていた男は、狂気の沙汰と知りつつ魔王を育ててみることに。 「大きくなっても俺を殺すなよ?」 「あーうー」  やがてその赤ん坊は育ち、男のことを「お父さん」と呼び始めました。  人間である父親と、魔王である娘。  そんな二人は仲良く暮らすようになったのです。  ――――だがしかし、どんなに可愛かろうが、満面の笑みで「お父さん」と呼んで男に懐こうが、結局のところ彼女は殺戮の精霊。何もかもを殺す事が定められていた。  二人は出会い。幸せな親子となり。そして世界は滅びの道を突き進む。 「よしよし、たくさんお食べ」 「もぐもぐ。……もぐもぐもぐもぐもぐ」 「食べ過ぎでは?」  魔王を育ててしまった男。  そんな彼を愛した娘。  終わりの時は、必ず訪れる。 「ねぇねぇお父さん! 牛肉ってどんな味なの?」 「最強の味だ」  脳天気な娘と、「まぁいいや」が口癖の男。  二人はいつまでも一緒に暮らしました。  全ては、幸せになるために。

更新:2024/1/29

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